チームによる行動はヒトのイキモノとしての生存戦略だったと気づく時なのだ。

『このような話をすると「何でも海外のマネをすればよいものではない」といった意見が出てくるのだが、少なくともビジネスという観点では非効率なやり方をわざわざ残す必要性は薄い。日本企業の生産性が著しく低いのは事実であり、日本でもできるだけ早く業務を個人完結型にシフトする必要があるだろう。もしそれが実現すれば、必然的に電話番の問題は解決しているはずだ。だが、仕事が個人単位となり、新人が電話番をしなくてもよいビジネス環境というのは、凡庸なビジネスパーソンにとってはシビアである現実についても理解しておく必要がある。新人が電話番をする職場は、ある種、スパルタ教育で全員が最低限度のスキルを身につけることを目的としている。逆に言えば、こうした従来型職場では、言われたことだけをこなしていれば相応の評価を得ることができる。だが最初から個人単位の職場環境では、電話対応など各種コミュニケーションについても、「自分で勉強しなさい」という話になる。そうなってくると、仕事ができる人とできない人の差が極めて顕著となり、しかも職場での評価は「がんばっていること」ではなく、成果を上げたかどうかだけが問われる。個人完結型の職場は表面上は優しいが、実は過酷な競争社会でもあるのだ。ストレートに言ってしまうと、いつまで経っても電話でうまくコミュニケーションをとれない人は、新時代の職場環境ではあっという前にリストラ候補となってしまう可能性が高いだろう。』

個人主義を突き詰めていけば自己責任論に帰着する。大きな自由を享受するには自己責任論は回避できない。人類は己の生物的な脆弱性を自覚し集団によって生きのびてきた。チームによる行動はヒトのイキモノとしての生存戦略だったと気づく時なのだ。

最近話題の「テレハラ」について、決定的に欠けている視点
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/27/news033.html

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