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ラジぽて縁結び BREW-UP 第14回放送2021.11.19

ICTを利用した街の魅力の発信と地域の活性化をミッションに活動しているNPOカワゴエ・マス・メディアさんとコミュニティFM局ナナコライブリーエフエム(周波数77.5MHz)で番組「ラジぽて縁結び」を一緒につくらせていただくことになりました。
サブタイトルはBREW-UP、毎月第一、第三金曜日の21:30からの30分番組です。埼玉・狭山出身のマルチタレントの大野 ひろみさんと一緒にパーソナリティを務めます。毎回2曲を僕がセレクトし、地域をテーマにお話ししてきます。詳しくはこちらをご覧ください。
https://koedo.info/210329nanako/
https://koedo.info/aboutus/
視覚情報のない音声メディアもいいものです。特にラジオは、マスメディアなのに、one to oneなパーソナルな雰囲気があるのが不思議です。

ボジョレー・ヌーヴォー

ボジョレー・ヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方の南端のボジョレー地区でガメイという葡萄の品種を使用し、その年に収穫したブドウから造られる新酒のワインのことです。解禁日は毎年11月の第3木曜日で、2021年の解禁日は、昨日11月18日木曜日でした。

日本には1985年から輸入されるようになり、フランスよりも東側に位置し、解禁日が約8時間早く到来することから盛り上がりを見せ、今日では季節の到来と共に、スーパーや酒販店の店頭に必ず並ぶ風物詩となる程の定着しています。日本人は、例えば初鰹など、季節感や旬ということを生活に取り入れ楽しむ風習があり、馴染みやすかったということはありそうです。

11月の食と風景

ボジョレーヌーボーは1800年ごろには、「ボージョレ・ヌーヴォが到着!」というフレーズとともに各地に送られるようになったと言われています。その後、1937年に原産地統制呼称『ボジョレー』定められ、1951年に11月の第三木曜日を解禁日にすることが定められています。こうしたブルゴーニュの一つの地域の地名を冠したワイン文化が、世界に点と点としてつながっていき、極東の地日本でも楽しまれるようになったというのは、まさに地域の個性をglocal(グローカル)に展開した代表的な事例として、参考になると思っています。僕もglocalという考え方を基礎において世界で活動を続けています。

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ボジョレー・ヌーボーに端する一考察

そして、フランスという国は、日本のこれからの行く先のヒントに溢れていると思っています。

例えば、まずは言語の特殊性、フランス語も日本語も、英語・中国語・スペイン語のように、世界人口の多くが話す主要な言語ではなく、英語のような世界共通言語という要素もありません。

続いて食についてですが、フランスにはフランス料理とワインという強い個性があり、日本には日本料理と日本酒があります。どちらも世界中で、とても楽しまれている、食の世界では二大巨頭と言ってもよい位置づけです。

芸術文化についても、芸術の都パリと評されるようにフランスはその高い芸術性が知られています。一方で、日本の浮世絵などをいち早くジャポニズムとして評価したのはフランスです。ラグジュアリー・ブランドのデザインに日本の市松模様や家紋の影響があるとされています。茶道や華道に代表される日本文化も芸術の大成として日本人が想像する以上に世界では評価されています。

そして、自然風景も含め、こうした文化的背景が観光資源として世界中の多くの人々を惹きつけるというそれぞれの個性が、その内容が大きく異なることからこそ、非常に参考になると思っています。

ビールのボジョレー・ヌーボー的要素について

僕達ビール界において、「ヌーボー的要素があるのか?ないのか?」というと、その答えは「あります。」ということになる。ビールの主原料は麦芽とホップですが、特に最近のクラフトビールの個性の表現に大きな役割を果たしているのがホップです。ホップは花の部分を摘んで、ビールに香りと苦みを与えてくれる、ビールにとってのハーブです。ビールの原料のはなしについてはよろしればこちら「ビールが楽しい5つのわけ。その① ビールと原材料の幸せな関係」もご参照ください。日本では寒冷性気候を好むホップは、緯度や高度を活かして、北海道、岩手、山梨、京都などで商業生産されています。各産地の気候の差によりますが、日本ではホップの収穫は7月~9月です。近年、ホップ農家さんとコラボレーションにより、収穫したての新鮮なホップをもちいてビールをつくることを、クラフトビール界ではフレッシュホップビールと呼び、農家さんと自然の恵みへの敬意を表現するプロジェクトが定着しつつあります。僕達COEDOビールでは、埼玉からもっとも近いホップの産地である山梨県の北杜市の小林ホップ農園さんに醸造家自らが伺い収穫・選果し、そのまま間髪入れず持ち帰りビールを仕込むことを2019年から毎年実施しています。ちなみに小林さんは川越のご出身。これも産地が実際にあり、そして程近いからならではの試み、こうした偶然性にも感謝です。また、すべてを地域内完結し完全に地産地消を目指すという閉じた世界ばかりを目指すのではなく、それぞれの地域性を活かした連携によるオープンイノベーションこそ、真のコラボレーションと考えています。

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日本酒の酒蔵さんでは新米から酒を仕込み、酒が出来た証として、杉玉を軒先に吊るし知らせるという慣習があります。ビール界でも、あらゆる食というものが季節の恵みであるということをより知っていただく試みを継続していきます。

食の楽しみ

食には気候風土といった地域性があることが基本であり、生存のための養分の摂取という生物学的側面と、人類が生活を楽しむために試行錯誤を繰り返してきた美味しさの追求という文化的側面があります。

11月の旬である長芋を、生でそのまますりおろして食べるということ、鰹出汁をとるのは短時間でできることですが鰹節をつくることには長い時間が費やされていたりすること、いったい誰が気付いたのだろうなどと思いを巡らせていきたくなるのです。欧米の煮込んでスープをつくっていく所作とは明らかに異なります。


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どこまで社会と技術が進化したとしても、決して食がサプリメントやカロリー摂取剤だけに代替されることにはならないでしょうし、太古からある根源的な娯楽の追及が、これからも食文化として維持・発展していくことが楽しみでなりません。実体験をベースに継承していきたいことですね。

ON AIR SONGS

東京事変「銀河民」

Serge Gainsbourg 「la noyee」

視聴方法

ナナコライブリーエフエム「ラジぽて縁結び」は、金曜日午前中11時30分から再放送されるようになりました。

【ラジオで】
FM周波数77.5MHz(朝霞、新座、和光、志木、およびその周辺地域)
【PCで】
サイマルラジオ http://www.simulradio.info/ (現在は、CLOVER MEDIAと表記)
リスラジ http://listenradio.jp/
【スマホで】アプリをダウンロードしてください(IOS/Andoroid対応)
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