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コードは書くな!起業は顧客を知ることからはじめよう

2018年の夏に僕は、お財布を持たない時代のスタンプカードアプリ「Posma」のプロダクトの制作を始めた。

ふだん持ち歩いているスタンプカードを、スマホひとつにまとめられる。お店は、独自のカードをスマホで簡単に作れて、スマホに表示したQRコードを介してお客にポイントをあげられる。

スタンプカードを通してつながったお客に対して、クーポンを配布したり、お知らせを配信できる。

僕はiOSアプリとAPIサーバーをゴリゴリと開発して、3ヶ月ほどかけて最初のバージョンを作った。

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まだ、Paypayは市場に出ていなかった。QRコード決済はこれからもっと伸びるという予想をしていたし、決済ど真ん中は競争が厳しいかもしれないが、QRコード・スタンプカードなら、決済の時にスマホを出すという新しい習慣とともに、普及できるのではないかと考えた。

とても良いアイディアに思えたし、友達はだいたい「それ欲しかったんだよ!」という反応をしてくれた。応援してくれる人もたくさんいて、資金調達もしてしまい、それゆえにどんどんと沼にはまっていった。

しかし、事業を拡大できる戦略の見通しが立たず、メンタル的にもかなりしんどい思いをしながら、やめるのか続けるのか悩み続けた。

結局のところ、後に引くに引けなくなって、1年半くらいズルズルと機能改善をして実証実験版としてつづけ、ついにこの前サービス終了のお知らせを出した。1100人位のユーザーが利用して、そのうちの10%はかなりの頻度で使ってくれていたので、かなり苦しい思いをした。

起業で身をもって学んだことは山ほどあるが、ひとつしぼるなら「事業は顧客に学べ」ということだ。これから起業をしようと思っている学生がいたら、ぜひこれを読んで役立てて欲しい。

※お金のない学生起業家にも読んでもらえるように、全文無料公開にしましたが、読んで良かったと思う方はぜひ投げ銭をお願いします!

コードは書くな!顧客に学べ!

The social networkで見た、マーク・ザッカーバーグに憧れた。プログラムを学んでエンジニアになれば、起業して成功できると思っていた。しかし、Facebookは10番目に生まれたSNSだ。コードが書けるだけで成功するなら、最初に作った人が成功していたはずだ。Facebookが成功したのは、適切な戦略に基づいてプロダクトを開発していったからだ。

僕はインフラからアプリやAPIまで、必要であれば一通り自分で実装できた。しかし、自分で実装できてしまうことで、仮説検証をおろそかにしてしまった。仮説検証とは、仮説を立てて作ったアイディアが、顧客の求めている解決策であるかを調べることだ。そして、実際にプロダクトを作らなくてもAdobe XDなどのプロトタイプツールを使えば、本物とほとんど違わないアプリの仮説検証ができる。

合言葉は「誰の、何の課題を解決するのか?」だ。100回唱えて欲しい。

失敗を恐れてはいけない。世の中のスタートアップの9割は成功しない。失敗を前提として始めるべきだ。むしろ、いかに早く失敗をして、そこから学びを得るかを考えた方が良い。だから、コードは書いてはいけない。ベータ版を作るのに最低でも3ヶ月はかかる。それから、検証をすると半年かかってしまう。そして、そこまでのコストがもったいなくてやめられなくなる。

しかし、ユーザーインタビューや、プロトタイプを使ってテストすれば、2ヶ月(新規事業なら人件費にして2人×2ヶ月で200万円)もあればプロダクトを作る価値があるかどうかわかる。

起業するためにコードをかける必要はあるか?

書けないより書けた方が良い。むしろ、今時IT分野で起業するならプログラミングは教養みたいなものだ。それに、フルスタックでプロダクトを開発できるエンジニアを雇おうと思ったら、人件費は高い。しかし、プログラムを書けるからと言って起業がうまくいくことは絶対にない。

これから起業を目指してプログラムを学ぶなら、マーケティングを学ぶ方が良いかもしれない。

レシピ動画サービスのクラシルの社長、堀江祐介も、年商10億円程度まではマーケティングのハックだと言っている。僕自身、マーケティングの必要性に気がつき、最近はマーケティングを主に学んでいる。

起業アイディアの出発点は何か?

