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超能力娘と毒親レベル100【ホラー映画を毎日観る人】(304日目) 「キャリー」

「キャリー」(2013)
キンバリー・ピアース監督

◆あらすじ
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狂信的な母親に育てられたキャリーは内気な性格のせいで周囲と馴染めず学校でいじめられている。体育の授業後、あることがきっかけでいじめはさらにエスカレートする。しかしこの頃からキャリーは超能力が使えることに気づき始める。そんな折、クラス1のイケメンに近々開催されるプロムに誘われる。最初は乗り気ではなかったが新しい自分になるために参加を決意し、猛反対する母親を超能力で部屋に閉じ込め出席する。しかしこの決断がキャリーの運命を大きく変えることとなる。
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やっぱりスティーヴン・キング原作の作品に外れなしです。ストーリーにも一切のムダが無く、登場人物の描き方も非常に上手くとても面白かったです。

主人公キャリー役のクロエ・グレース・モレッツは「キック・アス」のミンディなどでも知られる非常にキレイな方ですが、今作だとその美しさを抑えています。母親のせいで性の知識がまったくない、暗くて化粧っ気のないリアルないじめられっ子を完璧に演じきっています。邦画だと“こんな可愛い子がイジメられるワケないじゃん”と突っ込みたくなることが頻繁にあります。ですがこのキャリーは陰気でウジウジしており、イジメられているのも納得してしまいます。

キャリー役のクロエ・グレース・モレッツ

そして母親役のジュリアン・ムーアの演技が神がかっています。もうそういう人にしか見えません。狂信的で髪がパサパサで化粧っ気もなく自傷行為の痕が痛々しいトップ•オブ•毒親です。なぜ彼女がこうなってしまったのかを一つの作品として見てみたいです。

結局こういう話が通じないヤバい人が一番怖いです。

あとこの作品はイジメの描写がとにかくえげつないです。母親のせいで生理の存在を知らなかったキャリーが体育の授業後のシャワールームで初潮を迎えパニックに陥る様子をクラスメイトは笑いながら動画に収め、一斉に生理用品を投げつけます。しかも主犯格のクリスはあろうことかこの動画をyoutubeにアップします。

この主犯格のクリスのキャラがまた良い味出してます。厚化粧で誤魔化してますがよく見るとそんなに可愛くなく性格もクソです。自尊心が強く、甘やかされて育てられたのがよく分かります。故に自分のプライドを傷つけられたのを全てキャリーのせいにして、それがプロムでの惨劇を生みます。

キャリーは只々可哀想です。

プロムでのあまりの仕打ちにブチ切れたキャリーの超能力が爆発して会場が阿鼻叫喚の地獄絵図になる様子は圧巻です。そこからトップスピードで最後まで駆け抜ける爽快感もあり見ごたえ抜群です。ラストの墓が割れる描写は賛否が分かれそうですがオススメの一作です。


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