見出し画像

オンラインツールを活用した大人数の講師登壇型ワークショップの実践

岡山県立大学の先生から「SDGsに関する若者の活動について学生たちに伝えてほしい。彼らが今後の学生生活でNPOやボランティア活動に参加するきっかけになったら尚良い。」というご要望をいただき、2023年7月19日に約400名に大学1年生に向けて、授業をさせてもらいました。

会場は大人数を収容できるホールで、講師は壇上から話をします。90分授業において、僕の話芸だけでは学生の学習ニーズを満たすことは難しいので、ワークショップ形式で行いました。

このnoteでは、そのときのワークを省察するための整理として記録します。

授業の概要

学習目標は「ワークを通して、SDGsに関わる団体について見識を深める」としました。

授業の流れとしては下記のとおりです。

  1. SDGsに関わる活動やNPO・ボランティアについて知る【インプット】

  2. 自分の関心とSDGsとの関連を探る【ワーク】

  3. 国内外のSDGs関連団体について探る【ワーク】

また、ワークについては、以前に知り合いの高校教員の方から「Padletというオンラインツールがあるよ」と聞いていたので、試しに使ってみることにしました。

インプットパート

インプットパートでは、NPOやボランティアの概要をお伝えしながら、具体例としてNPOだっぴやNPO法人タブララサ、NPO法人チャリティーサンタの活動を共有しました。

また、SDGsについては、ほとんどの学生が高校時代に勉強したことがあるということでした。

アウトプットパート

ワークは主に2つ行いました。

1つ目は、自分とSDGsの接点を探すための個人ワークとして、マインドマップを作成しました。今回は、下記のような方法で。

そこからSDGsとの接点を考える方法としては、下記のような連想で関連性を探っていくことにしました。

ワークの2つ目は、Padletを用います。

自分のマインドマップに登場してきたSDGsナンバーのうち1つを選び、その領域に関わる活動を国内外から探します。その団体について共有するためにPadletに入力します。入力項目は以下3点。

①団体の住所を入力(見つからない場合は●●県●●市まででもOK)
②団体名/ SDGsナンバー/活動内容(150~200文字程度)を入力
③団体HPのURLを追加(できる人は)

この手順で、約400名でSDGsに関わる団体のマップを作成しました。

その後、完成したマップを各個人で見てみて、その中から自分が気になった団体をひとつ選んで、learnwiz.oneに投稿。他の人はどんな団体を選んだのかを全体で共有できるようにしました。

振り返り

マインドマップを用いて、自分とSDGsとの関連性を可視化することで学びが深まったとする学生の感想が多く、この点はよかったなと思いました。

Padletのワークについても、自分のために調べるだけでなく、他の人と共有知をつくっていく活動なので、その点に面白さがあったように思います。ただ、会場のネットワーク環境の問題で自分のスマホでPadletが開けなかったという学生もいたようで、そこのフォローはその場ではできませんでした。(僕は壇上にいたので)

今回、SDGsに関わる団体について見識を深めるということを目標にしていましたが、先生からの要望にはNPOやボランティア活動に参加するきっかけということもありました。その点については、ワークの手法の中に埋め込んでみました。

NPO活動とは、新たな市民活動の在り方を開発していくことでもあります。市民活動とは、みんなが参加することでその集合が新たな価値を生み出すことと定義し、その疑似体験として2つ目のワークを用いました。

自分の関心に沿ったSDGsに関わる団体を調べるだけにとどまらず、それを全体で集約して共有することで、新たな発見を生み出す。このプロセスを体験することを通して、市民活動の開発について理解してもらうことができました。学生の感想にも、上記の意図で市民活動について理解したという記述がありました。

参考文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?