Q.SaaS企業で導入されているインサイドセールスとは?
いつもOTIO Pressをご覧になっていただきありがとうございます。
さて、今回はSaaS企業で最近よく耳にするインサイドセールスについて考えたいと思います。
1. インサイドセールスとは?
インサイドセールスとは、主にB to Bの営業シーンにおいて、電話、メール、Web会議システムなどを利用して顧客とコミュニケーションをとる「客先に訪問せずにデスクで営業するスタイル」のことをいいます。
近年になってIT業界、外資系企業を中心に広まりつつあり、多くのSaaS企業で取り入れられていて、私も6か月ほど某マザーズ上場Saas企業でインサイドセールスに従事し、手法を学びました。
具体的な業務は、営業企画やマーケティングが、リスティング広告、セミナー、展示会で獲得したリードの中で、サービス導入に本格検討しているものは営業に回し、興味はあるが情報収集というフェーズのお客様をインサイドセールスがケアを行い、本格的に検討するフェーズにリードを育てる役割を担います。
そして、本格的に検討するフェーズに育てたリードを、改めて営業にパスしたり、場合によっては最後まで、訪問せずにインサイドセールがサービス導入までもっていくのです。
よく、単なるテレアポや見込み顧客のナーチャリングの手段と間違えられますが、潜在顧客へのアプローチから契約を含む全ての営業フローを完結することもあります。
2.インサイドセールのミッション
インサイドセールのミッションは上記にあるように基本的には受注につながる可能性の高いリードを営業にパスすることです。
そのためにメール、電話でお客様と対話し、課題や状況をヒアリングすることは、一見テレアポと大きな違いはありませんが、
インサイドセールスではもう少し、お客様に踏み込み、自社のサービスがどのような形で役に立てるのか、その観点で話を深く聞き、時には相手の心情をくんで対話を重ねていきます。
テレアポのようにトークスクリプトがあり、ただそれをひたすら読み続けるというやり方では、歯が立たないのがインサイドセールスで、電話やメールで知りえた情報を踏まえて、商談の方向性を描いた上で顧客に提案します。
さらに、テレアポと異なるのは、自社の顧客として付き合うべきかを目利きするのも、インサイドセールスには求められます。
無駄アポや、絶対に導入に至らないお客様をインサイドセールスで、しっかりフィルターにかけ、訪問をする営業には早期に導入されるであろうお客様へのアプローチに集中していただき、組織として効率的に受注の最大化を目指します。
3.インサイドセールスシフトが加速している6つの理由
インサイドセールスが、すごい勢いで多くの企業に、取り入れられていますが、世界的にシフトしている理由は下記の6つが考えられます。
① モノやサービス(特にWebサービス)が低価格化し、営業効率の改善が必要になった
② 上記に伴い、売上維持・拡大のためには広範囲での顧客開拓が必要になった
③ 企業における採用難が深刻化しており、営業効率の改善が必要になった
④ 顧客がネットで簡単・瞬時にサービス情報を得られるようになったため、セールスの「スピード対応」が重要な差別化要因になった
⑤ 顧客がネットで簡単・瞬時にサービス情報を得られるようになったた め、セールスの役割が「情報源」から「コンサルティング」にシフトした
⑥ 「働き方改革」という社会的要請
SaaS企業が特に当てはまり、実際に取り入れられている理由でしょう。
4.インサイドセールスの導入メリット
インサイドセールスを導入すると端的に9つのメリットがあります。
①コストをかけずに営業エリアを拡大
②移動時間とコストをゼロ/大幅に短縮
③営業リードタイムを大幅に短縮
④ 1日あたりの商談数が2~4倍に
⑤ スピード対応で顧客満足度アップ
⑥ 既存顧客との接触頻度を向上
⑦ 社員の就労環境を改善
⑧ セールスの短期育成
⑨ 採用力の強化
「④ 1日あたりの商談数が2~4倍に」では、訪問して商談を行うと移動時間も考えると最大3件/日が限界だと思います。
しかし、インサイドセールスだと、
1回目 9:00~10:00
2回目 10:30~11:30
~お昼休憩~
3回目 13:00~14:00
4回目 14:30~15:30
5回目 16:00~17:00
無理やりに詰め込めば、もっと商談ができると思いますが、お話した内容をSFAやデータベースに記入する時間や、御礼メールを送る時間を考えると、最大5件/日の商談を行えますので、月や年に換算すると塵積です。
5.最後に
インサイドセールスとは、「テレアポ」や「訪問する営業のサポート役」では収まらない重要な役割であり、書ききれませんでしたが、営業の育成にも効果を発揮します。
4.でご説明した導入メリットに少しでも魅力を感じた営業マネージャー、経営者の方は、早速、取り入れ、組織改革を行ってみてはいかがでしょうか。
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