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2021年に読んだ87冊からおすすめ書を紹介

2021年に読んだ87冊の中からおすすめ書を紹介します。読んだ本を記録するとその年に関心を持ったことを整理できてよいですね。100冊が目標でしたが届かず。2022年には達成したいと思います。

負債論: 貨幣と暴力の5000年 / デヴィッド・グレーバー

「物々交換の効率化のために貨幣が発達した」という経済学の神話はデタラメだった。人類学者の観点で膨大なファクトを元に、負債と暴力の歴史を明らかにする本。

この本は私のお金の価値観を根本から変えてしまいました!負債論に関する記事も書きました。

人類とイノベーション: 世界は「自由」と「失敗」で進化する / マット・リドレー

日本企業が生き残るためにはイノベーションが必要だと聞かない日はないくらい重要なテーマですが、イノベーションはどのような環境で起きるのでしょうか?この本では、失敗がゆるされる自由な環境でしかイノベーションは起きないと述べられています。原発問題の本質は、失敗が許されないことにあるとも。特許や著作権がイノベーションをはばむ大きな原因というのは目から鱗でした。

社会心理学講義: “閉ざされた社会”と“開かれた社会” / 小坂井敏晶

APU学長の出口さんがおすすめしていたので読んでみました。難易度が高く読み終わるのに3週間はかかってしまいましたが、あたりまえと思っている価値観をことごとく砕かれてしまう本でした。

個人が社会を作るのか、社会が個人を作るのか?この本では、個人と社会の循環的なフィードバックによって個人も社会も作られるといいます。人の認知や意思、思考に影響を当てる要因について、さまざまな実験結果や理論から得られる考察が興味深いです。

民主主義は全体主義に比べて巧妙に隠されたメカニズムを通して秩序が維持され、人々は強制されている事実に気づかず、自らの意思で行動選択していると錯覚しているといいます。犯罪は社会の機能不全から生まれるのでなく、社会が正常に機能する証として発生するなど、難解ですが人間の心理と社会環境の関係をロジカルに紐解いてくれます。

人口減少社会のデザイン / 廣井良典

商店街のシャッター通り化や、地方の過疎化、コミュニティの崩壊という問題は、「人口減少」それ自体が原因なのではなく、どのような社会をデザインするかという政策や社会構想的な問題だということを指摘します。ドイツなどでは日本より人口密度がずっと少ないにも関わらず社会は機能している事実もあり、日本の人口減少社会の新しいあり方を示している点において、地方創生系の本の中ではとても希望を持てる一冊でした。

関連して地方創生関連の本はかなりあさったので、よかった本をいくつかピックアップします。

遺伝子‐親密なる人類史 / シッダールタ ムカジー

コロナが広まったことから、ウイルスに感染する遺伝子の仕組みに興味を持って読んだ本。遺伝子に関する歴史がこれでもかと詰め込まれており、上下巻で800ページを超えますが、文がおもしろくぐいぐいと読めます。DNAの仕組みを理解すると、今生きていることが奇跡のように感じられました。

関連で読んだ本です。世界中で最大推定1億人の生命を奪った史上最悪のインフルエンザの実態と、その謎を解き明かそうとした科学者たちの奮闘を描きます。

細胞の中でエネルギーを生み出す役割を果たすミトコンドリアは、母親の体内でしか生成されず親から受け継いでいます。つまり、人類の祖先を辿っていくと理論的には一人の母親からすべての人類が生まれたことになります。とても興味深い話です。

プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで / 及川卓也、小城久美子、曽根原春樹

こちらは、ITサービスのプロダクトマネジメントに関わる人におすすめする本。タイトル通り、事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで、抽象的ではあるが網羅的に理解できます。実践するには組織の理解を得ることが必要で、実行力を問われます。

そのほかの読書履歴

そのほかの読んだ本を記録します。

ビジネスの論点、SDGs、未来の展望に関する本

パンデミックもあり、現在の社会システムに対する疑問が湧いた人も多いのではないでしょうか?成長なき時代の資本主義、SDGs、企業の役割、いろいろ考えました。

日本の論点・課題

日本の課題に関する本はいろいろと読みあさりました。かなり自分の中で問題点が構造的に理解できた気がします。学者の先生に私塾のような形で、さまざまな知識を教えていただきました。

獣害も深刻な課題ですね。年間殺処分されているシカ、イノシシなど120万頭。うち食肉になっているのは1割であとは埋めて捨てられているといいます。有効活用を考えたいものです。

2021年はCBDも本格的に流行りましたね。日本人と大麻は切り離せない歴史があるということ、はじめて知りました。

「自己啓発病社会」もサクッと読めてなかなかおもしろかった。

自己啓発本ばかり紹介するツイートが炎上したこともあって、こんな記事も書きました。

思想と哲学に関する本

やはり哲学や思想の理解を深めると、あらゆる本の理解度がグッとあがります。2022年はもっといろいろ深めていきたい領域です。

交渉に関する本

「武器としての交渉思考」が一番おもしろかった。「バトナ」と「ゾーパ」だけ覚えておけばよいかな。

ビジネスの戦略に関する本

友人に教えてもらった「ストーリーとしての競争戦略」は、なかなかおもしろかった。企業の戦略は他社との違いを作り出すことですが、違いの作り方には違いがある。ポジショニングとオペレーションの考え方があるという話です。

森岡毅さんの本からは、ブランドやマーケティングの考え方を学べました。ロジカルかつ熱量が高くとてもおもしろい。

「売上最小化、利益最大化の法則」もなかなか良書でした。戦略マネジメントゲームを1年取り組んだおかげで、内容についてはさらさらと理解できました。

「弱者の戦略」は野生動物の生態を学ぶことで、企業の戦略にも応用できるという話。

認識論などをかじってからブランディングを学ぶと、なかなかエグいことやってるなーと思います。人の欲望を操作しているわけですから。

ブランディングに関する記事も書きましたね。

そのほか雑多な記録


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