芝学園図書委員会

芝学園図書委員会が運営するアカウントです。本の紹介文や活動の報告を委員の生徒から募って…

芝学園図書委員会

芝学園図書委員会が運営するアカウントです。本の紹介文や活動の報告を委員の生徒から募って投稿します。 現在、更新は不定期になっていますが、よろしくお願いします。

最近の記事

本紹介 『スマホ脳』

 今回紹介する本は、精神科医である著者、アンデシュ・ハンセンさんの「スマホ脳」です。脳科学の最新研究からスマホが我々の脳に与える影響について恐るべき真実を解き明かしていく本になっています。  みなさんは一日にどれくらいの時間スマホを見ていますか?この本は、人々はなぜスマホにハマってしまうのか、という話から始まり、その後スマホが人々に与える悪影響について解説しています。  私が驚いたのはスマホによって私たちの集中力を低下させている、というものです。著者が大学生500人に対し

    • 本紹介『父を撃った12の弾丸(The twelve lives of Samuel Hawley)』

       この本は、少女と銃と父と、今は亡き母の物語です。  主人公である少女ルーは、一風変わった父子家庭で暮らしてきました。その暮らしはルーと父のサミュエル・ホーリー(以下ホーリーと書く)の二人で各地を転々とするというもので、数ヶ月~一年ほど住んだとしても、ある日突然荷物をまとめてトラックに乗せて新しい町に移住しました。  さらに変わっているのは、移住するときに持って行く荷物です。移住するときには、最小限の服や日用品と母の形見の入った箱、そして銃器類です。ホーリーは今亡き母のリ

      • 本紹介 『ディスコ探偵水曜日』

         舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』(新潮文庫刊・書影は同社HPより)  主人公ディスコ・ウェンズデイは迷子専門の探偵。東京都調布市で6歳の少女山岸梢と暮らしている。ある日、梢の体内に未来から来た17歳の<梢>が侵入した。そして体を乗っ取られて追い出された6歳の梢がいる場所は、<パイナップルトンネル>。さらに侵入してくる14歳の<島田桔梗>。そしてパイナップルトンネルでは、ミステリー作家三田村三郎の謎死が……しかも、パイナップルトンネルの謎を追う数々の名探偵たちの推理と自

        • SOLA国際ビブリオバトル部門 参加報告

          こんにちは委員長です。 一ヶ月ほど前に、SDGsに関して英語でビブリオバトルをするという企画に参加してきました。海外から参加する人もいる中、珍しく私が決勝まで残りました。そこで、どの様なビブリオバトルのをしたか見たいという人のために、上げさせていただきます。まあ、結局決勝で負けたんですが… 本の内容は面白かったので、興味があれば是非読んでみて下さい。 ※当日、発表は英語で行われましたが、委員長は英語の発表原稿を作る前に日本語で発表内容をまとめていたそうなので、ここでは日本語

        本紹介 『スマホ脳』

          第零回読書会開催報告

          皆様ご無沙汰しております、芝学園図書委員会です。雨が続く今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?今回は、先週の土曜日に行われた第零回読書会について、主催者である委員長による報告を掲載します。定期考査前の少ない時間で編集した文章ではありますが、どうぞお楽しみください。(総務部) 1.読書会とは 皆さん、本を読んでから一ヶ月もしないうちに、粗筋以外の本の内容を忘れるという経験はないでしょうか?そのような経験がある方が多いと思うのですが、本の内容を自分の力とする為にはアウトプット

          第零回読書会開催報告

          本紹介 虚構推理

          虚構推理 城平 京 講談社 1.本紹介「恋をしたのだ」 妖怪達から揉め事の仲裁や解決を頼まれる『知恵の神』である岩永琴子は、病院で出会った年上の青年、桜川九郎に一目惚れしていた。 だが彼には琴子と真逆の容姿、性格の彼女弓原紗季がおり、婚約までしていた。  それから二年後、九郎が突然紗季と別れたと聞いた琴子は、その原因が九郎が妖怪の肉を食べたことで手に入れた不死の力によるものだと知る。 次第に互いの力を生かして妖怪達の悩みを解決していくようになった二人は、ある都市伝説を耳

          本紹介 虚構推理

          本紹介 明治維新で変わらなかった日本の核心

          1.本紹介 この本を紹介するためには、題名にもある通り「日本の核心」を説明する必要があります。 この「核心」を今からご紹介します。  ところで、外国の方から 「日本って何なの?」 と聞かれたとき、何て返信しますか?文化?四季のある気候?金?人?... 実のところ、この答えが本書の「核心」です。この「核心」は、権力、金、官職などのすべてを正当化し、このために計り知れない血が流されてきたものです。この答えはズバリ、天皇です。天皇は日本との密接な関わり、今現在我々が当たり前だと

          本紹介 明治維新で変わらなかった日本の核心

          「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」

          「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」  暁 佳奈 作 1.本紹介かつて、彼女は道具だった。ギルベルト少佐の命令でしか動かない、ただの少女兵。しかし、ある戦いで、彼女は両腕とギルベルト少佐を失った。ギルベルト少佐は最後にヴァイオレットに「愛してる、ヴァイオレット」と言った。 「愛って、何ですか」 ヴァイオレットはそう言い返した。愛してると言われたことがなかった少女は、意味が分からなかった。 その後、ギルベルト少佐の知り合いのホッジンズのもとに行った彼女は、ドールになった

