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ネットが自由に使える日本に帰国してSNSを再開してみたら

筆者は2017年から5年間、中国の深圳に滞在していました。帰国と同時にライターとして活動を始めるのですが、その過程でSNSの必要性を痛感し、再開しました。

ちょうどTwitterを使い始めて1年くらいたちますが、最近モヤモヤすることがあり、noteの場を借りて自分の考えを整理してみることにしました。原因を考察したところ、中国と日本のネットの使い方の変化が大きいと感じます。

日本の「当たり前」が使えない中国のネット事情

報道でご存知の方も多いかもしれませんが、中国ではインターネットが監視・検閲されているため、日本で当たり前のように使えるアプリやネットサービスを利用することができません。

例えば、以下のようなアプリです。
・Google(map含む)
・Amazon
・Facebook
・LINE
・Instagram
・Twitter
・YouTube


これらのアプリ、日本に住んでいて使わない人はほとんどいないのではないでしょうか。「中国ではどうやって生活するの?」と思われるかもしれませんが、上記の中国版とも言えるような現地アプリがあるのです。

例えば
・検索→百度
・メッセージツール→微信
・SNS→微博、TikTokなど
・ネット通販→淘宝

また中国に行くことに備えて残してあるアプリ。

とはいえ、日本で利用するアプリやサイトが全く見れないわけではありません。以下のようなサイトは閲覧できました。

・Yahoo! JAPAN
・企業や官公庁の公式HP
・一部の新聞
・その他中国政府が問題ないと判断しているアプリやサイト

じゃあ日本のようなネットライフを中国では送れないのか。
表向きはそうですが、2つ方法があります。
・VPNに繋ぐ
・香港かマカオに行く

1つ目はVPNに繋ぐこと。VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築し、データの暗号化や送受信元のIPアドレスの隠蔽を行う技術です。

インターネット接続時にVPNサーバーに接続することで、実際の接続元のIPアドレスが隠され、VPNサーバーのIPアドレスが使用されます。これにより、ユーザーはアクセス制限されているコンテンツにアクセスできたり、プライバシーを保護することができます。

筆者も、VPNに繋いで各種SNSやYoutubeを閲覧していました。VPNに繋がるまでに数十秒ほどかかりますが、無事繋がれば問題ありません。

もう1つは、一国二制度が適用されているで香港とマカオに行くこと。コロナ禍前までは、深圳在住の多くの日本人がビジネスや買い物などで香港を往来していました。VPNを繋がずにネットを閲覧できるので、筆者も香港へ行くついでに、まとめてネットを確認していました。

手前のビル群が深圳、奥の山は香港。橋で繋がっている。

中国での余暇とネットの使い道

このようなネット環境で、多くの在住日本人は、日本と現地のアプリを両方駆使して生活していると思います。次に、中国での余暇でネットを使って何をしていたのか振り返ってみました。

最後の1年間(2021年〜2022年)はざっとこんな感じ。
・SmartNews(VPN)
・語学学習
・Kindleで電子書籍をダウンロード(VPN)
・ShenzhenFan、香港BSをチェック
・検索は基本bing

もちろん仕事では、ZoomやSlack、現地アプリを活用していましたが、プライベートではこれだけでした。休日は家族と過ごすため、1人でスマホを見る時間が少なかったということもあるでしょう。

インプットは主にSmartNewsと現地の情報が発信されているポータルサイト、電子書籍のみ。SEO記事もほぼBingで検索していました。

コメントができる某ニュースサイトをチェックしていた時期もあったのですが、素人の余計なコメントが不快で読むのをやめてしまいました。そこで、ニュース単体にフォーカスしたSmartNews一択になりました。

SNSは元々消極的で、20代の頃に周囲がやり出したFacebookのみチェックしていたものの、30代になった頃にはつながっていた「友達」の多くがFacebookから離れてしまった様子。わざわざVPNに繋げて閲覧する必要性を感じられず、ほぼ放置することに。ほとんどSNSを見ない日々が続きました。

帰国後、必要に迫られてSNSを再開

帰国したらライターを始めることは決めていたので、ライター講座を受けることにしました。帰国前から手続きが始まったのですが、なんと連絡手段はFacebook。放置していたアカウントを起こし、使い方を思い出しながらSNSを再開したのでした。

