高橋慈子

テクニカルコミュニケーションの専門会社 代表取締役。 情報をわかりやすく、簡潔に、読み…

高橋慈子

テクニカルコミュニケーションの専門会社 代表取締役。 情報をわかりやすく、簡潔に、読み手に伝える「テクニカルライティング」が専門分野であり、強みです。現在は、さらに、ユーザーとつながる書き方、「UXライティング」の教材やコンテンツ作成に取り組んでいます。

マガジン

  • コミュニケーション力を鍛えたい!

    聴く、話す、書く、伝えるといったコミュニケーションスキルは、天性のもの? いやいや、鍛えられるはず。毎月1回の連続セミナーでプロから学びます

  • テクニカルライターという仕事

    テクニカルライターという専門職を知っていますか? テクニカルライターの仕事のあれこれを紹介します

  • 伝わる文章のライティング技術

最近の記事

スキルアップに必要なもの。自己肯定感?

普段、仕事で英語を使うことはほぼないので、英語については社会人になってから、継続的に学び続けています。手軽かつ良質な教材なのが、NHKラジオビジネス英語。グローバル企業での勤務経験のある講師が、ビジネスのシチュエーションに合わせた内容でスキットや例文を解説してくれるので、参考になります。 講師の柴田真一さんが、今年度、冒頭に話す、「語学の学習に必要なのは、継続と自己肯定感です」のメッセージになるほど~と思いました。ちなみに昨年は、「クリア&コンサイス、そしてパーソナルタッチ

    • チームでパワーを出す。チームでの伝え方

      4月。新年度になり、新入社員研修が始まりました。以前と変わってきたのは、4月2週くらいまでに詰め込むのではなく、時期や回数が会社によって変わってきたこと。いいことですね。 あるクライアントで、ビジネス文書研修を行い、後半はグループワークを多く取り入れました。各グループ、ホワイトボードを使って文書の一部を考えたり、整理しなおしたり。 その場で考え、より良いものに改善していく様子が素晴らしいと思いました。それぞれの考えを出し、書いては修正し、まとめていく。チームでの仕事の進め方

      • 学生生活でも、就活でも、やっぱり必要。文系学生のためのコンピュータ・リテララシー

        新年度が始まり、非常勤で担当している大学の授業の準備を進めています。ふっと思い出して、オフィスの本棚から取り出したのが、『文系学生のためのコンピュータ・リテラシィ読本』。ローカスという出版社から刊行いただいた読本シリーズの一冊です。 そして、いま、授業の準備をしている女子大学で、講義を担当するきっかけにもなりました。専任の先生がカリキュラムと担当者を検討しているときに、書店で手に取り、連絡をいただいたのがご縁です。 刊行は1999年4月1日。なんと25年前。この翌年にご病

        • 伝え方が9割。なるほど。でも、言い方、書き方だけじゃない、伝え方の秘訣を知りたくて

          問題をシンプルに整理できると、解決に近づく、気がしますよね。 そういう人の考え方に合わせてヒットし、今も続いているのが、「〇〇が9割」という書籍のタイトル。 「〇〇が9割」で何故、惹かれる? 「伝え方が9割」 「人は話し方が9割」、「人は聞き方が9割」 ヒットし、版を重ねています。さらには次のようなタイトルも。 「営業は台本が9割」 なるほど。 「人生はお金が9割」や「ダイエットは習慣が9割」といったタイトルまで。 さて、伝え方が大事という本が売れ続けているということは、そ

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        記事

          「アサーティブネス」に伝えてみる?

          相手を尊重しながら、自分が伝えたいことをきちんと伝え、良い方向に進めていきたい。このように思っても、なかなか上手くいかなくて、悩むことは多いものです。 また、「あの人とは、合わない!」と決めつけて距離を置いても、問題の解決はしません。 こうした状況を解決するひとつのアプローチが、コミュニケーションスキル向上セミナー第3回で取り上げた「アサーション―自己尊重・他者尊重のコミュニケーションスタイル―」です。 アサーションとは? 講師の公立はこだて未来大学の冨永敦子先生による

          「アサーティブネス」に伝えてみる?

