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今の時代だからこその「本」のあり方を考える話

どーも!きつね@人材育成担当です。
昨日、NHKクローズアップ現代の新春インタビューを拝見しました。

どちらの方も面白かったのですが、特に興味を持ったのはノーベル平和賞を受賞したマリア・レッサさんのインタビューです。
中でもこの一言が頭にずっと残っています。


「いまは100万回うそをつけば事実になる時代です。」

情報が過多になっている時代に、情報の発信へのハードルが広がっています。
その中でも「出版されたら正しい内容」と捉えうる「本」について、どのように向き合っていったほうが良いか、下記の本を読みながら考えました。

本とは「何か」

作者は、「本」を全体的な知識をコンパクトにまとめたツールとして扱っています。他の情報取得手段として、新聞は価値の序列をつけたツール、インターネットは速度と検索性に優れたツールとしてみなしています。
中でも、他の情報取得手段と比べ、本は5つの優位性を持っています。

①何百年も読み継がれたもの(古典)は当たりはずれが無い
 →今思えば、孫子や孔子の言葉は、今でも通用するものばかり
②コストと時間がかからない
 →本は平均3000円弱で買えますよね。実際に現地に行く場合、
  飛行機代やホテル代のコストと比較すると安い!
③場所を選ばずどこでも情報が手に入る
 →電車でも飛行機内でもどこでも読めますよね!
④時間軸と空間軸が広い
 →時間はイエス・キリストがいたときレベルから未来まで、
  空間は国境問わず世界、ひいては宇宙の話も分かる!
⑤実体験にも勝るイメージが得られる
 →表現によっては、自分の頭にこびりつくようなイメージが
  残る場合も(筆者は「毒」と表現している)

このように考えると、本は選び方によって感情や学びを効率よく得ることができるツールと理解できると思います!

本を選ぶ

本を選ぶ際、皆さんはどう選んでいますか?
「みんなが読んでいるから、なんとなく読む」と考えている方、少なからずいると思います。(私もそうです)

ただ、この読み方をすると、非常に挫折しやすくなります。興味がないからです。
筆者も、まずは「好きな本を読もう」と述べております。
※ただ、実務にかかわるものは無条件に読もうとも述べております。

では、「知識を得るために読む」など、明確に学びたい内容がある場合はどうするか。筆者は下記の通り述べています。
・関係ありそうな本を7~8冊読む(体系的に学ぶには量を読んだほうが良いため)
・まずは分厚い本から読む(分厚い本は不出来な人には書けないため)
・学んだ知識を実際に試してみる(実際に使わないことには意味はないため)
・自分の中で咀嚼する(読んだだけではなく、理解しないと知識として残らないため)

中でも、知識を得るための本として、「古典」を読むことを推奨しています。時代を経ても淘汰されない本は、どの時代に読んでも必要とされていたからです。実は最近のビジネス書を読んでいると、「この情報、なんか見たことある!」と思ったら1年前に読んだ本と同一の内容があった、ということが多々あります。情報が多くなるほど、実はソースをたどると古典のことが多くなっていると思います。難しくても、古典を読んだほうが早い、正しい、作者の認知のゆがみが入らないと思います!

本と向き合う

中でも、ビジネス書との距離の置き方は印象でした。
①ビジネス書は後出しじゃんけん
 →作者は命に関わるような大きな失敗例は少なく、多くは成功例で埋め尽くされているが、実際にどう再現性があるかが不明確です。
思えば、サンプル数が多くても3程度であり、普遍的かどうかは怪しいです。また、著名な本を引用して正しさを証明しますが、多くは古典がソースとなっているため、古典を読んだほうが早いというケースが多いと思います。

②ビジネス書は抽象度が高い
 →
これは今では逆で、かなり具体的な実例を用いることが多くなっていると思います。昔は退職した経営者が作成するケースが多かったですが、今は現役の経営者が作成したケースが増えているからだと思います。そのため、実践はしやすくなっていると思います。ただ、再現性や正しさの観点では①に記載の通りです。

また、ビジネス書以外も、本の読み方について、改めて見直す必要がありそうです。本は著者との対話、ということを意識してじっくり読みたいと思います。

本を使う

ここで述べられていたのは数字・ファクト・ロジックです。
特にドンピシャだな、と思ったのが1/4(火)NHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」の山岡朝子さん。

思い込みではなく、購読者からの思いから読者層のペルソナを組み立て、自分の中で問答を重ねていく姿からも、数字・ファクト・ロジックが大事ということが分かります。

※1/4(火)のNHKは個人的に豊作でした(^▽^)/

本を愛する

最後に、本作で取り上げられていた本を紹介します。
この本を読んだらまたレビュー&まとめを上げようと思います。
読書は世界を広げること、人の痛みを分かること...

引用文だけでも、なぜここまで人を慮ることができるのか、どうしたらその発想に至るのか、とても不思議に思いました。読後に考えたいと思います。

最後に

読書の大前提に、そもそも本を読むことが好きか、という問題があると思います。人に流されるのではなく、自分に合った読書ライフを歩んでいただけたらと思います!

また、知識としての「本」を読む際には、数字(統計、調査として適切であるか、サンプル数が少なくないか)、ファクト(実際の調査の結果や、事実)、ロジック(論理)に当てはまっているか、疑いながら、想像しながら読んでいく力が必要になると思います。
本の内容と自分の持ち合わせている知識が違った場合、「違うんだ」と疑わずに納得するのではなく、まず数字・ファクト・ロジックで「なぜ」を考えていくことが、情報が錯綜する社会では必要になると思います。

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