家出
寒い夕方だった
母親と喧嘩し
もうこんな家に居たくない
と思って
衝動的に家を出た
何処行く宛もなく
海が見たいと
徒歩で
海が見られる場所まで歩いた
ポケットには100円玉数枚
煙草買うか…
外は段々と暗くなり
海風が身体を芯から冷やした
もう生きたくないと
小銭持ちながら歩いた
けっこうな距離を歩くと
自動販売機が目に止まった
喉も乾いてきた
だけど缶コーヒー買ったら
煙草が買えなくなる
途中
心細くなり
足を逆転して
諦めて家路に向かった
帰ると母親が
冷たい身体を抱きしめてくれた
温もりは優しく温かった
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