起業のアイディアの出発点には、だいたい以下の3つがある。

1. 市場 市場環境の変化による、ビジネスチャンス
2. 技術 AIやブロックチェーンなどの、最先端技術の活用
3. 人間 人々のニーズ・インサイト

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Posmaの場合、QRコードという技術の活用がきっかけだったと思う。そこに、スマホ決済が伸びるというビジネスチャンスと、「それ欲しかった」という顧客のニーズで論理を固めた。

市場のビジネスチャンスとは、政治・経済・社会・テクノロジーの分析(PEST分析)に基づいて、既存ビジネスの歪みを見つけ出し、そこを起点に事業を考えることだ。例えば、法律が変われば今まで規制されてできなかったビジネスが可能になるし、新しいテクノロジーが現れれば、今までできなかったソリューションの提供が可能になる。ある市場を担っていた企業が倒産すれば、その空いた市場を狙える。

技術の活用というのは、例えばブロックチェーンやAIなどの新しいテクノロジーを商用利用することだ。AIが流行るといえば、どこもかしこもAIを無理やりビジネスに生かそうと考える。その結果、ごく一部はうまくいったが、大したことができずうまくいかなかった企業もたくさんある。手元に技術があるから、これを生かして何かしようというビジネスは、うまくいかないことが多い気がする。

さて、僕が起業する中で一番重要だと感じたのが、3つ目の顧客のニーズとインサイトだ。結局、プロダクトを使う人が欲しがらないなら、ただの動くゴミだ。

ここで、インサイトという言葉は馴染みがないかもしれない。まず、ニーズとインサイトの違いについて解説しておこう。

欲しいの本質、ニーズとインサイトの違い

ニーズもインサイトも顧客の「欲しい」をあらわす言葉。その違いは、顧客自身がその「欲しい」に気がついているかどうかだ。

ニーズは例えば、「彼女が欲しい」とか、「何か食べたい」だとか、自分自身で気がついている欲求だ。

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一方で、インサイトは顧客自身も気がついていない、あるいは言語化できていない「欲しい」だ。口では「誠実で優しい男の人がいい」と言っている女性が、実際に付き合っているのは、遊んでてあまり大切にしてくれない男だとか。本当は、普通の日常への刺激や、展開の読めないドキドキ感を求めているのだ。

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あまり、例が相応しくなかったかもしれない。

マクドナルドで女性を対象にどのような新商品が欲しいかアンケート調査をしたらしい。結果を見てみると、「野菜など、もっと健康的なメニューを増やして欲しい」とあった。そこで、野菜を使ったバーガーなどの新商品を打ち出したが、まったく売れなかったという。観察してみると、女性たちは野菜の商品など目もくれず、分厚い肉のバーガーを頬張っていたという。

しかし、彼女たちが嘘をついていたわけではない。顕在化した意識の中では「健康に気をつけなれば」と本当に思っていた。しかし、心の底では「肉汁の滴るバーガーにかぶりつきたい」というインサイトを抱えていて、商品を選ぶ時には、無意識の中の欲求によって動かされていたのだ。

よって、顧客に何が欲しいのかと尋ねても、あまり意味がない。

自動車王のヘンリー・フォードが言ったとされるフレーズがある。
彼らに何が欲しいかと尋ねたら、もっと早い馬が欲しいと答えただろう
ヘンリーフォードは、人々が欲しいのは馬車ではなく、早く移動することだ、という本質的な欲求に気がついたのだ。

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顕在意識と潜在意識は、しばし氷山に例えられる。行動を意識的にコントロールをしているのは10%程度の顕在意識で、ほとんどの行動は潜在意識によって無自覚に突き動かされているとされている。