          正しい答えを並べるよりも、良い質問をすることのほうが大切

          月1回の連続セミナー、コミュニケーションスキル向上セミナーの2回目は、ハイウエア株式会社の樋口恵一郎さんに、「良い質問と回答とは?」をテーマに講義していただきました。 困っているユーザーの質問を解決する手段として、FAQに力を入れる企業が増えています。良いFAQを用意すれば、電話やメールによるサポートを減らし、顧客満足度が高まるからです。 自分の体験を振り返ってみても、何か困ったら、まずWebで調べる。そこでさっくりと方法がわかればハッピー。なんだかよくわからない情報が並び

          正しい答えを並べるよりも、良い質問をすることのほうが大切

          テクニカルライターになったきっかけ その2 「はじめてのあっぷる」

          私がテクニカルライターになりたいと願ったきっかけの1つは、前の記事で書いたように、自分自身がワープロ(コンピュータ)を使うようになって、取扱説明書がわかりにくい、難しいと感じことでした。 もう1つのきっかけは、『はじめてのあっぷる』という本と出合ったことです。これはアップルコンピュータのApple IIcの取扱説明書を一般の書籍としても販売したもので、アップルコンピュータの販売促進の意味もあったと思います。絵本のようなストーリーから始まり、パーソナルコンピュータがいかに、人

          テクニカルライターになったきっかけ その2 「はじめてのあっぷる」

          困っている読み手を忘れて書いていませんか? 

          2024年、新しいことを始めたいと12回連続でコミュニケーションスキル向上セミナーをスタートしました。 というのは、AIの時代、人間が持つべきはコミュニケーションスキルだ!と考えているからです。コミュニケーションが上手くいかないために、悩んだり、トラブったり。生産性が低いといわれる日本の仕事の現場、コミュニケーションがとられているようで、適切にとれていないのでは?と、かねてから思っていたからです。 で、一口にコミュニケーションスキルと言っても、書く、話す、聴く、伝える、発信

          困っている読み手を忘れて書いていませんか? 

          壊しちゃったらどうしよう? 取扱説明書(トリセツ)との出会い

          マニュアルを書くテクニカルライターになりたい! と思い立ち、テクニカルライターになるための活動を始めたのが、1987年。昭和62年のことでした。 当時、技術系の出版社で契約社員として働き始めた私は、資料作成を目地られました。フロアに1台のワープロ専用機を使って。 シャープの書院。1979年発売の最先端の機種だったわけですが、使い始めたところ、わかりにくい、難しい…。しかも、フロアに1台で、必要な人が順番に使っている状況。「これ、壊しちゃったらどうしよう?」。当時、200万円

          壊しちゃったらどうしよう? 取扱説明書(トリセツ)との出会い

          はじまりは1991年。マニュアルについての連載スタート

          2024年3月27日。日経産業新聞の9面に、連載しているコラム「いいモノ語り」が掲載されました。外部の筆者が寄稿するシリーズで、私はマニュアルや製品の使用説明をテーマに書いてきました。 この記事のテーマは、自動車の整備資料に3D技術を活用したマツダエースの事例です。 この連載、この日が最後。日経産業新聞という媒体が休刊になったことが理由です。今年に入り、休刊について連絡があり、3月に寄稿する原稿が最終回になることがわかっていました。それで昨年、ジャパンマニュアルアワードで優

          はじまりは1991年。マニュアルについての連載スタート

          コミュニケーションスキルって、生まれつき? 向上できる?

