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”進捗2Earn” 第2回 Demo Day レポート(shiftbase UNCHAIN)

”進捗2Earn” 第2回 Demo Day レポート

web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN」で開催中のweb3開発助成金プログラム”進捗2Earn”、その第2回のDemo Day が今年6月に開催された。

この記事ではDemo Day での各プロジェクトのプレゼンテーションについて紹介していく。是非とも”進捗2Earn”でどのようなプロジェクトが今開発を進められているか、チェックしてみて欲しい。


Learning Ecosystem

hajisan氏が「Learning Ecosystem」についてピッチを行った。このプロジェクトの目的は、世界中の子供達をブロックチェーンという技術を使って繋いでいくことだという。子供達が多様な経験と好奇心で世界と日本を繋ぐことがコンセプトとして掲げられている。

「Learning Ecosystem」では、STEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)分野の学習を通じ、生徒に対する価値と認定の形を多様に定義することを目的としている。具体的にはSTEAM学習プロジェクトを修了した生徒に対して、SBTによる認定やトークンインセンティブを提供する実証実験を実施していくという。なおこの実証実験を暗号屋とコラボにより実施するとのこと。またウォレットとしては「UPBOND WALLET」を採用する。

現在学習のためのマニュアルとなるTIPSの制作を暗号屋と進めている状況とのこと。そのTIPSを元に先生が独自で生徒へのSBTの発行から配布までを実施できるようになる予定だという。

「Learning Ecosystem」では子供達のウォレットにさまざまな学習の履歴が入っていくことになる。そのSBTをトークンゲートにした「META COMMUNITY」というディスコードコミュニティの構築も予定しているとのことだ。そのコミュニティでは、EU & AFRICA、ASIA、AMERICAの三つのタイムゾーンに分けて、さまざまな参加型企画も検討し、子供達の多様な経験や価値観を繋ぐことを目指すという。

ロードマップとしては9月の正式リリースに向け、TIPSの作成から更新、コミュニティの構築、アライアンスの提案などを実施していくとのこと。

D-MAP

続いてyama氏が「D-MAP」のピッチを実施した。「D-MAP」はDecentralized M&A Platform だ。DAOの力を使って、日本の中小企業を後世に残すことを目指すプロジェクトとのこと。

日本における中小企業の休廃業数は、2002年18,031件から2022年には49,625件までに増加している。また社長の平均年齢も2002年61.5歳から、2022年には71.6歳と、高齢化が進んでいる。さらに70歳以上社長の会社のうちの約半数が後継者が決まっていない状況がある。そして日本政府による第三者事業継承(M&A)の目標値は年間で6万件だが、2022年ではMAの件数は677件だったとのこと。

これらの課題を解決するプロジェクトが「D-MAP」だ。yama氏は、中小企業のM&Aが進まない要因の一つが、M&A業者の仲介手数料が高額であることが原因の一つだと説明する。

そこでDAOを活用し、仲介手数料の削減を目指すとのことだ。「D-MAP」のDAOメンバーは、買い手、M&Aアドバイザー、投資家で構成する計画だ。以前運営していたM&A関連のDAOのメンバー25名を買い手と支援者のベースにする予定とのこと。M&A案件は、DAOのメンバーが見つけ出し、M&Aをサポートするという。

このプロジェクトはM&A仲介の代替になることを目指している。また買収金額が低価格帯で仲介が入りにくい部分もカバーしていくとのこと。DAOメンバーの多様な専門知識や知見を効率的に共有することで、従来の仲介手数料を低コストにし、M&Aのサポートをしていくとのことだ。

Yamato Protocol

続いてハク氏が「Yamato Protocol」を発表した。「Yamato Protocol」は過剰担保型ステーブルコイン発行プロトコルだ。

現状のステーブルコインの課題について、分散型プロトコルは複数存在すべきだがそういった現状ではないと同氏は話す。そしてJPYステーブルコインを発行する分散型プロトコルが、現状は存在しないことも課題をして挙げた。

そこで同氏は ETHを担保にJPYペグのCJPY(Convertible Japanese Yen)を発行する「Yamato Protocol」を立ち上げるとのこと。イーサ(ETH)を担保に日本円と等価のCJPYを借り入れる形の暗号資産担保型のステーブルコイン発行プロトコルだ。

なお「Yamato Protocol」の特徴として、借入金利がなく手数料の先払い制、先払いすることで債務の返済期限なし、最低130%で低担保率利用可能、即時の強制清算なく、清算タイミングはユーザーに委ねられるなどの点が挙げられている。CJPYはゲーム理論によるJPYソフトペグトークンだ。同氏はプロトコルそのものと、インターフェイスの開発を進めている。

なお現在テストネットローンチ中であり、今後v1でCJPYの発行(本記事公開時は既に発行済み)、その後v1.5でガバナンストークンであるYMTの発行予定している。またv2ではCUSDやCEURの発行も目指すとのことだ。