「欲しい」には、顧客自身が気がついている「ニーズ」と、顧客自身も言語化できない「インサイト」があるということを覚えて欲しい。

みんなが欲しいというアイディアは、悪いアイディア

では、どのようなアイディアをスタートアップでは、採用するべきなのだろうか?そこで、以下のチャートを用意してみた。

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縦軸では、起業のアイディアがすでにサービスとして世に出されているか。横軸は、皆がすでに認知しているニーズから出発しているのか、ほとんどの人は気がついていないインサイトから出発しているアイディアなのか、とした。

①のエリアは、大企業・大資本による価格競争の世界だ。ここに参入する場合には、今までの市場をディスラプト(破壊)するようなビジネスモデルでなければいけない。参入目安は、同じことが既存のコストの10分の1程度で実現できること。さらに、それを実現する技術が特許で守られているなど、他の企業が参入できないような戦略を立てられると良い。大人の戦いが必要で、学生起業では難しいかもしれない。

②のエリアは、いばらの道だ。誰が聞いても良いと思うアイディアを採用するべきではない。あなたがパッと思いついたほとんどのアイディアは、すでに誰かが取り組んでいたと考えた方が良い。みんなが欲しいというのにそれが実現されていないなら、できない理由がある。法律の規制があるとか、技術的に不可能とか、サプライチェーンに何か問題がある。

僕が取り組んだプロダクト、Posmaはここに当てはまる。ポイントの経済圏と決済データは誰もが取りたい領域だ。ゆえに、皆が独自の経済圏を作りたがり、統一プラットフォームが生まれなかった。そして、人々はポイントが溜まる程度でお店のファンになりはしない。結局は、お店の提供する食事が美味しくなければお客はつかない。お店も、ポイントを溜める人も、プロダクトにお金を払おうとまでは思わなかった。

規制が緩くなる、新しいテクノロジーが普及するなど、PESTに変化があったときや、サプライチェーンを丁寧に見て、実現できるとわかったらやっても良い。ただし、スピード勝負だ。PESTの変化によって可能になったなら、すでに他の企業も同じアイディアを狙っているはずだ。

③のエリアが、スタートアップの目指すべきアイディアだ。ここはまだ、誰も気がついていなく、将来成長する可能性のあるガラ空きの市場だ。この市場であなたがプロダクトを作れば④のエリアに移動し、さらに成長すれば①のエリアへと移動する。競合が気がつかないうちに、あるいは大企業が参入するには市場が小さいうちに、こっそり準備を進めて市場を抑えておこう。

④のエリアには、すでにどこかで先行する企業が存在している。先行する企業に対してポジショニングを明確にすると良い。例えば、アメリカの市場で先行する取り組みがあった場合、日本の市場をターゲットとすれば、しばらくの間は競合にならない。競争を避けるのがスタートアップの原則だが、Paypayのように大資本の調達ができるなら、広告予算をかけて一気に市場をとるのもありなのかもしれない。

あまり市場が成長しない場合、スモールビジネスになってしまうが、その市場をしっかり抑えられているなら、大企業にも入ってこれない心地よいエサ場になる。

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賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろうか。

ピーター・ティールの著書「Zero to one」に出てくるこのフレーズ。このフレーズの意味がしばらく附に落ちなかったが、ようやくわかってきたような気がする。

「インサイト」から出発するアイディアは、その答えの一つになりうる。ほとんど多くの人はそのアイディアの何が良いのかわからない、あるいは非常識だと言う。しかし、ごく一部にそのアイディアを熱烈に望んでいる人がいる。ほとんどの人には悪く見えるが、実は良いアイディアだ。

例えば、スナップチャットは投稿が24時間で消えてしまう。今では、インスタグラムにもストーリーとして同様の機能がある。しかし、初めの頃かなり多くの人々が、この機能の何が良いのかわからないと感じた。ずっと写真を取っておきたくて投稿するのに、なぜ24時間で消えてしまうのか?

