人間五蔵説から考える『認知』
前回は、認知・呼吸・自律神経の相互関係について触れましたが、今回はヨガの観点から心身の調和がとれた人生を送るために『認知』を整える理由を考えてみたいと思います。
ヨガにおいて四大聖典の一つであるウパニシャッドには、以下のように記されています。
上記をざっくり解説すると・・・
人間はどんな人でもその奥底(5の歓喜鞘)に純粋意識でくもりのない自己(真我=アートマン)を潜めている。
ただ、1〜4の鞘がくもると5.純粋意識もくもってしまい、本来の愛と至福に満ちた自己は覆い隠されてしまう。
例えば・・・
4.の理智鞘では潜在意識が強く影響し、過去の記憶・蓄積された情報や知識をにより『認知』が生じる。
4.理智鞘でなされた認知・判断を元として3.意思鞘にて感情や思考が生み出される。
つまり『認知』の乱れは嫉妬・不安・不満などのネガティブな感情や思考を生み出し、2.呼吸の状態・プラーナ(気)やエネルギーの巡りを悪くしたり、長期化すると1.肉体次元にまで及び疾患となる。
反対に、認知が良好であれば感情や思考も安定もしくはポジティブなものとなり、付随する呼吸・気・エネルギー状態も安定化するとされます。
ヨガの観点から『認知』を整える理由としても、自律神経の状態を安定化させることにより心身の健康を守り、幸せな人生を得るためと言えるようです。
西洋医学では馴染みの薄いプラーナ(気)やエネルギー、真我(アートマン)といった非物質的な表現手段は、東洋医学やヨガに馴染みのない生活の中では、なんとなく怪しいような気がしたり敬遠してしまいがちかもしれません。
けれど、前回に触れた『認知・呼吸・自律神経』の関わりから繋げて考えてみると『心身相関』として少し身近に感じることができるかもと思い、今回まとめてみました。
私は病院で勤務しており、その中では西洋医学を軸に考えることが多いです。ただ自分の専門範囲外の分野から学ぶことは『はっ!』とすることも多く、そんな時に知らず知らずうちについていた自分の思考の癖を自覚します。
様々な分野の人や物事に敬意を持ち、注意深くも自由に学ぶ心を持ち続けることで更に広い世界を感じられるようにありたいなと思う今日この頃です。
最後まで読んでいただき有難うございます。
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