しあわせ資料館

これまで私を幸せにしてくれた物や出来事についての小さなお話を集めました。 うつわ、化石…

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これまで私を幸せにしてくれた物や出来事についての小さなお話を集めました。 うつわ、化石、アクセサリーなど。 短歌も好きで、自分でもつくっています。2022年5月から塔短歌会に所属しています。(田中恭子)

最近の記事

かりんのジャム

 「季節の手しごと」、そんな言葉に誘われて、かりんを買ったのはある秋のことでした。    「季節の手しごと」と書かれたチラシには、かりんのはちみつ漬けとジャムの作り方が書かれていて、はちみつ漬けなら、かりんを切ってはちみつに漬けておくだけだから、これならできそうだと思い、かりんを買ってみたのです。さっそく、はちみつ漬けを作ろうと作業にとりかかったところ、用意していた瓶が小さくて、かりん全部は入りそうもありませんでした。そこで、残りのかりんはジャムにすることにしました。ジャムは

    • 猫好きが猫好きに贈ったチョコレート🐟🎁

      • 虻を詠む(自作の短歌)

         今、住んでいるアパートのベランダで虻の死骸を発見することが割とあります。    昨年の秋に、ベランダで死にかけている虻を発見しました。ちょこちょこと時間をおきながら観察しているうちに短歌ができ、『塔』に投稿しました。掲載されたものをここに引用します。    塔短歌会に入って初めて掲載された短歌の中からこちらの歌を。  今思うと、あの死骸は蜂ではなく虻だったのかもしれません。  虻の歌をこんなにつくるとは思っていませんでしたが、目の前に現れてくれたものを大切にしたいな

        • 『高安国世アンソロジー』よりー好きな10首(p.119-224)

           「虚像の鳩」(1968)、「朝から朝」(1972)、「新樹」(1976)、「一瞬の夏」(1978)、「湖に架かる橋」(1981)、「光の春」(1984)、未刊歌篇から好きな10首を紹介します。このあたりから新かな遣いに変わっているようです。  風に揺れている草葉の様子を「いっせいに起きあがろうとする」と表現しているが、草葉の動きは風によるものではなく、蝶があやつっているようだとしているところがおもしろい。「白くあやつりの如く蝶来て」でモンシロチョウが想像された。蝶の飛び方

        かりんのジャム

          『高安国世アンソロジー』よりー幼子を詠んだ歌と情景を詠んだ歌(p.5-118)

          「Vorfrühling」(1951)、「年輪」(1952)、「夜の靑葉に」(1955)、「砂の上の卓」(1957)、「北極飛行」(1960)、「街上」(1962)の中から、自身の子を詠んだ歌と情景を詠んだ歌を紹介します。  どちらも長男のことを詠んでいる。  一首目は長男が生まれたばかりのころのもので、幼子が朝早く目覚めていることや木の葉が風に吹かれて揺れているのを見て笑っていることが、作者にとっては、幼子自身が生まれてきたことを喜び、祝福しているような瞬間に映ったのかな

          『高安国世アンソロジー』よりー幼子を詠んだ歌と情景を詠んだ歌(p.5-118)

          King Gnu Dome Tour 「THE GREATEST UNKNOWN」~ライブの思い出~(ネタバレなし)

           King Gnuのライブに初めて行ってきました。実は、誰かのファンクラブに入ってライブに行くということ自体が初めてのことでした。私の人生の中でこのような日が来るとは想像もしていませんでした。  King Gnuを好きになったきっかけは2022年の年末のレコード大賞でのパフォーマンスを見たことでした。すごくかっこよくて(特に常田さん)、そこから過去の楽曲を聴き、知れば知るほど好きになっていきました。アルバムを聴くと、一つ一つの楽曲が素晴らしいのはもちろんのこと、全体をまとめ上

          King Gnu Dome Tour 「THE GREATEST UNKNOWN」~ライブの思い出~(ネタバレなし)

          『高安国世アンソロジー』を読んでーあとがきと『眞實』について

           2024年1月号の「塔」の年頭所感の中で吉川宏志氏が、今年は「塔」創刊70周年の記念の年であり、創刊した高安国世の没後40年ということもあり、この機会に『高安国世アンソロジー』を読むことを勧められていて、さっそく手にとってみました。  今回、中古で見つけたのですが、巡り巡ってこの一冊を手にできたことはありがたいなと思いました。はじめて手にしたときにぱらぱらとページをめくりつつ、あとがきを先に読んでしまいました。この本は永田和宏氏が選歌にあたり編まれたもので、永田氏のあとがき

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          睦月都 歌集『Dance with the invisibles』とても素敵です

           今年初めて買って読んだ歌集、睦月都さんの『Dance with the invisibles』がとても良くてこの記事を書きたくなりました。  花山周子さんの装幀で、とても素敵な歌集で、持っているだけでも嬉しくなってしまいます。短歌作品も素晴らしくて、スプーンや窓辺、小鍋、砂糖、猫などなど、ごく普通の言葉がとても特別な存在感をもって短歌の中にあり、大きな世界を読者に見せてくれるように思います。現実的なことがモチーフになっていても、子どものころにおとぎ話にふれたときのような不思

