見出し画像

#101 複業を「人材育成」と捉えたら……社員を送り出す企業の「意味と価値」

竹内義晴です。この番組は、組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」についてゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


これからお話したいのは「複業を導入しようと思っている企業」に向けたお話

今日からですね。「新たなテーマ」でお話をしていこうかなと思っています。新たなテーマというのは、大きな文脈で言えば複業なんですけれども、いままでですね、複業をしたい人、それから複業を受け入れたい企業のお話をしてきたんですよね。

これからお話ししていきたいのは、「複業を導入しようかな?」と思っている企業に対してのお話です。人事や制度設計に関わる方に向けてお話ができればいいなと思っています。

複業って、なんだかんだいって、働いている労働者の企業側が「OK!」と言ってはじめて、できるものなんですよね。そこで、企業のみなさん、特に人事とか制度設計に関わっているみなさんに対してお話ができればいいなと思っています。

NGだったものを、OKにするのは難しい

いままで「複業」って言うとだいたい禁止だったじゃないですか。でも、2018年ぐらいからですかね、労働者の人の動きを作るとか、地域の企業に対して都市部の人材を地方に送り出すという言い方があっているのかどうかわかりませんけど、そういった目的で政府が複業を推進し始めたんですよね。

とはいえ、いままで企業側が、複業禁止だったこともあって、いままで禁止だったものを「やってもいいよ」って言ったとこで、なかなか難しいと思うんですよ。

それは、制度的なものももちろんあるでしょうけど、気持ち的な部分も大きいですよね。

たとえば、複業し始めたはいいけれど「ほかの会社に転職しちゃうんじゃないか?」とか、「仕事がおざなりになるんじゃないか」とか、いろんな課題感とか不安感ってあると思うんです。

あと、実際にやりだしたはいいけれど、「どんなフォローが必要なのか」とか、いろんな課題感があるんじゃないかなと思っていて。

なので、複業に対する「企業側のメリット」みたいなものが見出せないと、なかなか進まないよねっていうふうにも思っています。

複業をOKにする「企業側のメリット」

ボクは制度設計に関わっているわけではありません。どちらかというと、働く側の立場です。

一方で、企業側にもメリットがあるし、現在の、企業が抱えているさまざまな課題を解決する一助となるのが、この複業という仕組みじゃないかとも思っています。

そこで、これからは企業側の人事とか制度設計、あるいは、人材育成に関わっているみなさんに対して、複業のメリットなども含めつつ、「なぜ、複業に取り組んでいくといいのか?」というお話をしていきたいなと思っています。

越境学習で改めて感じた「複業の意味」

2023年7月5日から7月8日まで、ボクは岩手県に行っており、「越境学習」という企業研修型のプログラムを運営していました。

越境学習というのは、こちらの記事を、ぜひ、ごらんいただけたらと思うんですけど、普段、自分が関わっている領域……それが「会社」という領域だったら、会社という境を越えて、別の世界に踏み出す。別の世界に踏み出すことによって、普段、会社の中ではなかなか感じられない価値観や、社会の情報や人、生活に触れることによって「価値観の揺らぎを起こして学ぶ」というプログラムなんですよね。

この、越境学習のプログラムは、複業という観点ではないけれど、さまざまな仕事をしている方や、地域の方々と話をした中で、結構、価値観が揺らぎます。というよりも、ボク自身、かなり価値観を揺さぶられたわけですよ。

いままで、自分が「これが当たり前」だと思っていたことに対して、別の世界の話を聞いたら「あれ? これすごい課題だよな」って思ったり、「これ、すごい大事だよな」って思ったり。

そういった、普段の自分では触れない課題に取り組もうとしている人の話を聞いた時に、結構動機づけられたんですよね。

複業は「越境学習そのもの」

今回、越境学習ということで、「普段とは異なる地域」という環境に入っていったんですけど、「複業って、まさに越境学習そのものだよな」って思ったんです。

「会社」というのは、いつも同じ人と顔を合わせて、同じような仕事をし、同じような価値観の人たちと触れる世界です。

一方、越境学習は、この逆です。

会社という枠組みから一歩踏み出すには、もちろん勇気は必要かもしれないし、緊張もするかもしれません。でも、まったく異なる環境に入ることで得られる「当たり前の違い」って、新しい価値観を生み出すためには、重要なポイントじゃないかな思うんですよね。「変化を感じる」っていう部分が。

複業という文脈の場合、稼ぐとか、稼がないという部分も、一部はあると思うんですけど、そういうこと以上に「社員を成長させる」とか「育てる」という観点で捉えたときに、社外の環境で仕事をしてみるって、実は、すごい大事なんじゃないかなって、今回、岩手県での越境学習プログラムをやりながら、何度も頭によぎったんです。

そういった、複業を人材育成の1つの要素であると捉えたときに、いままでの(お金を稼ぐ)副業と、解釈が結構変わると思うんですよ。

もちろん、金銭が伴うといろいろあるかもしれないので、場合によっては(金銭が伴う)複業じゃなくてもいいかもしれません。プロボノ的なものでもいいし、インターンみたいなことでもいいのかもしれませんが、少なくとも、「異なる環境で仕事をする」という経験が、社員のみなさんにとっての、教育的な観点でいろんな気づきや発見があるんじゃないかと思います。

また、外の社会を経験することで、「うちの会社って、結構いい会社だったんだな」って気づくこともあります。

このように、人材育成の観点で、複業を捉えてみてもいいんじゃないかなと思います。

この、具体的な話は、また明日お話ししたいと思います。じゃあ今日はこれで終わりにします。バイバイ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?