Yabumi

続いてnaizo氏が「Yabumi」を発表した。「Yabumi」はSNSアカウント証明NFTによるトークン送信ポラットフォームだ。

現状の課題として、SNSアカウントとウレットが断絶されており、複数の宛先に定期的に送金する場合、管理者によってSNSアカウント毎のウォレットアドレスを独自管理する必要があることが挙げられた。

「Yabumi」は相手のウォレットアドレスを知らなくてもSNSアカウント宛に送金できるプラットフォームだ。SNSアカウントの保有者のみがMint可能なNFTを活用し、誰もがSNSアカウント宛にトークン(ERC-20)等を送金することができる仕組みだという。

利用方法としては、サイトにアクセスしてウォレットアカウントとディスコードのサインインを行うことで、自身のSNSアイコンが設定されたNFTがMint可能になる。このNFTに紐付けられた情報として、SNSユーザー名とIDが紐づけれる。

第三者が「Yabumi」ユーザーに送金する場合は、ユーザーのNFT保有アドレス宛に送金する仕組みだ。NFT毎に一意のURLとなる。なお送金ウォレットを変更する場合はNFTを転送する仕組みとのことだ。なお複数アカウント宛に送金する一括送金の機能も実装する。給与や報酬の一括送金に利用できるとのことだ。

ユースケースとして、ディスコードを利用したDAOコミュニティへの報酬送金などが挙げられている。なお現状はディスコードのみだが、Twitterアカウント GitHub Youtubeアカウントにも対応していく予定とのこと。それらの対応により投げ銭や寄付をウォレットアドレスを相手に伝えなくても受けられるようになるという。

「Yabumi」は今期中にも一般開放していく予定とのことだ。

Full On-chain NFT Checker

続いてmabuk氏が「Full On-chain NFT Checker」を発表した。「Full On-chain NFT Checker」はNFTマーケットプレイスでのNFTと紐づいた画像がオンチェーンかオフチェーンかを判別するツールだという。

現状の課題として、NFTと紐ついた画像データはオフチェーンに保存されることが多く、突然表示できなくなるといった事例も発生していることが挙げられた。具体的にはYAMATOやCoachellaのNFTコレクションでそのような事態が発生したとのこと。

そのような課題を解決するのが「Full On-chain NFT Checker」だ。「Full On-chain NFT Checker」を使うと、ユーザーが購入前にそのNFTと紐づいた画像がオンチェーンかオフチェーンかの情報がマーケットプレイス上にマーク表示されるようになる。Chromeの機能拡張を利用し、バックエンドでコントラクトを解析して、画像を判別する仕組みだ。

なお対応プラットフォームはOpneSeaで、ERC712/ERC1155の判別に対応する予定だ。またこの仕組み自体をオープンソース化していく予定もあるとのことだ。

LaunchHub

続いてNagumo氏が「LaunchHub」を発表した。「LaunchHub」は労働の対価を、事業収益の分配権利にするというコンセプトに基づいた、事業の立ち上げや推進のプラットフォームとのことだ。このプラットフォームで、成功するか分からないことに人を巻き込んで挑戦するハードルが高い、という課題の解決を目指すとのこと。

具体的にはプラットフォーム上で、発案者が企画を立ち上げ、タスクを設計する。その企画に貢献した貢献者は、その対価としてSBTを受け取るという仕組みだ。そしてこのプラットフォーム自体が将来売上が上がった際、その売り上げの一部が発案者に、そして貢献者にはSBTの保有量に応じて分配さする予定とのこと。

なおユーザーにブロックチェーンを意識させないUXでの実現を目指すという。具体的にはBiconomy(Account Abstructionの組み込み)でGas Lessを実現する。またサービスの売り上げと貢献者への配分金受け取りはフィアットで実施するOn/Off Ramp設計を、法律面も踏まえて検討中とのことだ。

またChatGPTを活用しタスクの自動設計を、また貢献者のSBTをクレデンシャル情報として活用したマッチング行い、プロジェクト立ち上げから収益発生までの手間や時間を最大限短縮することを目指すという。6月と8月のハッカソンをマイルストーンに年内ローンチを目指すプロジェクトだ。

Commun Platform

続いてkanapon氏が「Commun Platform」を発表した。「Commun Platform」は訪問証明発行サービスだ。本プロジェクトも「進捗2Earnv 第1回 Demo Day」で披露されたもので、今回はその後の進捗などについてプレゼンテーションが行われた。

同氏は位置偽造を利用した犯罪なども起こっており、また既存技術ではその場に行ったことを証明することは困難であると説明。そこでブロックチェーンとICカードとスマホアプリを利用して、位置情報の偽造を防ぎ、確かな訪問証明を発行するサービスを実現するとのこと。

具体的にはICカードを位置情報の場所となる現地に物理的に設置し、ユーザーがスマホアプリで読み込むというサービスだ。ICカードにスマホをかざすと、訪問証明の交換チケットがスマートフォン内に送信される。そのチケットを追ってNFTに交換することで、そこに訪問した事実を証明できるようにするという仕組みだ。

