家族(映画)の“多様性”ー邦画編

こんにちは。シブヤガワ映画祭部のさとーです。

9月の第三水曜日、今日は敬老の日ですね。

先日祖母の家で祖父母の古いのアルバムを見ていた際ふと「わたしがずっと『おじいちゃんとおばあちゃん』だと思っていた人も、元はたったふたりの夫婦だったんだなぁ」と実感し、そこをきっかけに築かれている「家族」って究極の人間関係の結晶(?)なのかもなぁ…なんてことをほろ酔いで考えていました。

だからこそ家族を描いた映画は奥深く面白く、ひとの美しい面、卑しい面、悲しい面…様々な形で映し出します。

ということで、完全にわたしの独断と偏見で「家族」の描き方として興味深く感じた映画をご紹介します。

●トウキョウソナタ/黒沢清監督

父・香川照之、母・小泉今日子。井の頭線の一戸建てに暮らす、傍目に見るとなんの不自由もない家族のひずみ、崩壊、再生の物語。

毎日一緒に居るのに、誰にも卑しさもズルさもないのに、ひずみが発生してしまう家族の危うさと、それでも繋がっていける希望を感じられる映画です。鑑賞後、ドンビュッシーの「月の光」をリピートで聴きたくなるはず。

【外部リンク・youtube 予告編】https://www.youtube.com/watch?v=hWBkOTQl05Y

(C)2008 Fortissimo Films/「TOKYO SONATA」製作委員会
【画像出典元】http://eiga.com/movie/53692/

●阿修羅のごとく/森田芳光監督

向田邦子原作。それぞれ実家から出て独立している4姉妹が、実家での事件によって集合したことを機に、ぶつかったり笑いあったりする姿をコミカルに描いた映画。「女たちが集まるとこれだから…」と男性は辟易してしまうような側面もあるのかも!?

大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子、錚々たる女優4姉妹のキャラクター、見応えがあります。森田監督が亡くなったことを惜しまざるを得ない、好きな映画です。

【外部リンク・ Yahoo!映画】http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E9%98%BF%E4%BF%AE%E7%BE%85%E3%81%AE%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%8F/241633/

(C)2003「阿修羅のごとく」製作委員会
【画像出典元】http://eiga.com/movie/1264/

●魂萌え/坂本順治監督

風吹ジュン演じる”職業:専業主婦”として家族のために生活を支え慎ましく生きてきた主婦が、夫の急死により露呈した秘密、子どもたちとの関係性に悩み、自分が築いてきたものを見失う中、ひとりの女性として自らを見つめ直す姿を描いた作品。

「家族映画」と言うには逆説的かもしれません。田中哲司、常盤貴子演じる子どもたちとの相続などを巡る掛け合いの中に「家族あるある」がふんだんに盛り込まれています。原作は桐野夏生。

【外部リンク・Yahoo!映画】http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E9%AD%82%E8%90%8C%E3%81%88%EF%BC%81/325654/

(C)2007 「魂萌え!」パートナーズ
【画像出典元】http://eiga.com/movie/33834/

●悪人/李相日監督

もはや家族映画ではなくなってしまいました…。現在公開中の「怒り」でも話題の原作吉田修一と李相日監督のタッグ。

妻夫木聡演じる内気な土木作業員が、行為を寄せていた満島ひかり演じる保険外交員殺害の容疑で追われる中、逃亡のパートナーとなる深津絵里演じる、孤独な年上女性との関係を描いたのが本筋。

ではありますが、犯人の母である樹木希林、被害者の父である柄本明の描写が絶妙。「子どもは目に入れても痛くない」のではなく「目に入れるには痛すぎるけど、わたしが入れずに誰が入れる」という感じでしょうか。映画のキャッチ『誰が本当の悪人なのか』は映画を観る我々だけが冷静に考えられること。

【外部リンク・youtube 予告編】https://www.youtube.com/watch?v=lw-o2Pcivpk

(C)2010「悪人」製作委員会
【画像出典元】http://eiga.com/movie/55078/

●奇跡/是枝裕和監督

「子どもにとっての一番の願いとは『両親の仲が良いこと』」
(糸井重里氏 談)

だけど、その願いが叶わなかった、当時まだ小学生だった漫才コンビ「まえだまえだ」演じる、鹿児島と福岡で離れて暮らす兄弟は、なんとかしてまた家族がひとつになることを望みます。九州新幹線が全線開通する日の朝「鹿児島発と博多発の列車がすれ違う時願い叶う」という噂を耳にし、少年たちは大人たちを巻き込みながら奇跡を起こそうと画策。彼らが最後に祈った「奇跡」にあたたかい余韻が残る映画です。音楽はくるりの岸田繁。

【外部リンク・youtube 予告編】https://www.youtube.com/watch?v=OMGI3UxCFS8

(C)2011「奇跡」製作委員会
【画像出典元】http://eiga.com/movie/55738/

以上、非常に主観的な紹介となりました。「ちげーよ!」などの苦情は、シブヤガワ映画祭部の部長まで…!

家族にも多様性があり正解なんてないということを認められることは結構大事なことだと思っています。

「映画にもっと多様性を」を合言葉にしているシブヤガワ映画祭。映画の観方にも「正解」はないですよね。

10月10日に向けて、絶賛準備中です!!引き続き、映画の紹介や当日のゲストの紹介もUPしていきます。
当日ぜひ、ご参加いただければと思います☆

チケットのご購入はこちらから→http://www.shibuya-eiga.com/

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10月10日(祝・月)にいっしょにシブヤガワ映画祭を盛り上げてくれる
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『シブヤガワ映画祭』は「映画にもっと多様性を!」を合言葉に、学生や会社員など20代〜30代を中心とした"普通のオトナたち"が集まり、新しい映画の鑑賞方法を提案する渋谷発の市民映画祭。

イベントが好き/映画が好き/映画祭に関わってみたい/新しい交友関係を広げたい等々動機はなんでもOKです!

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