読書記録③人を動かす原則
最近読んだ「人を動かす原則」について
心に刺さった内容があったのでまとめておく。
読書の動機
Youtubeにて本の紹介をしている動画にて紹介されていたのを目にし、
ふと読んでみたくなった。
なんでも対人関係における行動指針を示した本で、必読とのこと。
どんな本か
心理学的な側面から見た、対人関係のスキルについて書かれている本だ。
同種の他の本と比べた時の独自性
人間の根源的な欲求(本性)に基づいた明確な行動指針を指名している点。一貫して、人間の本性の理解こそが人を動かす肝であることを繰り返し説いている。
特に、下記の3つは心に刺さる文であった。
-「自己中心的で自惚れの強い人たちは自尊心が高すぎるのではなく低すぎるのだ」
これまで私は無意識に、「自尊心が高いほど、自己中心的になる。自惚れる」と考えがちであった。しかし、この文を読んだとき、それは間違いかもしれないと感じた。
自尊心が低いほど、自分が満たされておらず、自分のことが忘れられない。だから自分本位になってしまう。逆に、自分が満たされている人は他人へ関心の目を向けられる。というわけだ。
自分自身を振り返ってみても、自分に自信が無い時に、自分の意見を強くプッシュしてしまうことが多い気がする。
これは裏返してみれば、他人の承認を強要することにより、自分の自信の無さを保管していることに他ならないのだ、と気が付いた。
-「相手を受け入れる人は、相手の振る舞いを改善させる大きな影響力を持つ」
この文を読んだとき、ある一人の上司の顔が浮かんだ。
その上司とは、昨年末に赴任したベトナムの現場にて、約2か月半共に働いた。
その上司は、初めて会う私の拙さや、抜けているところ、酒が弱いところ、20歳以上のジェネレーションギャップも含めてほとんどすべてを受け入れてくれた。(少なくとも私の目線からはそう見えた。)
その大らかでどんな相手でも受け入れる態度により、たった2か月であっても私はその上司を心から慕うようになり、帰国後の現在も気軽にチャットをする仲となった。
帰国前、その上司が私に「もっと分からないって言ってほしかった」と言った。この言葉を聞いたとき、私は自分が無意識のうちに「知ったかぶり」をしていたんだと気が付いた。
そしてそれ以来、私は意識的に「知ったかぶり」をしないために、自分にルールを課した。それは、何か質問をして回答をもらった時、その回答に対してさらに最低一つ質問をする、ということだ。
なぜこんなにも素直に、上司の言ったことを受け入れることができたのか。
それは、他の誰でもなく、自分を受け入れてくれたその上司に言われたからである。
他の誰かに「知ったかぶり」を指摘されたとしても、この上司に言われたようには心に刺さらなかっただろう。
それだけ、「相手を受け入れること」の力は強大なのだ。
-「議論とは相手をねじ伏せることではない。自分と同じ考えに「なってもらう」ことである」
本書を総括するような一文で、まとめにふさわしい一文だと感じた。
議論で相手を負かしてやろうと考えそうになったとき、自分が相手を変える、という意識は間違いだと肝に銘じなければならない。
あくまで、「相手発」の力で変わってもらうお膳立てをすることが重要であるのだ。
ディベート勝負や、「論破」といった言葉がネット上でもよく見られるが、「論破」した相手とはその後も関わっていかなければならないことを忘れてはいけない。
伝え方や、伝える内容、表情や身振りも含め、どうしたら相手が自分側についてくれるのか、を冷静に考えながら話すのが「人を動かす」という意味でのコミュニケーションの正解なのかもしれない。
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