なお使用例として、来店ポイント、スタンプラリー、リアルイベント投げ銭、登頂証明、出退勤管理などが挙げられている。また実績としては100人規模で開催された「DOGECHAIN TOKYO PARTY」にも導入されたという。そのイベントではユーザービリティの面で実際の利用者の評価を得たとのこと。

なお本プロジェクトは運営メンバーが副業で行っていることもあり、提供価格も安価な設計が実現しているとのことだ。今後ICカードの設置をやし、将来的には地方創生に寄与していきたいとのことだ。

Zaiku

続いてiohnextra氏と@derodero24氏が「Zaiku」のプレゼンテーションを実施した。「Zaiku」は、NFTコレクションを柔軟に表現できる、NFTポートフォリオ作成ツールだという。

現状NFTコレクションを誰かに見せたい時に、マーケットプレイスやウォレットの中身を表示するのが一般的だ。その表現力の乏しさやインタラクションがないことの課題を二人は説明。

そこで「Zaiku」はNFTコレクター向けに、ユーザーのコレクションを柔軟にレイアウトをして、そこにタグ付けやテキスト要素の付加することのできる専用ページ作成ツールを提供するサービスだ。

具体的にはメタマスクを「Zaiku」に繋ぐことで、ユーザーは自身のNFTポートフォリオを表示でき、ドラック&ドロップや拡大縮小など、直感的な操作で自身のコレクションページを作成できる。なおこのページから個々のNFTへのトレードのリクエストなどもできるようになっている。

今後は本ツールを無料で提供していききながら、様々なインタラクションを加えていく予定とのことだ。

Unyte

最後にUwaizumi氏が「Unyte」をプレゼンテーションした。「Unyte」はDAO/コミュニティメンバーの貢献度可視化ツールとのこと。

同氏は現状のDAOにおいて、参加したメンバーの活動が持続しないという課題があると指摘。その理由として、メンバーの貢献が見えにくい状況がること、そして報酬の配分制度がまだまだ未整備のプロジェクトが多いことを挙げた。

それらの課題を解決し、このプロジェクトではDAOメンバーの貢献が報われ、持続する世界を目指すという。

具体的に「Unyte」が提供するのは、DAOにおける活動を記録し貢献度を可視化する機能。そしてその後見履歴に対して報酬を送ることのできる機能だ。チームへの提案、タスクの実行、メンバーからの称賛などをDiscord botと連携して記録することが可能だ。そしてその貢献度から報酬額の算出モデルを複数提示し、計算結果に応じて報酬をメンバーに配分することができるという。

将来的にはDAOからメンバーへの報酬の一部を手数料とするビジネスモデルを考えているが、現状はフィアットでの月額利用のモデルも用意しサービスを展開している。このプロジェクトを通じ、最終的にはいつでもどこでも好きなときに好きな人と働けるDAOの強みを最大限活かせる世界を作りたいとのことだ。

(レポート:あたらしい経済 設楽悠介)

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株式会社shiftbaseについて

株式会社shiftbaseは「Dynamic collaboration for dynamic shifts(コラボレーションを促進し、社会に飛躍的な変化を生む)」をミッションに、web3領域に特化した技術主導のビジネス開発チームです。web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN」を主軸に、手を動かし未来をかたちづくる人たちのコラボレーションを促進するための持続可能なエコシステムの構築を目指しています。当社は、Polygon、Polygon Studios、NEAR、ASTAR Network、HashHub、Fracton Venturesとオフィシャルパートナーシップを締結し、アーティストのスプツニ子!、ソフトウェアウェレット「MetaMask」創業者のkumavisにアドバイザーとしてご参加いただいています。

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web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN」とは

UNCHAINとは、スマートコントラクトの開発やdAppsの構築など、プロジェクト開発を通してweb3を学び、実践経験を積みながらアイデアを形にする力を身につけるエンジニアのためのコミュニティです。現在、Astar Network、Ethereumをはじめとした 7つのパブリックチェーンに関する学習コンテンツを24件提供しています。ユーザーはアカウントを作成するだけでweb3関連の最新技術を学べる学習コンテンツに無料でアクセスすることができます。現在、1,500名以上のUNCHAINメンバーがわたしたちのDiscordコミュニティで技術を学び合っています。


web3開発助成金プログラム「進捗2Earn」とは

プログラムの目的は、個人の金銭的なリスクをゼロにして、世の中に”挑戦者”を増やすこと。参加者への助成金配布方法は当社が独自に開発した「進捗2Earn」方式を採択し、6段階の審査基準を満たしたチームは累計200万円の助成金を獲得することができます。また、助成金は日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」を活用することで、審査基準を満たした本プログラム参加者へと即時給付するスキームを構築します。開催期間は、2023年2月13日(月)から9月16日(土)です。

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