          睦月都 歌集『Dance with the invisibles』とても素敵です

          [RC GEAR]銀細工コレクションの飾り方を変えたきっかけ

           以前、紹介したRC GEAR製の銀細工の飾り方を変えたきっかけについて、ここに書いておこうと思います。 きっかけは温泉でした  シルバーリングの変色に気づいたのは、温泉に入った後の食事を楽しんでいるときでした。温泉に行くときはいつも気をつけて外していたのですが、その日はすっかり忘れて温泉に入っていたのです。真鍮のような茶色に変色していて、これはこれでいいかなと思ったのですが、塩とアルミホイルとお湯できれいにできると聞いて、家に帰ってからやってみました。すると、あっという

          [RC GEAR]銀細工コレクションの飾り方を変えたきっかけ

          ピンクのカーネーションを飾りました。久しぶりのお花です。部屋の中にお花があると、やっぱりいいなと思います。空気が優しくきれいになった気がします。うれしい。

          ピンクのカーネーションを飾りました。久しぶりのお花です。部屋の中にお花があると、やっぱりいいなと思います。空気が優しくきれいになった気がします。うれしい。

          King Gnu アルバム「THE GREATEST UNKNOWN」を聴きました

           アルバム「THE GREATEST UNKNOWN」が手元に届き、聴いてみました。21曲が収められていて、1時間の構成ですが、充実していてあっという間の1時間で、すごく満ち足りた気持ちになりました。  1曲目の「MIRROR」と最後の「MIRROR(鏡文字)」を聴いたとき、氷山を思わせるような凍てついた空気が伝わってきて、CDジャケットに描かれた世界の空気のように感じられました。この空気感までつくりだせる音楽ってすごいなと思いましたし、1枚のアルバムの中に世界観がつくりだ

          King Gnu アルバム「THE GREATEST UNKNOWN」を聴きました

          ミネラルショーでわかった私の好きなもの

          ミネラルショーに初めて行ったのは、10年以上前のこと。化石好きな夫に誘われたのがきっかけでした。ミネラルショーの存在は知っていたけれど、あまり自分と関係がないように思っていたところもあり、楽しめるか不安でした。私にとって、化石は見るもので、買うということを考えたこともありませんでした。 初めて行ったのは池袋ショーでした。初めのうちは、会場の人の多さや熱気、化石や鉱物の多さに圧倒されて、場違いかなと思ったりしていましたが、きょろきょろしながら会場内を歩いているうちに、なんとな

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          ウミユリの茎とウミツボミ(自作の短歌)

          私がウミユリの化石を好きになったのは、ウミユリの茎の化石をもらったことからはじまりました。 ウミユリは、ウニやヒトデなどと同じ仲間の棘皮動物で、その姿からウミユリと名付けられていて、茎と呼ばれているのは、体の節の部分です。私がもらったのは、5〜6mmの大きさのウミユリの茎の化石で、星型をしていて、それは五弁の花が咲いているようにも見えるのですが、それがふたつ仲良く並んでいるものです。こんなにきれいな化石があるのだ、と感動しました。発見、採集した人によると、その化石の母岩はと

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          NHKの冬の短歌大会の題詠が写真課題で、指定された写真を見て詠むというもの。私はこういうのは初めてで、おもしろそうです。他の方はどんなふうに詠むのか今から楽しみです。

          NHKの冬の短歌大会の題詠が写真課題で、指定された写真を見て詠むというもの。私はこういうのは初めてで、おもしろそうです。他の方はどんなふうに詠むのか今から楽しみです。

          【RC GEAR】銀細工の放散虫たち

          手にとるたびに、その美しさに惹きこまれ、時間を忘れて見つめてしまうものがあります。私にとって、そうしたものはたくさんありますが、その一つがRC GEARの銀細工の放散虫たちです。 私が初めて手にとり、購入した作品は、放散虫のカロサイクラスの銀細工のストラップです。今では廃盤になってしまいましたが、正確さを追求し、更新されたものが現在、販売されています。廃盤になったカロサイクラスの形も私は気に入っていて、この作品では、放散虫の仮足がビーズで表現されています。そして、さらによく

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          「放散虫の夏」の思い出とその後のこと

          「おかしな形の放散虫」への投稿 「放散虫の夏」とは2019年の夏のこと。放散虫を顕微鏡で観察して、そのスケッチを遺した進化学者のヘッケルの没後100年を記念して、その夏、写真展「放散虫」(富士フィルム主催)が東京と大阪で開催されました。それに関連したイベントで、放散虫に似た形の食べ物を探してSNSに投稿するというものがあり、白亜紀に生息していた9種類の放散虫に似た形の食べ物の写真が募集されていました(日本古生物学会化石友の会主催「おかしな形の放散虫」)。 おもしろそうだなと

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