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「越境学習」はキャリアモヤモヤ期の特効薬になるか?

「このままこの会社にいても将来の自分が想像できてしまって面白くないかも・・・」

企業にそこそこ長く勤めていると、そんな思いにかられる方も少なくないのではないでしょうか。

今日はそんな方の「特効薬」になるかもしれない?「越境学習」についてのイベントに参加してきました。

イベント:越境学習 Meet Up!!
https://peatix.com/event/1052806/

主催:仕事旅行/タイガーモブ

▼越境学習とは?

簡単に言うと「ビジネスパーソンが所属する会社・組織の境界を自発的に越えて学びの場を求めること」です。
例えば、大企業に勤めながら一時的にベンチャーで仕事をしてみたり、日本企業に勤めながら海外の現地企業に勤めてみたり、はたまたNPOのような非営利組織に従事してみたりすることを指します。

企業の人材育成にも取り入れられ始めていて、さっと調べたところだと、JT、丸紅、パナソニックなど大手企業中心に積極的に取り組んでいるようです。
このあたりはクロスフィールズさんの「留職」が有名ですね。

(参考)
【シリーズ 越境学習】丸紅の人事制度に見る、“越境”がもたらす効果とは?

そういえば近々古巣のスローガンでもパナソニック社員を引き受ける「留職」を行うそうです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000027437.html


▼越境学習の価値とは?

イベントでは有識者のプレゼンの後、経験者のパネルトーク。

パネラーには、3年で仕事を辞めた後「行ったこと無いしカオスで面白そう」という理由でインドにインターンしに行った後、なんと今は元いた会社に戻ってメキシコで支社長として立ち上げの責任者を担っているというぶっ飛んだ面白い方もいました。

他の方々も非線形なキャリアを歩まれていて非常に面白かったのですが、
皆さん共通しているなと思ったのは、自分の可能性に蓋をしたくない、もっと広い世界を見てみたいという衝動によって「えいやっ」と越境してしまっているという点でした。


そのあとはグループに分かれて振り返りを兼ねたダイアローグセッション。

そこで出た問いが
「私or組織にとっての越境学習の価値とは?」
「越境学習を経験した人の10年後の未来はどうなっていそうか?」

でした。

これを各々が文字なりイラストなりでA4一枚の紙に表現してみる・・・
ちなみに私が書いたのはこれ。

「チーズ・・・ですか?

と隣の方に言われましたがw、
これはチーズじゃなくて石から石像が生まれる様子です。

脳みそをひねって「ハッ!」と思いついたのですが、
これの意味する「越境学習の価値」とは・・・・

・価値1:自分らしさの発見
「僕昔からイジられキャラなんですけど、実はフィリピンでもイジられてたんですよ」
これはフィリピンに長期インターンに行った登壇者の方のセリフなんですが、非常に興味深いと思いました。

言語や国、文化が変わってすら残るものって、その人らしさであり武器でしかないなと。

すなわち、
自分の慣れないコミュニティに飛び込むことで「予測不可能」な事態がたくさん起こり、やったことないことをやったり、苦手だと思うことに挑戦してみたりする。

その過程で石がガリガリと削られていき、多様な経験の中でもなんとなく残っていくもの、共通項みたいに浮かび上がっていくるものが「その人らしさ」なのではないかなと。

それが、彫刻家が石を削っていき徐々に石像として何かの形を成していくプロセスと似ているなと閃いての絵でした。

・価値2:「想定外の」自分らしさの発見
ただ、ここで面白くないな・・・と思ったのが、
「じゃあ最初から自分の姿(=石像)は決まっているのか?」
ということ。
1つの決まった未来があってそこに向かっていくなんてつまらないし、何より現実そうなっていないよなと。
それより、予測不可能な色んな出会いや変化によって、自分の未来なんて時々刻々と変化しているのが実態にあっていそうだなと。

そこでこれを足しました。

そろそろお気づきでしょうか。絵の才能の低さに。

この図を日本語に訳すと、石を彫る前に予想していた「自分」と、実際彫ってみて出てくる自分の姿が違うという事を表しています。

実際に、登壇者の話を聞いてみると、
もともとの環境にいたら気づかなかったが「こんなことが役に立って感謝されるんだ」という経験を越境先ですることで、自分の新たな強みに気づく事ができたそうです。
そしてその気づきは、自信を持つことにもつながったそうな。

▼まとめ

まとめると「越境学習」は、

・部外者として新しいコミュニティに飛び込むことで、数々のカオスな経験に直面し、
・その非日常体験によって内省が起き、自分の価値や、「らしさ」、挑戦したいことが浮き彫りになってくる

可能性を秘めたものだということがわかりました。
キャリアにモヤモヤしている人は半年くらい南米あたりに飛び込んでみると良いかも?笑 しれません。

【2019/07/27 12:10追記
一方で、かの有名な中原淳先生によれば、越境学習が市民権を得てきた昨今では、普通の越境先では飽き足らず「秘境に行かないと越境と思えない症候群」が見かけられ、それを「越境学習のエスカレート化」とバッサリ切られています。

その目的のためにわざわざ海外行かなくても・・・という事案が増えてきているとのこと。

このように、「越境すごい!やばい!」となるのではなく、常に冷静で批判的な視点も忘れないようにしないとな、、、と反省し追記した次第です。

とはいえ、中原先生も書いている通り、目の前の仕事に手一杯だとついつい視野が狭くなりがちなのも事実。

「日常からちょっと離れて内省をする機会」は越境学習に限らず持っておくと良いのではないでしょうか。


▼気づけば「越境学習中」だった

最後は余談ですが、よくよく考えてみると私自身「越境学習なう」なんです。

スローガンという10年いた場所を飛び出て、今全く違う分野の2社にコミットしています。

1つは、ミミクリデザインというワークショップを通じて企業や個人の「創造性の土壌を耕す」事を目指す会社。

もう1つは、今回のイベントの主催企業でもあった、タイガーモブという海外インターンシップの斡旋を通じて「次世代リーダーの創出」を目指している会社。

2社とも、「新卒採用」「就活支援」には関係ないんですそういえばw

ご縁があってワクワクするから飛び込んでみようと決めた2社ですが、このあとどんな「自分像」が浮かび上がってくるのか?

「想定外の」像になっていることを期待して、越境学習の学習効果については実体験を持って半年後くらいにまたレポートしたいと思います。

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