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夏が近づけば積乱雲が沸き立つ

気温の高さに鹿田の夏妄想も沸々と音を立てて湧き上がってくる。多分鹿田の心の深層ではもう季節を夏と認識しているのであろう。

となればこっちのもんだ!ナイス深層心理、無意識!

今日の鹿田はそれでとても浮かれている。

普段から浮かれているのでなお浮かれるとなると最早、大気圏を突破する可能性があり鹿田はいそいそと宇宙服の制作に取り掛かる。え?自分で作れるのかって?そりゃ鹿田の妄想力を舐めてもらっちゃ困るってもんだ。今はもう太陽のてっぺんに座ってときとき沸き立つフレアの頭をかわいいかわいいと撫でているところだよ。

鹿田です、よろしくね。

ほら空を見上げてごらん、ちゃんと地球に戻ってきているよ太陽が天辺にある。眩しさに顔を反らしちゃいけない。振り向けば夏の陰湿な黒い影がいつでも君を喰らおうと虎視眈々と見つめている。自分の影だからと安心していていてはいけないよ。気を抜けば影と入れ替わっているなんてよくある話なんだ。しかし誰もそれを証明することはできないからね。

あの人もその人も、もしかしたらもう去年の夏に影に食われてしまった陰人かもしれない。そして君自身もね。果たしていつから君は自分を自分と認識しているだろう。え?過去の記憶をしっかり持つのだから私は永続的に私だった証明になるだろう?果たしてそうかね、記憶なんて誤作動を起こしやすいものだし、ましてや結局今の、今現在の記憶だって誰かにすり替えられたものかもしれない。君は昨日生まれたばかりの高度技術によって作られたロボットかもしれないよ?

時々景色に違和感を感じることはないかい。いつもと違う道を歩いた時の不安感。その原因は果たして新しいものへの不明感による不安だろうか。もともとある程度の作られた道があって、それを逸れたことにより発動する、植え付けられたアラーム機能ではないだろうか。決してその不安感を感じたとき後ろを振り向いたりなんかしちゃいけないよ。不測の行為により世界の情報処理が追いつかず、それこそ夏の影なんてものより真っ黒な真の無がひょっこり顔を出してしまうかもしれないからね。そして全てを知ってしまった時、人は真陰人になってしまうからね。

もう1度いうよ、あの人もその人も。普通に話をしたり日々過ごしているけれど、果たして心はあるのかな。表情豊かなその顔の皮膚を1枚めくったら果たして、そこにあるのは骨だろうか肉だろうか。

もしかしたら精密な機械かもしれないし、何なら空っぽかもしれない。

知ってしまったね、にやり、パスンッ。


それは簡易なおもちゃやまたは風船の様に簡単に壊れてしまったり消えてしまったりするものかも知れない。もしかしたら自分自身だって。

もう1度聞こう。君はいつから君だったか。


こんな事が夏の間僕の脳内ではあの積乱雲のようにもくもくと湧いて冷めることがない。そんなどっかでしまった脳も貴重だと自身は結構肯定してしまっているから永遠にこうなんだろう。不純物はいらない。人生ゲームを続ければ続けるだけで自然に手に入る数多のものになんの価値もない。だったらあの山の天辺に見える白い建物の正体を明かしに冒険に出かけたいし、それは精神的な意味でも冒険はし続けたい。そしたらいつか、夏の果て地に辿り着けるだろう。

そこには果たしてどんな世界が待っているのだろうか。内田新哉さんの描くあの夏の世界だったらなんて素敵だろう。

夏妄想は終わらない。

妄想が終わらないものほど素敵なものなんてない。

それが人生の核だろ


僕は結構人間関係に恵まれている。出会う人出会う人素敵な人ばかりで、そしてそこには共通点があった。みんな何かしら(それが傍からみて間違っていようが)核がある。大切なものをもっていてそして知っている。僕にはそんなものが全く無かったから大人になってもアイディンティティの確立に悩まされた。

でもそれはちゃんと隣りにあったのだ。抑圧していただけで。

正直に行ってしまえば僕はこども〜成人なりたての頃までずっと「冬」が好きと宣っていた。冬が好きっていう方がかっこいい。それだけでだ。でもいつもいつも冬が好きと言っているから自身も冬が好きなのだと思いこんでしまう。

だからほんとは夏が好きなんだ、と自分で理解したときはまるで天啓のように世界が明るく見えたね。雲の割れ目から天使の梯子が降りてきて、神様が降りてきて「正解!」といってまた天国に戻っていった。そんで今に至る。気づき方まで馬鹿だろ?でもそれが夏バカに昇進したのだ!

すごいだろ?


そこに気づいてまもなくぼくは「銀河と四季の道標」というブログを始めた。そして今の今まで延々と詩を書き続けてきた。

書き飽きないね!


そして段々と自分というものを知っていく。本を読むのが好きというのはこどもの頃から知っていたが、書くのも好きだった。アウトプットしたい、知識で遊びたい。または文章でその本で読んだことを完全消化する心地よさというか。妄想好きにも大いにに繫がる所があるね。

あー気持ちよかった。

満足したのでこれにて終わる!


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