見出し画像

深セン視察メモ 2018/9/6-9/7

2日間の深セン視察時のメモをまとめました。
写真・動画と一緒に再整理したものは以下で公開しています。

以下メモの8割は上記の記事でカバーしていますが、テキストでまとめて確認されたい場合はこのままご覧ください。

▼深セン全般

・歴史がないから、北京、上海と町の作りが違う
→北京とかは昔のままの都市だから渋滞ひどい
→古い建物ほとんどない
→北京等の何千年の歴史に対し40年しか歴史がない
・元々は小さな漁村、数万人規模
・深センという名前は40年前から。バオワンという名前だった
→1980年に経済特区、いま38歳
・鄧小平が深センの父。経済特区に指定したのが発端
・当初は深セン内に経済特区3つくらい、最初は限られた人しか入れなかった、10年前もそうだった
・若い人が多い、平均32〜35歳、元々は製造の出稼ぎが多かったが、今は起業するために来る人多い
・2012年にユニバーシアード(大学生のオリンピック)を開催して、さらに変化。街並みがきれいになった(道路の表側だけ)
・10年で最低賃金が3倍の2200元に。寮食事付
・リーマンショックの時は深センの成長は横ばい
・2013年から一気に新しいもの出てきた、ウィーチャット、ドローン等
・中国人でも深セン速度という言葉を使う=発展の速さを象徴
・若い人が多いから、新しい実験をやるにはもってこい。街全体が実験場
・CESに出てる中国企業の半分は深セン、全体の1割くらい
・深センの標準語は北京語。広東語圏だけど色んな地方からきてるから
・上海、広州はその土地の言葉を使う人が多い、重要なコミュニティは地元民が占めている、深センにはそういうものがない
→ここに来たら深セン人、と政府が発信、平等な場所
・2017年末くらいから日本で深センが話題に。池上彰の番組とかで取り上げられた
・地下鉄8本工事中。年2本ペースで増えている、一番遠いものだと2024年開業予定
→発展途上、まだ勢いが止まらない
・東京都と同じ広さに2000万人いる(戸籍上は1300万人だが、地方に戸籍のある人が多数いる)

▼華強北(ファーチャンペイ)
・90年代は世界の工場、製造業の街。80年代初頭、工場が近くにあったからファーチャンペイができた
→現在は製造拠点は郊外に移動中
・20棟以上の1〜5階は全部店舗
→最終製品のあるエリア、LED・ケーブル・基盤・スマホケース等の部品エリア等細分化している
・スマホに入ってる部品を全部集められる場所
→試作品をすぐ作れる
→パーツの不良品率は日本より高い
・扇風機にLEDをつけて映像を表示するプロダクト展示あり
・スマートホーム専用フロアが存在
→配線工事がいらない電池式
→「魔法の鏡」も展示。鏡がタッチパネルで情報表示
・Segmaker(メイカースペース)がある
→3Dプリンタとかが配備
→ニコ技・高須さんがスペースを持ってるが、日本人の視察はお断りになってる
・1985年のファーチャンペイの写真(別添)から大きく変化 ※もう1枚は1982年の現在の都心部
・画面のフィルムだけで50店舗以上ありそう

▼南山区
・南山区は若い人が特に集まってる
→環境が良いだけでなく、情報が集まってる
・テンセント、深セン大学がある
・インキュベーションセンターはほとんど南山区にある
→毎週ピッチコンテストやってる

▼WeChat、スマホ決済
・WeChatはミニプログラムというプラットフォームを提供
→地下鉄のQRコードもある、去年ゲームが流行った
・日常の決済はウィーチャットペイ、SNSで割り勘とかもする
・アリババ出資先とネット上はアリペイも使う
・ゲームのログインはウィーチャット、友達リストを取り込む
・ウィーチャットグループの参加は簡単。同じ場所にいる人はパスコードいれたら終わり
・ウィーチャットで仕送りする、中国は親に仕送りする文化
・ウィーチャットペイは店舗対応の前に個人間送金で普及
→お年玉を送る、ゲーム的にグループチャットに5元送る(早い者勝ち) とかの使い方も
→個人間送金で普及した後に、使える場所が増えていった
・企業の中にはホームページを持ってないところも多い。アプリやウィーチャットの公式アカウントとかミニプログラムの方がメイン

