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ClearSeeを使ったシロイヌナズナ植物の透明化

植物体や植物細胞は葉緑体の自家蛍光が強く、そのままでは蛍光顕微鏡観察が困難なことがあります。

GUS染色の場合には、エタノールや抱水クロラールを用いて透明化を行うことができますが(https://note.mu/shigeruhanano/n/n1a25755d2899)、蛍光タンパク質を用いた染色では色素が抜けてしまうため、それらの代わりにClearSee (Wako Code No. 031-25151) を用いて透明化を行います。

<固定液の作製(ドラフト内作業)>
1. 15 mL コニカルチューブに滅菌水8 mLを準備。
2. パラホルムアルデヒド0.4 gを加える。
3. 2 M NaOH 50 µL程度を加えて、60℃で保温して透明になるまで溶かす。
4. 10 x PBSを1 mL、滅菌水を加えて、全量10 mLにメスアップする。

<固定>
1. 固定液に試料を入れて、真空ポンプで減圧する(ドラフト内)
2. 試料が沈むまで減圧し、室温で30分間静置する。
3. 大気圧にゆっくり戻して、再度減圧し、さらに30分間静置する。
4. ゆっくり大気圧に戻す(計1時間固定)
5. 固定液を廃棄し、1 mL 1 x PBSを加えて1分間静置。
6. PBSを除去して、再度1 x PBSを加えて1分間静置。

<透明化>
1. PBSを除去して、ClearSeeを加える。
2. 減圧して、1時間静置。
3. ゆっくり減圧して室温で数日間から2週間静置。
4. 1、2日おきに転倒混和。
5. 顕微鏡で観察する。

<参考文献>
Daisuke Kurihara, Yoko Mizuta, Yoshikatsu Sato, Tetsuya Higashiyama. ClearSee: a rapid optical clearing reagent for whole-plant fluorescence imaging. Development (2015) 142, 4168-4179 doi:10.1242/dev.127613

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