ライター塾ではもちろん、様々なセミナーに参加して情報収集する中で、仕事を受注するためにはSNSの活用が必須だと痛感。10年以上前にアカウントを作ったものの、楽しさが見出せず文字通り眠らせていたTwitterも再開しました。

年代がバレてしまいますが、筆者のSNSのスタートってmixiなんですよね。(知ってます?)その後がFacebook。SNSを再開した頃は、フォロー数が増えたり、投稿に反応が返ってきたりすることに嬉しさと懐かしさを感じました。

SNSを再開して良かったと感じることは

・ライターや編集者の人と繋がれた
・偶然の出会いや情報がある(アルゴリズムのせいかもしれないけど)
・ネットの空気やトレンドなどの「相場感」がわかる
・自分が尊敬している人の情報を得られる

自分の知らない世界やすごい人がこんなにもたくさんいるんだと気付きました。一方で、ためになる情報や楽しさも感じる反面、モヤモヤすることも増えました。よく言われることではありますが、

・フォローや反応の増減に一喜一憂する
・不快なツイートが表示され、ついつい見てしまう
・成功者ばかりがタイムラインに表示され(るように感じ)自信喪失

特に、うまくいっていない時ほど、これらのことに敏感に反応してしまう自分がいたのです。

SNSとの付き合いには割り切りとレギュレーションが必要

どうして日本の方が自由にネットを使えるのに、SNSでメンタルを左右されるのか。自分なりにその原因を分析してみました。

まず、働く環境の変化。深圳にいた頃は、朝から夕方まで職場にいなければならなかったので、プライベートな部分でネットを使う時間はあまりありません。

現在は在宅フリーランスなので、常にPCやスマホを使って仕事をしています。いつでもネットに繋げて情報を得ることができます。

次に、情報収集の入口が狭かったこと。深圳にいるときは延々に情報が垂れ流されるSNSをほとんど閲覧していなかったため、書籍やニュースサイトが主な情報源でした。

ある意味、「読んだら終わり」という区切りがはっきりしていたんですね。SNSを使うようになって、ついつい隙間時間でアプリを開いてしまいますし、自分で閉じるのは難しい側面もあります。

そして一番大きいのは仕事とネットが直結するようになったこと。情報収集や、自分の発信、読者の相場観を知るためなど、現在の仕事とネットの活用が不可分の関係にあります。

また、前職の業界は、プライベートも含めSNSの発信についてはかなり気をつけないといけませんでした。

そこで思ったこと。「仕事のためにSNSを使っているのに、そこにのめり込むのは本来の目的ではない」ということ。

抽象的ですが、「良い文章を書くために、必要としている誰かに届けるためにSNSを活用している」といった感じ。あくまで手段だと割り切らないといけないと思いました。

SNSとの良い距離感を保つための具体策


そこで、これからこんな風にSNSと付き合ってみたいと思います。
・17時を過ぎたらSNSをなるべく見ない。
・読書の時間を物理的に増やす。

筆者は、仕事とプライベートの区切りなく働いていますが、それでも仮の勤務時間は存在します。ここでいう「仮」というのは、役所の手続きなどで勤務時間を記入しないといけないときがあるのです。

例えば、娘の保育園に提出する書類など。この仮の勤務時間によって送迎の時間が決まります。なるべく娘を保育園に預ける間に仕事の予定を入れるのですが、仮の勤務時間が終了したら「SNSを開かない」ようにしてみます。これは擬似的にあくまで仕事として割り切るため。

もちろんメールやDMなどには対応する必要はあるかもしれません。

もう1つは、「読書する時間を意図的に増やす」です。今でも本をよく購入したりダウンロードしたりするのですが、余暇の使い方として、深圳にいた頃よりも優先順位が下がっていました。

先に読書の時間を確保して1日のルーティンに取り入れてみようと思います。

中国で生活している間は、仕事やネット環境に様々な制限があったため、程よい距離感でネットに接することができました。現在、ネットが自由に使える日本で、フリーランスとして生活する身としては、自分にルールを課すことが大事だと感じる今日この頃です。

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