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フィンランドの旅vol.9:EUの戦略

訪問4日目。Finnish National Agancy for EducationのAarne ToivonenさんからEUのユースワーク戦略について話を聞きました。

▼Finnish National Agancy for Educationについて

EU Youth Strategy

EUでは、「EU Youth Strategy」を策定しています。

↑の動画にもあるように、「EU Youth Strategy」の重点は以下の3つです。

Engage [参加する/巻き込まれる]
Connect [人と人をつなげる]
Empower [自分の人生に責任をもてる]


インターナショナルユースワーク

EU圏域のユースワークについて、それぞれの国におけるユースワークの重要性は異なるものの、とりわけ北欧は高いレベルを保っているとAarneさんは言います。

EUのユースワーク戦略、その特徴はインターナショナルユースワークにあります。

もちろん、EUが組織せずとも、各国間でインターナショナルユースワークが成立しているところもありますが、未発達の国々もあり、(補完性の意味でも)EUの存在は大きいと言えます。

EUのユースプログラムには、主に「Erasmus+ Youth in Action」「European Solidarity Corps」があります。

両プログラムとも、non-formal learningを大切にしています。non-formal learningは、学校外の自由な学びです。形式化されていない分、ある程度のスキルも必要で、ユースワーカーのトレーニングも行われています。


Erasmus+ Youth in Action

「Erasmus+ Youth in Action」のキーアクションは、

①transnational and international mobility
②co-operation for innovation and good practices: Strategic partnerships
③support for policy reform: Youth Dialogue projects

となっています。エラスムス(Erasmus)計画がEU加盟国間の学生流動を高めようするものであり、「Erasmus+ Youth in Action」においても国を移動しての交流(mobility)がポイントとされています。

「Erasmus+ Youth in Action」のプログラムガイドはこちら。


11のEuropean Youth Goals

EU加盟国の国立機関が若者に対して調査し、彼らの声を拾ったうえで、11のYouth Goals(2019-2027)を策定しました。

1.Connecting EU with Youth
2.Equality of All Genders
3.Inclusive Societies
4.Information & Constructive Dialogue
5.Mental Health & Wellbeing
6.Moving Rural Youth Forward
7.Quality Employment for All
8.Quality Learning
9.Space and Participation for All
10.Sustainable Green Europe
11.Youth Organisations & European Programmes

SDGsの貧困しかり、1番目の項目が全体の一丁目一番地なわけですが、Youth Goalsでは「Connecting EU with Youth」となっています。つまり、EUと若者がつながることが大切だとされています。

ユースワーク(あるいはそれ以外でも)において、国家戦略に加えて、EUの戦略があるという構図は、EUという共同体を意識しなければならない構図とも言え、日本では想像しにくい関係性だなと感じます。

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