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価値を創るそのとき、「わたし」はいない

今日も誰より価値ある1日を。

こんにちは、大鹿です。
noteを開いてくださって感謝です。

今回も「価値」を科学していきます!

さっそく結論:価値を創りたくば「わたし」を消し去りましょう

プロダクトアウトとマーケットインという言葉、知っていますか?

ちょいちょいビジネス書を読むような方はご存じだと思います。

あっ、横文字が並んだからといってあんまり硬い話にはならないのでご安心を。この前後3~4行だけガマンしてください。

  • プロダクトアウト→オレの届けるもんはええじゃろが戦略

  • マーケットイン→あなたの欲しいものを届けるよ戦略

2つの言葉をざっくり区別するとこんな感じ。

きっと私より専門的に解説してくださっている方がいるはずなので、これらの用語の定義についてはこれ以上踏み込まないでおきます。気になる方はnote内を検索してみてください。

今回から「価値の創り方」について具体的に踏み込んでいきます。

履修のための入口が、他者の「欲しい」が分かるマーケットイン型人材になることです。

価値の錬金術師

価値の創り方。実は、これまでの記事にもヒントを散りばめてきました。

今回ポイントになるのはこの辺り:

  1. 価値はお客様が決めるもの(「【落とし穴】価値とは誰が決めるものなのか?」)

  2. 価値とムダは表裏一体、隣り合わせ(「度が過ぎた付加価値はムダになる?」)

  3. 本当のニーズ=感動を実現してくれるものに、人は大きな価値を感じる(「私がオーダースーツを好む本当のニーズを探ってほしい!」)

もちろん他にもありますが。ともかく今日からは、バラバラに提示してきた価値に対する考え方を統合していく作業に移ります。

パズルのピースの中心になるのは人の本当のニーズ=“感動”。

感動が深ければ深いものになるほど価値の総量は高くなります。

さて、本題。

「欲しい」が分かることって、言葉のシンプルさとは裏腹にヒジョーに難易度が高いです。なぜかというと、人は自分の本当の「欲しい」に気づいていないから。

自分にウソをついているとも言えます。

例を見ていきましょうか。

ドリルでも穴でもない

ビジネスの教訓話でよくあるのが「ドリル」のエピソードです。ご存知ですか?

ホームセンターに「ドリルを買いに来た」という父親が本当に欲しかったのは「穴」だった、という。

ですがこの話、正直言うと解としては不十分で。

「じゃあなぜ、穴が欲しかったのか?」というと犬小屋を建てたかったから、らしいけど、

  • なぜ穴を空けて組み立ててまで自分で犬小屋を作りたいのか?

  • どんな犬小屋を作りたいのか?

この辺の掘り下げがない。父親に対しより大きな価値を届けるには、本当のニーズが理解できないと。

仮に、室内(というのか?)に大きな負荷がかからない、小型犬向けの犬小屋が必要だったとします。

ドリルで穴なんて開けなくても凹凸を合わせるだけで作れるキットがあって、たった30分で組み立てられるとしたら、そもそも穴もドリルもいりません。

フフフ。店員さんよ、「穴」まではなかなか勘が良かったな。

しかし、まだまだだ。ドリルを売っていたらかえってムダになっていたかもしれないぜ。

逆に。室内(なのか?)にめちゃくちゃ負荷がかかる、大型犬向けの犬小屋が必要だったとします。

素人が作った犬小屋をあてがうことで、愛犬に危険が及ぶとしたら?

プロがお宅訪問して、オーダーメイドで犬小屋を製作してあげるほうがお客様は喜ぶでしょう。もちろんワンちゃん自身も。

もし私が例に挙げた通りだとしたら、

ドリルを買いに来たはずの父親が本当に欲しかったのは、

  • 愛犬にとっての安全

  • 愛犬が寝床でのびのびしている姿

  • その様子を見て癒されている家族の笑顔

  • 愛犬と家族との仲睦まじい一体感

こんなところでしょう。ひと言でまとめると“感動”です。

冒頭のテーマに戻ると、このようなお客様の感動実現を支援できるのが、「欲しい」を届けるマーケットイン型人材の本領です。

そこに、愛はあるんか?

ちなみにホームセンターの店員さん。父親から「犬小屋を作るためのドリルが欲しい」と聞いて、

「これは工具先進国・ドイツのAB社の最新機種でして、なんちゃらという機能がついていて、さらにうんちゃらが使えるボタンが3つ付いていて、カバンにもすっぽり収まるサイズなんです」

という提案をしてしまったのなら、今度はプロダクトアウト=「オレの届けるもんはええじゃろが戦略」です。

「オレ」「わたし」が介在すると、話がもうわけの分からないことになります。

いつの間にか「犬小屋が欲しい」から「いかにドリルが優れているか」という話題に論点がすり替わってしまう。その瞬間、本当のニーズが見えなくなる。

だから、「わたし」はいらない。

他者の“感動”を掘り当てているそのとき、「わたし」はいない。

誤解いただきたくないのですが、「わたしがいない」とは仕事の責任を放棄することではなく「お客様のためを想って」の行動です。

「わたしがいない」ことで「あなた」が分かる。「欲しい」が分かる。

これが価値を創るために立つ最初の入口です。

まとめ

「わたし」がいることで価値を創る邪魔をしてしまう。

歯がゆいジレンマですよね。

もちろん0か100かの話ではなくて、実際は「わたし」が必要とされる場面もあります。

完全に「あなた」しか見ていなかったとしたら、それはそれでロボットみたいに感情のない御用聞きになってしまいますから。

大事なのは2つのあり方のバランスというか、両方を一歩引いて使い分けられるメタ認知能力というか。

肝に銘じておかなければいけないのは、ことビジネスにおいては、主役は誰なのか? ということです。

ここまでお読みになったあなたなら分かりますよね?

「価値の創り方」編は続きます。

今日はこの辺で筆を止めておきます。


<関連リンクリスト>
最初に読むのはこの記事「価値という言葉を言語化できる?」
価値創造マガジン『付加価値の魔導書』
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