▼アリババのスーパー:フーマー
・ひっきりなしに配送が出て行く。すごい数の配達員と電動スクーター
・専用の店員が注文に応じて商品をピックアップしてゴンドラに乗せる
→注文から10分以内にベルトコンベアで配達員の拠点に届き、30分以内に配達
・配達料は無料。開店から半年でオンライン率50%、それ以降は70%になる
・アプリを落とさないと使えない、支払はアリペイのみ
・アマゾンの倉庫にお客さんを入れてるみたいな感覚
・上海の1号店は初年度売り上げ42億円
・毎日売り切りだから新鮮
・普通のスーパーと同じくらいの値段、質が良いから一度買ったら安心してオンラインへ
・アリペイアプリでは払えない、フーマーのアプリを入れなければダメ
・テンセント出資先(超級物神)も同じようにやってるが盛り上がってない
→規模がフーマーより小さい
→ドローン配達で逆転を狙ってる
・国内格差が大きいから、安い賃金でも人が集まってくるのでは。潤沢な人的リソースに支えられている
→日本だとコンビニ店員も外国人なように、人不足
→電動スクーターが日本では走れないのも違い

▼無人コンビニ
①百鮮Go
・自販機増えた、現金回収いらなくなったから
・百鮮Goは90年代生まれが創業
→QRコードを読み取って商品棚がオープン、タグで在庫管理
・芝麻信用(セサミクレジット)を気にしてる人は周りにいない、日本でもてはやされている感
→気にしているのは普段からお金を借りてるような人だけ
→無人コンビニとセサミクレジットは意識してない
②sunstore
・顔認証で入れる、2~3秒で認識。初回はQRコードを読み取って登録
・ICタグで商品を認識する。ミニプログラムに登録をしておけばスマホはいらない
・自販機会社が無人コンビニをやってる、まだ2店舗くらい
→ついこの前までむき出しの端末だったが、最近きれいになった
・移動型自販機もやっている、親会社はゲノム系で全然違う領域
③ウィーチャットと提携した実験店
・顔認証で買う
・ウィーチャットペイしか使えない
・入口は2Dのカメラで認証、iPad画面に表示した写真でも開く、誤認証も多い
・決済端末は2台のカメラと重さで商品識別。同時に4点まで購入可能
・カメラに複数の人が写るのでサムアップした人の顔で認証
→sunstoreの店舗は個室の決済エリアを用意することで解決
・ちゃんと買っても、タグが反応して出るときピーピー言うが、スタッフが1人いるので大丈夫(60%の完成度でもやっちゃうというが、30-40%の完成度な感触)
④未来商店(ロボット店舗)
・ディスプレイメーカーがやってる、深セン2店舗、広州2店舗
・ロボットが調理して温かいものを提供するのが特徴(冷凍食品だが)
・タッチパネルで商品を選択してウィーチャットペイで決済
・1〜2分待つとロボットアームが商品を提供
・テーブルにあるボタンを押すと、テーブルがスライドして空き容器が下に落ち、水で流される
→テーブルだけで15万元(250万円くらい)
・裏側は、冷蔵庫からロボットアームが商品をピックアップして電子レンジに入れて、時間経過後に取り出して提供している
・小型店舗は10数か月で黒字化とインタビュー動画で回答
・無人店舗の中で一番使われてる

▼顔認証ケンタッキー
・決済は、アリペイ顔認証、アリペイ、ウィーチャットペイが選べる
・アリペイの生体認証は中国人しか使えない
・顔認証後、店舗のタッチパネルに携帯電話番号を入れて認証完了
→現地人で顔認証を使ってる人は少ない
→深センでは顔認証対応しているのは1店舗のみ
・タッチパネル式のオーダーシステム、マクドナルドはほぼ全店舗入ってる
・アプリでプレオーダーもできる

▼宅配、物流
・ウーバーイートの中国版、黄色いバイクのメイトワン
→中国で飲食店やる時にメイトワン入れないと売上あがらないと言われている
→24時間配達、この前は5km先から配達してくれた
→14時頃、メイトワンの配達員が視界に5人くらい入る(それだけ普及している)
→メイトワン、サラリーマンより稼いでる配達員たくさんいる
・JDはロボット配達やってる、街中に小型ロボット、倉庫間のドローン配達やってる

▼無人ホテル
・ホテルは普通ロビーを豪華にするが、ロビーをシンプルにしてコスト下がるし、その分客室にできる
・ロボットが部屋まで案内してくれる、部屋の鍵はアプリで開ける、ホテルの清掃員もシェアリング(空き時間マッチング)

