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聞いていますか?子どもの話。気持ちを引き出す「山びこ法」で親子の絆を深めよう

普段、子どもの話をよく聞いていますか?「教える」「伝える」「叱る」ために“話しかける”ことは多くても、話を聞くことにはあまり関心を向けていないという方もいるかもしれません。毎日忙しくしていると、子どもの気分が悪くならない程度に、軽く聞き流してしまいがちですよね。

また、たいていの親は、1日の子どもにかける言葉の70%が叱る言葉だといわれています。では、叱るときに“子どもの言い分”はよく聞いてあげていますか?親が一方的に話しかけて育てるやり方では、子どもの心はつかめず、またなかなか満たされません。心を開くこともなく、自分の気持ちを心の中に押しとどめてしまいます。

「言うこと聞いて!」と思っているのは、親だけではありません。子どもだって同じように思っているはずです。では、子どもの話をよく聞き、考えを理解するためには、どのようにしたら良いのでしょうか?

●「山びこ法」で言葉を引き出し、対話をしよう

子どもの言葉を引き出すために役立つのが、「山びこ法」です。普通、親が子どもにかける言葉は「~しなさい」のように、たいてい指示語になっています。この指示語をやめて、非指示語の「山びこ法」を使うと、子どもの言葉や気持ちを引き出すことができるのです。次の例をみてみましょう。

「お母さん、お兄ちゃんが悪いの」
「そう。お兄ちゃんが悪いのね。お兄ちゃんが何をしたの?」
「お兄ちゃんが私をたたいたの」
「あら。お兄ちゃんがあなたをたたいたのね。どうしてたたいたのかな。」

このように、相手の言葉をそのまま山びこのように返しながら問答をしていくのです。「山びこ法」を使うと、気持ちを受け入れてもらえると思った子どもが心を開き、どんどん語り続けてくれます。すると、今まであまり対話のできなかった親子の間に対話が成り立っていくのです。

さらに、日常的に「山びこ法」で対話をしていると、子どもがきちんと自分の気持ちを言う習慣がつきます。そして、自分の気持ちをはっきり順序立てて話せるようになっていきます。

●子どもの気持ちを知ることが、親子の絆につながっていく

「山びこ法」で親子の対話ができるようになった結果、「なにを言いたいのかよくわからないな」「なんでこんなことをしたんだろう?」と思っていた子どもの考えが理解できるようになっていきます。また、子どもの言葉をひとつひとつ受け止めるためのゆとりが自分になかった、ということにも気付くはずです。

親子だからといって、自動的に深い絆や信頼関係ができあがるわけではありません。異なる人間同士であるからこそ、相手を理解するためのコミュニケーションが必要です。そのツールのひとつが対話であり、「山びこ法」という方法なのです。

毎日忙しく、子どもの言葉に耳を傾けてあげられないというお父さん・お母さん。まずは、一日一回の「山びこ法」からはじめてみましょう。騒がしい、わがまま、くちべた…子どもに対するそんな見方が少し変わり、「小さいながらにこんなことを考えていたんだ!」と、新たな発見ができるかもしれません。そしてそれが、子どもへのさらなる愛しさにつながっていくのです。