          「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」

          本紹介 だれも知らない小さな国

          「だれも知らない小さな国」 佐藤 さとる著 講談社 1.本紹介子供というものは活発で、感情豊かで、思いがけない発想をし、無邪気なものだと私は思っています。そんな子供の頃の思い出は貴重で、重要なものだと考えています。 今回紹介する『誰も知らない小さな国』は、そんな子供頃を懐かしむ、楽しむ、思い出す、という意味ではとても面白いものだと思います。 あらすじをいうと、「ある日、モチノキを探しに山に入った「僕」は美しい三角平地の場所を見つける。その場所が気に入った「僕」はそこ

          本紹介 だれも知らない小さな国

          穴 HOLES

          穴 HOLES ルイス・サッカー 著 幸田敦子 訳 1.はじめに今日紹介する本は、著者 ルイス・サッカー訳 幸田敦子の「穴(HOLES)」です。この本は主人公たちがなぜ穴を掘らされているのかという謎と、その苦行に耐えながら成長していく主人公の姿が魅力です。 2.内容無罪の罪で少年たちの矯正キャンプである「グリーン・レイク・キャンプ」に放り込まれた不運な「スタンリー」が主人公です。キャンプの「所長」の命令で、カチンコチンの焼ける大地に直径と半径が1.5メートルの大穴を

          ドリトル先生物語全集

          ドリトル先生物語全集 ロフティング 岩波書店 1.本紹介僕が紹介する本はドリトル先生シリーズです。 主人公のドリトル先生は人間の医者をしていましたが、家で飼っている動物が多すぎて人の患者があまり来なくなり、無一文になってしまいました。そして、ポリネシアというオウムにすすめられ、動物の言葉を学び獣医になりました。はじめたはいいものの、ワニなどの怖い生き物も家に飼っていたので、しばらくして誰も来なくなってまた無一文になってしまい、そんなドリトル先生に見切りをつけた妹さんは出

          ドリトル先生物語全集

          本紹介『夜と霧』

          夜と霧 ヴィクトール・E・フランクル みすず書房 1.本紹介 この本は、ナチスドイツ占領下のポーランドで行われたホロコースト、ユダヤ人虐殺ついて、当時あの悪名高いアウシュビッツ強制収容所の囚人であり、なおかつ精神科医でもあった筆者が収容所内の様子や彼らの精神状況までを事細かに記したものです。  現在でも知られる、この絶滅収容所の中はどうなっていたのか、彼の精神科医としての冷静な判断のもと、悲惨な現実が明らかになっていきます。また、彼は精神科医として、収容所という極限の状

          本紹介『夜と霧』

          本紹介「月の影 影の海」

          月の影 影の海 小野不由美 新潮文庫 1.はじめに今日紹介する本は小野不由美さんの「月の影 影の海」です。『十二国記』シリーズの最初の本です。 2.本紹介主人公の中嶋陽子は生まれつき髪が赤いこと以外は普通の女子高校生だった。 ある日学校から帰ろうとしたとき突然現れたケイキと名乗る金髪の男に「お探し申し上げました」「どうか私とおいでください」と言われる。 理解できないままでいると突然窓ガラスが割れ化け物が襲ってくる。 ケイキの従えている化け物に連れられて逃げ着いた先は見

          本紹介「月の影 影の海」

          本紹介「金の空想科学読本」

          金の空想科学読本 柳田 理科雄 KADOKAWA 1.はじめに今日紹介する本は柳田理科雄さんの「金の空想科学読本」です。「柳田理科雄」は本名です。 2.本紹介「かめはめ波はどうやったら撃てるの?」 「サザエさんがエンディングで飛び込む家はどうして伸び縮みするの?」 そう思ったことありませんか? この本ではそんなアニメや漫画の世界の疑問を科学的に考えるシリーズのBEST版です。なにがBESTなのかというと歴代の「空想科学読本」シリーズのなかでアンケートを取りその中の上

          本紹介「金の空想科学読本」

          本紹介 「路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店」

          『路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店』 行田 尚希著 メディアワークス文庫 1.はじめに今日紹介する本は行田尚希さんの『路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店』です。表具という絵を掛軸に仕立て上げるものと妖怪や人の話です。 2.本紹介高校生の小幡洸之介は画家である父が残した絵が夜になると動き出すという怪奇現象に悩まされていた 悩みを解決するために藁にも縋る思いで行ったのは怪現象を解決してくれる妖怪がいるという路地裏 路地裏に行ってみるとそこにいたのは着物を着こ

          本紹介 「路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店」

          掟上今日子の備忘録

          掟上今日子の備忘録 著 西尾維新 講談社     1.はじめに今日紹介する本は西尾維新さんが書かれた『掟上今日子の備忘録』です。ジャンルはミステリー小説で主人公の掟上今日子が探偵として活躍する物語です。 2.内容隠館 厄介(かくしだて やくすけ)という冤罪体質を持った気弱な性格の男性が事件に巻き込まれ、探偵の掟上今日子に犯人の特定を依頼するところから物語が展開します。1日で記憶が失われてしまう体質を持った忘却探偵と呼ばれる掟上今日子が数々の難事件を最速で事件を解決して

          掟上今日子の備忘録