▼シャオミ旗艦店のあるモール
・2017年年10月にできたショッピングモール
・5年前くらいに辺りの古い建物をすべて建て壊して、新しいビルを建築
・シャオミストアは現在改装中(別のスペースで商品展示)
→スマートホーム、スマートスピーカー、傘やバッグまで作ってる
→パソコンの背景にロゴがない、元は格安スマホだったが最近はクールなブランドに
→シャオミは面白そうな企業を買収して傘下に加えている
・ヤフー知恵袋みたいなアプリ(ズーフー)のイベント会場に入場
→アプリは3億ダウンロード、今春時点で1億アクティブユーザー
→インスタ映えする展示にすることで来場者が写真を撮ってウィーチャットのモーメントにアップしている

▼テンセント
・8,500人の新社屋
→ランニングコース、ボルダリングもある
・福利厚生が充実。送迎バスが500路線以上、朝食夜食無料
・完全フレックスだがノルマの仕事量は1日10時間以上かかる
・ソフトウェアパークと道を挟んで隣接

▼ソフトウェアパーク
・2014年にできた、テンセント、バイドゥがすぐ横に拠点
・多数のVCと50個のインキュベーションセンター、300社が入っている
→入居しているVCが4600億元(8兆円)くらい投資している
→グーグル、SK、サムソンも入居
・「党と一緒に創業しよう」のモニュメントが目の前にある
・関連する300プロジェクトのうち120以上がシリーズAまで進んでいる
・弁護士会館が中にある、国際特許申請をサポート、2016年で中国から2万件申請、深センの南山区から1万件
・北斗(中国版GPS)がインキュベーションセンターを持ってる
・情報はパーク外に出てこない、ウィーチャットのグループで共有される
→北京の中関村に似ている
・2人まで入れるカラオケボックスが2台設置。商業施設によく置いてある
→カラオケアプリと連動、自動で録音されているからオンライン上でいつでもシェアできる
→単曲8元、月66元(1000円)
→ウィーチャットペイで支払い、現金回収がないから成り立つ(メンテナンス頻度は低そう)

▼CEEC(常設されているCESの展示場のようなビル)
・入居率がどんどん下がってる、来年このままあるか心配
・プロダクトに代理店や融資募集中と書いていたりする
・facebookの広告代理店が入居。中国企業が海外でfacebook広告出すサポート
▽展示物詳細
・ロボットの教育キット:3Dプリンタで作った部品を解体して勉強
・血管を映像化する機械
・土いらずで植物を育てられる機械
・医療ウォッシュレット:心拍数や体重計測、尿検査ができる
→アプリから医師にデータ送付
→防水ウォッシュレットは唯一、中国はトイレとシャワーが一緒なので防水がマスト
・5,000円で30分フライトシュミレーター使える
・バーチャル試着:写真撮った後、自由に着せ替え、購入も表紙風にした写真をシェアすることもできる
・DJI:ドローンは1.5kg未満はライセンスなしで飛ばせる(ファントム4までOK)
・Mavic Airのテスト飛行
→対象物を選択すると追尾する
・makeblock:日本ではソフトバンクが代理店。学校に導入したいが文科省からOKが出てない
・HTC VIVE:VRゲーム体験(両手に持った剣で音楽に合わせてパネルを切っていく)
・Royoce:ペラペラの液晶とキーボードを作ってる、実物展示はない

▼EV、車関係
・EVを製造しているBYD社が深センにある(バスとかに会社ロゴ)
・EVの浸透率高い、公共交通機関は他の都市と比べ物にならないくらい
→公共バスの95%がEV、上海は10%くらい
→緑のナンバーはEV、タクシーも半分くらい
・充電スタンドあまり目立たないがたくさんある
→アプリで場所を探せる
→ショッピングモール、オフィスビルの地下駐車場に設置されているから街中で見ない
・中国の大都市はナンバー規制。車を買っても抽選0.02%でしかナンバー取れない(深センは特に厳しい)
・隣の区でナンバーとる人もいるが、ラッシュ時は深センナンバーしか走れない
・ナンバー取得は200万円、去年まで100万円、新規は1人1台しか持てない
・駐車場がスマート化。発券機がない。カメラでナンバー識別。駐車場はQRコードがついてて、ナンバーを入れたら決済できる

