宇宙とフグのおはなし(預かれし銀河の幸)

預かれし銀河の幸。「預かれし銀河」があるということは、その逆の「預かれざる銀河」もあるということだ。すなわち、銀河は誰かの所有物である。そして、銀河の持ち主は大抵の場合、神様であると相場が決まっているが、俺にはそれが違う気がした。持ち主はフグ。正体不明のフグが銀河を所持している。フグと銀河は連動している。フグが膨張すれば銀河は縮小する。銀河が膨張すればフグは縮小する。しかし宇宙は常に膨張し続ける。だから、そのフグは常に縮み続ける。一粒の砂どころではない。肉眼では確認できないくらい小さくなっている。銀河が膨らみ続けるために、そのフグは存在しなければならない。そんなフグがこの世界にはいる。だから「預かれし銀河」とは「フグが預かっている銀河」を指す。フグが所有している銀河と所有していない銀河とではどんな差違が生まれるのか。トゲだと思う。膨張する宇宙の縁にトゲが生えている銀河、それが「預かれし銀河」の正体である。それは膨らみ続ける大きなウニのようなものである。次に「預かれし銀河」の「幸」とはなんだろうか。「幸」とは利益をもたらすものである。「銀河の幸」、それはひとえに銀河の外にいる何者かの干渉を妨げるということに他ならないだろう。トゲがあるおかげで銀河に平穏がもたらされ、宇宙の秩序が保たれるのだ。それが「銀河の幸」なのだ。これらの考察により導かれた結論は「預かれし銀河の幸は"トゲ"」である。トゲとは攻撃性を兼ね備えている。攻撃は最大の防御という。だからこんな風に言い換えるのはどうだろう。「預かれし銀河」は鎧を着ているようなものだ。一方で、「預かれざる銀河」は生身の体で膨張していき、その裸体を銀河の外部にさらし続ける。これでもうわかっただろう。「預かれざる銀河」とは神様が作り上げた大きな恥部なのだ。逆説的に預かれし銀河は恥部を隠していることになる。つまり「預かれし銀河」とはパンツだ。そして「預かれし銀河の幸」とはパンツに付着した精液に他ならないだろう。宇宙が膨張をやめ、縮小し始めたとき「預かれし銀河の幸」は正体を現す。そう、預かれし銀河とは男性器のことである。宇宙規模の男性器が縮小していく。そして、男性器の縮小に合わせて、少しずつ膨張するフグが、この世には存在する。


小さい頃からお金をもらうことが好きでした