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B'zは実はめちゃくちゃ文学だと思う

B'zって激しめのロックかと思いきやそこに乗っている歌詞が実に文学的だと思う。
ふつう、ロックと言えば激しめのビートに合わせて、ノッてる言葉で歌われることが多いと思う。

だけどB'zの歌詞はけっこう日本人的というか、繊細な内面が描かれていると思う。

また考えすぎのムシがじわりじわりと湧いてきて
僕は僕自身に一日分の言い訳を始める
(中略)
今日はいまいち思いやりにかける日だったとか
人の気も知らないで お前は変わったなんて
簡単に言うやつの胡散臭い顔だとか
空っぽの冷蔵庫あけて いろいろ思い出してると
都会の暮らしはやけに 喉が渇いてしまう

B'z 「zero」 作詞:稲葉浩志

「イヤなことなんて酒を飲んで踊って忘れようゼ!」
みたいな世界観とは真逆だ。超絶イケメンの稲葉さんがこの歌詞を書いて歌っているというのがまた憎い。

モヤモヤしてるのがイヤなら
フトンを噛んで考えて
なんかあいつに期待過剰なんじゃないの
人の心はどうしてもなにか足りないけど
そこんとこ埋めるべきなのは
恋人じゃない親でもない
ねえそうでしょう

B'z 「love me, love you」 作詞:稲葉浩志

なんか稲葉さんにフトンって似合わないな・・・。
稲葉さんはベッドですよね、ベッドというかベッドルーム。

個人的にめちゃくちゃエモいのがこちら・・

一晩中ギターと女の裸で盛り上がってたあいつも
そつなく大手に就職決まりためらいがちの出世街道
重いマーシャル運んでた腰の痛み まだ覚えてるの
いつの間にかこの街に丸め込まれたのは誰?
居心地いいと笑ってる そんな余裕はいらないのかな
(中略)
「もし生まれ変わったら」なんて目を輝かせて言ってたくない

B'z 「Pleasure 2008 ~人生の快楽~」 作詞:稲葉浩志

なんか旧友に会った時にこの曲が頭に流れがち・・。
稲葉さんの口から「大手に就職」なんていうサラリーマン的ワードが飛び出してくるのがギャップがあって面白い。でもやっぱりB'zはそういう庶民感覚というか、市民感覚みたいのものを描けるから、支持されるんじゃないかな~?

サザンとかもそうだと思う。
桑田さんってイメージは湘南育ちの潮風薫る、女好きでお調子者でみんなの人気者って感じだが、実際は「風に戸惑う 弱気な僕」なのだ。

なんか、日本人って心の奥底にはそういう自然に対する畏怖とか、コントロールできないものと共存する感覚というか、そういう哀しみみたいなものを背負っている気がする・・・はかなさというか。

稲葉さんにせよ桑田さんにせよ、めちゃくちゃカッコイイ音楽を奏で、圧巻のパフォーマンスで日本中を沸かせながらも、そういう繊細さというかを持ち合わせているからこそ魅力なんだと思う。


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