▼無人バス
・法律上、運転席には人がいなきゃだめ
・バスが段々スマートになってる、センサーがあまりむき出しにならないように
・保税区で実験中。車がほとんど走ってない公道、2017/12から。香港国境にある
・テストは20〜30キロ。GPSとセンサーで走ってる
・中国のドライバーは運転が荒いから、実用化はけっこう通そう

▼警察の画像認識関係
・警察の防犯カメラにAIが入ってる
→中国内のコンサートでダフ屋5人を顔認識で逮捕、が最近ニュース
・画像認識は今の精度で良い、スクリーニングしたものを人の目で見れば良い、という考え
・交通違反はカメラで認識されてウィーチャットで通知、支払いもウィーチャットペイ
・人も道路の横断、赤信号無視で50元罰金

▼シェアリングカーponycar
・アプリで車を選ぶと音を鳴らして場所が分かる
・乗る前に壊れているところを写真に撮ると開錠
・中国産EVじゃ普通に乗れる
・中国の身分証明がないとウィーチャット、シェアリングカーとか使えない
・まだシェアリングカーの台数は少ないが、ナンバーを取れないから今後広がるのでは

▼携帯電話端末
・OppoのFind Xはカメラがスライドで出てくる
→ランボルギーニコラボは16万円だが売り切れ
・VIVOもカメラを隠すフルディスプレイを販売
・アプリストアはシャオミストア、ファーウェイストア等端末メーカーごとに出している

▼ファーウェイ
・シリコンバレー風の建物。高い建物を作らず森に囲まれている
・フォックスコンはファーウェイよりさらに敷地が広い
・ファーウェイは敷地内に北京大学病院が診察してくれる出張所がある、スーパーとか寮も中にある
・ファーウェイの定年は45歳

▼ネットゲーム、eスポーツ
・ネットゲームは中国国内で対戦。海外ゲームPUBGはテンセントが代理店になり流行ってる
・ゲームの王者栄輝はアクティブユーザーが最大1億人
→同作のeスポーツの賞金は1200万円、深センのアリーナ1万人がチケット代1万円以上なのにすぐに売り切れ
→同大会はライブ配信で150万人視聴
→eスポーツ全体では最高賞金1億円
・女性のゲーマーが多い、課金のハードルが低い、年3000円とか

▼海外サービスを使わない
・Google、Amazonとかは極力使わない(政府リスクがあるため?)
→クラウドはBATとファーウェイがやってる
・海外サーバーは北京を必ず通るから通信遅い
→国内に選択肢が揃っているから海外のものをわざわざ使う必要がない
→あらゆるものが内需で成り立っちゃう
・ポケモンGOはグーグルマップ使うから、中国には持ってこれない

▼地下鉄
・地下鉄内監視カメラだらけ。ドアの間に1個ある
・地下鉄の中を警備員がウロウロ、2号線は1台に監視カメラ2台
・日本以上にスマホいじってる割合高いかも。乗客の8割くらい
・地下鉄はラッシュ時は10分以上並ぶ、3年前から荷物検査を導入
→中国はテロへの警戒が強い、時に北京
→習近平は8回くらい暗殺未遂
→贈収賄の取り締まりへの報復、少数民族による攻撃など

▼昼食(山西省料理)
・昼食のテーブルにQRコード。スマホで読み取るとメニューが表示されてオーダーできる、決済も可能
・小さいお店だとメニュー置いてない店もある
→40席の店舗でホール1人、料理を運ぶだけ(オーダー、決済はスマホ任せ)

▼SMS
・SMSを受信できないと展示場のチケット受け取れない、不正対策?

▼その他中国関係
・完成度60%で世の中に出ちゃう
→法律の考え方は日本よりもアメリカ的(NGと書かれていないものはやってみる)
・TikTokが流行っている。主に家で見る。10代、20代が中心
・ファーウェイは非上場で融資を受けたことない、独資で成長
・中国のユニコーンは90社、アントフィナンシャル、Didi、DJIなど
・上海はXNodeというアクセラレータを日本人がやっている
・DJIは死んでもOEMやらないらしい
→プロダクトに自信を持ってる、コピーできるものならやってみろ
・ジェトロ香港の宮下正己さんが中国関係のレポートを出してる
・中国人からみると、決裁権がない人がなぜ来てるか分からない
・HeyTea、スタバより流行ってる、ショッピングモール内だと30分以上並ぶ
→紅茶の上にチーズクリームをのせるのが有名、1杯500円くらい、イチゴ味、桃味、ぶどう味
・ひらがなの「の」は中国語になりかけている、日本感を出すことで高価値をPR

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?