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5度の方向転換

クルーズ船の総トン数は、大きさにもよるが、7万トンから18万トンだと言われている。

海に浮かぶ巨大な鉄の塊を動かすことは、そんなに簡単ではないということは想像できるかと思う。

今のクルーズ船は、60度の傾きでも転覆しないようにできているらしいが、それでもクルーズ船のような大型船の方向転換をするときは、5度ずつ、徐々に変えなければならないということを知った。

一気に5度以上転換すると、危険があり、転覆事故になり得る。

2014年に起きた韓国のクルーズ船の転覆事故の原因の一つは、15度の方向転換だったと言われている。

数週間前、デボーションの後、心に重くのしかかっている悩み事や心配事を神様に委ね、助けて欲しいと祈っていた時に、「5度」という言葉が夜の町に光るネオンサインのようにふと脳裏に現れた。

それはまるで、神様が

「リラックス、リラックス。慌てることない。たったの5度ずつでいいんだ。」

と言っているようだった。

私は、問題に面した時は、解決策を見つけ、すぐにでも全部実践して一気に全て一新したいせっかちな性格である。

けれど、残念ながら、たいていのことは自分の思う通りになることはなく、なれるとしても、すぐに、というわけではないことの方が多い。

だから、得たい結果がすぐに得られないことにイライラしたり、がっかりしたり、打ちのめされたり、敗北を感じたりする。

最悪の場合、「転覆事故」を起こしてしまうのだ。

5度以上の方向転換をしてしまうからである。

例えば、コロナの自粛以来、末っ子のスクリーンタイムはグラフにすると、表を突き抜けてしまうくらい爆増している。

コロナ中スクリーンの規制を緩め、最終的にはほぼ存在しなくなったのだ。(もちろん、今の私は後悔してもしきれない思いでいっぱい…)

気が付けば、末っ子は中学生になっていて、これからスクリーンタイムを絶つことはもちろん、減らすことさえさらに難しくなる時期にいる。

今すぐなんとかしなきゃ!という焦りが日に日に募る一方、これから逆戻りできる可能性はゼロに近い…と途方に暮れる。

どうしたらいいんだろう…

これはあまりにも大きなチャレンジ…

そもそもどこから何を始めたらいいんだろう…

考えるだけで心身ともに疲れてくる。

結果、身動きが取れず立ち止まってしまい、敗北感に打ちのめされる。


それが、今朝「一度にたったの5度でいい」というメッセージを頂いた。

それは、毎日末っ子と一緒に5分間のおしゃべりをすることでもいいし、一緒に聖書を5分間読むことでもいい。

あるいは、5分間散歩をしたり、ボードゲームで遊んだり、食事の準備をしたり、茶碗を洗ったりすることでもいい。

ささいなことでいいんだ。

5度ずつの方向転換でも、やがては反対方向に向かうことができる。

というか、逆に、一気に5度以上の方向転換をしようとすると、事故になりかねない。


が英語で綴るブログのサブタイトルにこの聖句を用いている。

「ですから、だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」

コリント人への手紙第二 5:17(新改訳2017)


過去の失敗は消えないかもしれないが、すでに過ぎ去ったものである。

今の自分は、新しく造られた者。

だから、一日一日、その日変えることができるたった「5度」の方向転換にフォーカスすると決めた。

そうすることで、自分は、昨日よりも今日、そして今日よりも明日、5度ずつ確実に目的地に近づくから。

あなたが今日できる「5度の方向転換」はなんですか?


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