          テクニカルライティングの仕事を30数年してきて、この20年ほどは文書作成やライティング研修の開発、講師としての仕事に取り組んできました。 「上手な文章が書けるどうかは、センスによるもの」といった誤解を払拭し、「仕事の文章は技術で向上できる」と考えているからです。 ライティングやプレゼンテーションなどのコミュニケーションスキルは、ソフトスキルと呼ばれ、どのような業種でも役に立てることできます。だから、技術を磨いておけば、仕事の能力アップにもつながります。 一方で能力はるのに、

          コミュニケーションスキルって、生まれつき? 向上できる?

          伝わる文章のライティング技術 コラム原稿(5)力になるメール。相手が嬉しいフィードバックを書く

           仕事をしていると、時々、大変、嬉しいメールやメッセージを受け取ることがあります。励まされ、気持ちが明るくなるようなメールです。そこには、内容と表現に共通点があります。  今回は、「わかりやすく」や「簡潔」からちょっと離れて、読み手の力になるメールの書き方をテーマにしました。  皆さんは、読み終わった時に、嬉しい気持ちになるメールを受け取った経験はありますか? 友だちや家族ではなく、上司や同僚、仕事の関係者からのメールで考えてみてください。頑張ったことを労うメールであったり

          伝わる文章のライティング技術 コラム原稿(5)力になるメール。相手が嬉しいフィードバックを書く

          伝わる文章のライティング技術(4) わかりやすく書くコツ② 重要なことを先に書く

           テレワークやオンライン授業が実施され、メールを使ってやり取りする機会が増えています。非常勤で担当している情報関連科目で、受講している学生たちに、どのようなコミュニケーションツールを使っているかを聞いたところ、友だちとはLINEやTwitter、Instagramのメッセージを使い、大学からの連絡の確認や担当の教員とのやり取りはメールで、と使い分けていることがわかりました。  相手によって使い分けているといえ、普段、使っているのはメールではなく、メッセンジャーのようです。ビ

          伝わる文章のライティング技術(4) わかりやすく書くコツ② 重要なことを先に書く

          伝わる文章のライティング技術(3) わかりやすく書くコツ① 1文は短く書く

           新年度が始まり、今年も企業の新入社員研修でビジネスライティング研修を担当しました。新型コロナウイルス感染がおさまらず、昨年に続いてオンラインによる研修です。  研修では、新社会人として知っておくべきビジネス文書の書き方や、わかりやすく伝える文章技術について1日かけて学びます。読み手に伝わる構成を考え、手を動かして演習し 、他の受講者が書いたタイトルや文章を読みます。考える、書く、評価するといった、文書に関する視点を理解し、体験することで、わかりやすく書くコツが身につきます

          伝わる文章のライティング技術(3) わかりやすく書くコツ① 1文は短く書く

          伝わる文章のライティング技術(2) 自分の未来を語る「文書」

           ビジネス文書の役割とは、何だと思いますか? 講師としてライティング研修をするときに、冒頭部分で尋ねる質問です。 1.情報を記録すること 2.読み手とコミュニケーションし、共有すること  そして、最も大切な役割として伝えるのが、次の3番目です。 3.読み手を説得し、次の行動に進めること  「説得」というと大げさかもしれません。「納得」と言い換えてもおいでしょう。読み手に納得してもらい、次の行動に進めることは、会議の日程調整の連絡でも、新しい企画の提案でも同じように大切

          伝わる文章のライティング技術(2) 自分の未来を語る「文書」

          高橋慈子:プロフィール

          進化する技術を、人にわかりやすく伝えたい、と、ワープロ専用機やパソコンがオフィスに導入されはじめた1980年代後半にテクニカルライターとして仕事を開始。 マニュアル制作会社などの仕事をフリーランスとして行い、1988年にテクニカルコミュニケーションの専門会社「株式会社ハーティネス」を設立しました。同代表取締役。 人と機械や、人と技術を結ぶ仕事として、テクニカルライティングに携わってきました。この数年は、人とモノだけでなく、人とコトに視点を置いた、UX(ユーザー体験)の価値を高

          高橋慈子:プロフィール