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ナチュラルワイン「 アンジョリーノ マウレ」に使われている書体「Lithos」

ビジネスに使えるデザインの話

ビジネスにデザインの知識はけっこう使えます。苦手な人も多いから1つ知るだけでもその分アドバンテージになることもあります。noteは毎日午前7時に更新しています


イタリアのラ・ビアンカーラのワイン「アンジョリーノ・マウレ」

ラ・ビアンカーラの「アンジョリーノ・マウレ」
画像出典:vinica

このワインのエチケットに使われている書体が「Lithos」。


書体「Lithos」

Lithos
By Andrew c - Own work, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2181133

書体名:Lithos
カテゴリー:サンセリフ体
分類:ディスプレイ
デザイナー:Carol Twombly(キャロル・トゥオンブリー)
リリース年:1989年

Lithosは1989年にCarol TwomblyがAdobe Systemsのためにデザインしたサンセリフ書体です。古代ギリシアの公共建築物に見られる彫刻の、飾り気のない幾何学的な字形にインスパイアされてデザインしています。

この書体は大文字のみで構成され、小文字はなく、イタリック体なしで5つのウェイトがあります(Extra Light, Light, Regular, Bold, Black)。

トゥオンブリーによれば、Lithosはギリシャ語の碑文からインスピレーションを得たに過ぎず、Lithosは忠実な再現というよりは現代的な再解釈だということです(※1)。

AdobeにおけるLithosの説明

著名人を称賛したり、寺院を奉納したりする碑文は、古代ギリシャ時代には一般大衆に見られることを意図していたので、装飾のない幾何学的な字形が用いられるのが普通でした。これらの非常に基本的な形が、Carol Twombly によってデザインされた Adobe Originals 書体の 1 つである「Lithos Pro」に影響を与えています。この柔軟性あるデザインは、簡略化された文字の形と、幅広いディスプレイ作業に適した遊び心のある非対称の性質を組み合わせたものです。オリジナルの「Lithos」デザインは、1989 年のリリース以来、非常に人気があります。ユーザーの要求を満たすために、2000 年にリリースされた「Lithos Pro」には、真のギリシャ語サポートに加え、スモールキャップスと小さな数字が追加されました。

Adobe fonts

ちなみにLithosは、Litho(石板)より。石板刷りのリソグラフィー(lithography)と同じ語源。「リソウ」と発音。

リソグラフィーを説明した動画



Lithosの使用例

Bessie Coleman stamp

Bessie Coleman stamp
Source: twitter.com via Fonts in Use

世界初のアフリカ系アメリカ人女性パイロット、ベッシー・コールマンの切手。


Skios by Michael Frayn

Source: New York Times Patricia Wall/The New York Times. License: All Rights Reserved.

Michael Fraynによるギリシャの島を舞台に、科学者と社交界の名士の取り違えを描いた愉快な小説『SKIOS』の装丁。


チューリッヒのレストラン「Golosone」

Source: www.golosone.ch Golosone. License: All Rights Reserved. via Fonts in Use

ゴロゾーネはスイスのチューリッヒにある伝統的なイタリアンレストランである。家族経営で1997年に創業。入り口の上の金属文字やウェブサイトのバナー、メニューに使われています。


参照

※1

※2

http://vinaiota.com/producer/168

※3

https://www.asahi.com/and/article/20171124/400031679/


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