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しかし、このアイディアを熱烈に欲していた人々がいた。ティーンエイジャーだ。Facebookは今や「大人たち」の社交の場になってしまい息苦しい。就活では、Facebookやツイッターなどで普段何を投稿しているかをチェックされ、親にも監視される。自由なはずのオンラインで、不注意に投稿できなくなってしまった。彼らは、「監視されることもなく、数年後に若気の至りを反省することもなく、自由に投稿したい」と言うインサイトがあったはずだ。

24時間で消えてしまう投稿なら、どうせすぐ消えるからハメを外したことも投稿できる。はじめはほとんどの人に理解されなかったが、徐々にニーズは広がっていった。インスタグラムでは、「映えを意識してタイムラインをきれいに見せなければいけない。もっと、肩の力を抜いた投稿をしたい」と言う人々の欲求にも答えることになった。

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これは、起業をしてからのプロジェクト・チームのムードを表したチャートだ。秀逸なチャートだと思う。はじめは希望に満ちてプロジェクトを始めるが、アイディアが顧客に受け入れられず、答えを求めて霧の中をさまよう。

インサイトを求めてさまよっている間、創業チームには勢いがなくなる。新たなチームメイトを巻き込むことも難しい。事業がうまくいくのだという根拠がなければ、自信もなくなる。

ある時、顧客が真に求めていることに気づく。すると、チーム全体もきっと自信を取り戻して、拡大・成長していけるだろう。

インサイトの見つけ方

では、どのようにしてインサイトを見つけたら良いのだろうか?
前もって述べたように、顧客に直接何が欲しいかを聞いても答えは得られない。そこで、インサイトを見つけ出すコツがある。

それは、顧客が望む理想的な状態から逆算して、現在の不満を明らかにすることだ。

例えば、スナップチャットの例で言えば、ティーンエイジャーがオンラインで活動するときの理想的な状態は、「親や大人の目を気にすることなく、自由に友達とコミュニケーションを取ること」だとする。

それから、現在のオンラインでの活動を丁寧に観察していく。すると、「無意識にFacebookは見るだけで投稿しない」とか、「友達とチャットで、こっそり親に見せられないような写真を送り合ってる」と言う行動が見えてくる。

そして、その人の理想的な状態と比較しながら、その感情を分析していく。すると、「気軽に大人の目を気にせず投稿できるSNSが欲しい」「過去の若気の至りは恥ずかしいから見たくない」と言う隠れた欲求に気が付く。

カスタマージャーニーマップは、インサイトを見つけ出すのにとても良いツールだ。ターゲットの顧客の「行動」と「思考」と「感情」を、つぶさに追っていくことで、隠れた欲求を発見できる。みんなでワークショップをすれば、チーム全員で同じ認識を得られるし、みんなでアイディアを考えられる。ぜひ、取り入れて欲しい。

極端なユーザーを観察する

しかし、今やたいていのサービスは揃っている。だから、人々のほとんどに大きな不満はほとんどなく、いろいろなサービスに適応しながら使い分けて生活している。そこで、極端な行動をする顧客を観察のターゲットとしてみる。例えば、料理をする子どもだとか、殺虫剤の缶をデコレーションする主婦だ。

極端な行動をするユーザーは本来の顧客ではない。しかし、7歳の子どもが瓶の蓋を開けるのに四苦八苦している様子は、大人が騙し騙しやっている作業を浮き彫りにする。7歳児が道具を使いづらいのは、握力が足りないからだ。しかし、握力が足りないのは子どもだけではない。子どもから導いたインサイトは、お年寄りや手の小さい主婦でも便利に使えるような調理器具を生み出した。

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子どもや高齢者でも開けやすい瓶の栓抜き

殺虫剤の缶にデコレーションする主婦は、単に可愛くしたいからデコレーションしているわけではない。常に手の届くところに缶を置いておかなければいけないが、缶に描かれた虫のイラストを見るのも嫌なほどに虫が嫌いなのだ。

市場全体の3%を取るような戦略を考えていないか?

