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女性社長と殺人ウサギ❣❣❣

黄砂に包まれたように、ドンヨリと霞む地下駐車場…視線を凝らすと可成り広い…どうやら東京駅の八重洲口地下駐車場だ。

ここに女性が軟禁されている。それは若くて美しい女性社長なのだ。   その女性社長の救出依頼がスマホで届いたばかりなのだ。

俺はその犯人の…犯人と云っていいか分からないが…目星はつけてある。 なにしろ俺は江戸川乱歩の愛読者なのだ。

犯人はこの地下駐車場にいる!そう断言していいだろう。更にそいつの正体は…殺人ウサギなのだ!

なぜだかもう、俺はこの地下駐車場で殺人ウサギを追いつめている。こいつはブロッコリーが大好きで、ブロッコリーの為なら何でも従う、他愛のない奴なのだ。

可愛い顔をしているが、本来は凶暴な殺人ウサギである。        ブロッコリーを齧りながら、殺人ウサギは簡単に白状した。

女性社長は大きなアクリル製の透明な箱に閉じ込められている。よく見ると箱の中にはピンクのベッドがあり、彼女はピンクのパジャマで横たわっている。

よく見ないとピンクに同化して顔しか見えないのだ。俺は一瞬、首だけかと思ってドキリとしたくらいだ。

俺は殺人ウサギに、彼女を開放するよう説得した。しかし、殺人ウサギはこれには応じないのだ。

俺は殺人ウサギが横を向いている間に、女性社長を箱から引っ張り出し、 お姫様ダッコで運び出した!

そして…応接室のテーブルの上に、そっと横たえた。その女性社長はどう見ても子供っぽい少女のようにしか見えない。

「救出作戦は成功したぜ…」俺はゴルゴ13のポーズで呟いた。 了

注 その女性がなぜ女性社長なのか?更に一度も会ったことのない女性なのか? あのウサギはなぜ、殺人ウサギなのか? 目覚めて考えたが全く不明であった(笑)

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