事業計画を考えていると、ある市場を3%抑えればこれだけの売り上げが立ちます、と言うような戦略を考えてしまいがちだ。

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しかし、この戦略は間違っている。それには2つの理由がある。

1つは、インサイトを満たすプロダクトは、ごく一部のファンには熱狂的に受け入れられるが、まだほとんどの人にはその良さがわからないからだ。まずは、ごく一部のファンのニーズをしっかりと掴むプロダクトへと磨き上げる必要がある。これをPMF(プロダクト・マーケット・フィット)と呼ぶ。PMFを達成せずに成長を急ぐと、タイプの違ういろいろなユーザーに最適化してしまい、機能を増やしすぎたり使わない機能を付け足して、結局誰も使わないプロダクトが出来上がる。

Facebookは、アメリカの大学で広げていく戦略を取った。スタンフォード大学を起点として、1つの大学で8割のユーザーを獲得できなければ、次の大学へ進まないことにした。

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2つ目の理由は、競争に勝つためだ。大資本の企業もビジネスチャンスを虎視淡々と狙っている。薄く市場をとるような戦略だと、オセロを簡単にひっくり返されてしまう。しかし、ある市場で8割までしっかり抑えておけば、その市場をひっくり返すことは難しい。大企業も、ひっくり返すだけのコストが見合わないので、参入しづらい。

一つの市場で8割を取ってから、成功事例として横展開していくような戦略をとると良い。

デザイン思考について

このようにして、自然と僕はスタートアップには「顧客起点」の視点が必要であることを学んだ。

しかし実は、顧客を起点とするビジネス活動の一連のプロセスは「デザイン思考」として確立されている。

今やデザイン思考は、スタートアップのみならず様々な企業で活用されているらしい。なぜならば、企業側の都合で作ったプロダクトが選ばれる時代は終わったからだ。

デザイン思考では、以下の5つのステップをへてサービスデザインをする。

1. 誰にボールを投げるのか(観察/共感)
2. どんなボールが欲しいのか(問題定義)
3. どんなボールを作るか(アイディア創出)
4. どんな色・形で、どう投げるか(プロトタイピング)
5. ボールを拾ってもらえるのか(検証)

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詳しくは、グッドパッチのブログがわかりやすいのでぜひ読んで欲しい。

おもしろいプロダクトを作るには、デザイン思考だけでは不十分?

デザイン思考を活用すれば、無闇にプロダクトを開発していくよりはグッと成功に近づくだろう。しかし、インサイト分析をしてみても、まぁそうだよね、という当たり前な答えしか得られないことも多い。結果として、ありがちで特に面白味のないプロダクトができてしまう。デザイン思考を前提とした上で、こんな社会課題を解決したいというように作り手に強い動機がなければ、やはりおもしろいプロダクトは作れないのかもしれない。

起業は失敗の連続になる。それでもあきらめず挑戦し続けるには、やはり並大抵の人にはない強い動機、執念とでも呼ぶべきものが必要なのだ。

学生起業の強みは「時間」があること

厳しい市場の中で生き残るには、他社にはない強みを持っている必要がある。優秀な人材であったり、参入障壁を作る特許を持っていたり、取得が難しいライセンス(仮想通貨交換業や貸金業の資格など)を持っていたりだ。

しかし、学生がビジネス経験豊富な大人たちに勝てる領域はほとんど無い。では、何が競合優位性になり得るのだろうか?

それは、「時間」が無限にあることだ。時間があれば、じっくりと勉強して理解を深めることができる。たいていのサラリーマンは時間に余裕がない。だから、新しく登場したテクノロジーを学び研究する時間がない。学生なら、その有り余る時間を使って大人に差をつけ、学ぶことができる。

学生が起業するなら、大人が時間がなくて学べない新しいテクノロジーを、インサイトと組み合わせると良いだろう。

起業の科学は最強のバイブル

最後に、起業のバイブル的存在である「起業の科学」を紹介しておく。成功からよりも失敗から学べることの方が多い。起業の科学は様々な失敗事例を集めながら、どうしたらその失敗を避けられるかを解説した本だ。独自の方法でやろうとせず、ぜひこの本を丁寧に読んで、一度はしたがってやってみて欲しい。後から、何度もこの本の言う通りだったと感じることがあった。

それでは、起業を目指す学生諸君の成功を祈っている。

※お金のない学生起業家にも読んでもらえるように、全文無料公開にしましたが、読んで良かったと思う方はぜひ投げ銭をお願いします!

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