見出し画像

抗えど栞は油染み

どうも、鹿田ですよろしくね。
今のところ調子のいいスペースキーであるので、機嫌を損なう前に捌いてしまおうという魂胆見え見えの焦った記事である。”変換”という要の仕事を担っているはずのスペースキーが最近、すぐへそを曲げてしまう困ったちゃんになってしまったのである。今とて気を許すことはできず黒ひげ危機一発でもやっているような気持ちで変換を試みている。ああ、ヒヤヒヤするのは気温だけにしてくれ。
今日は休肝日であるが、サクラナイツの試合日なので特別に飲むこととする。

カプス、ではみなさま、乾杯!
頑張れサクラナイツ、桜援してるよ!

しかし今日はまた一段と寒い1日となった。屋内業務が多かったとはいえ、多かったということは裏返したならばその屋内連続体の隙間に、屋外車外に出ずを得ないときもあり、その寒暖差は襟もない鹿田の服の襟を立てさせ、運動嫌いな鹿田を走らせたほどである。

食事もおでんや生姜のスープ、ラーメンなどついつい暖を取れそうなものを優先的に選んでしまう始末、自ずと野菜の摂取量は減り、また油を含むごてごて系にどうしても目が言ってしまう。
てなわけで、やはり秋~◯は何1つよいことがない。

いまとて厚手のパジャマをまとい、その上から腹巻きに半纏と完全装備で夜の冷えと対峙し、カーテンや障子など開けようものならその階層の破れた壁面から容赦なく冷たき夜気は侵入してくる。おちおち月と話すこともままならない。

上空の寒気によって澄んだ夜空、そこに住む月は、それはたいそう美しい輝きを見せるが、美しさなど食えんし、もちろん温まることもできない。

寒さにますます重症化する鹿田はまた徐々に本を読み始めている。この間の本は最悪だったので忘れたが、その後処方箋的に読んだ鈴木宏昭著『私たちはどう学んでいるか』はまだ序章で止まっているが面白く、また長期スパンで併読している伊坂幸太郎著『マリアビートル』は後半戦で、果たしてラストに向けてそれぞれに、どのように絡んでいくのか今からわくわくが止まない。(寒い日はこんなわくわくする小説で心を暖めるに限る。こんな感じの小説でオススメあったら皆さん教えてください!)
マリアビートルは明日午前中空き時間があるので、その時間で読み切ってしまえそうである。従って早めにつなぎの本を見つけなくてはなるまい。今となれば本は何でも良いまである。とにかくのめり込み、いっときを忘れる効能さえ得られればいい。エアコンにまみれたホコリ臭い部屋の感想具合は砂漠並みにできるが、エアコンの熱さはやはり夏の熱さとは違うし、虫も鳴かない。

話は全く変わるけれど、海に行きそびれた話をする。
先日は休日でフリーディだったのでまた気ままな惰眠が捗るなとよだれを垂らしては緩慢な笑みをいっとき湛えたのだが、所長がいわきにいくというのでついていくことにした。ことの発端は所長のプライベートである。

例の群馬市桐生市在住の所長の母と妹、それから娘さんと孫と所長は先日いわきにいき、いちご狩りやアクアマリンふくしま、それから食事を楽しんだのだが、その食事に立ち寄った店で、過払いに気づかず帰宅してしまったのだという。
それでその後気づいて確認をとり、再びいわきに行かなくてはならぬ、というので鹿田はしめしめ人の運転で海を見にいけると「行きます、行きます」と二つ返事で金魚のフンへと変身したのである。

日曜とはいえいわきに向かう49号線は空いており、9時半頃郡山を出発し、10時半には目的の店についた。駐車場に止めると所長ひとりでその店に出向き過払い分を返金してもらってきた。気持ちのいいい店主で、もうしわけなかったとこんなものを頂いたと、手渡されたビニール袋を開けば冷凍された烏賊が何杯も並んで固まっていた。

して第一の目的を果たした我々は、では昼ごはんを食べて帰るかということになった。今日はラーメンが食べたいという所長であったので”いわき””ラーメン”でぐぐると『チーナン食堂』なる店がヒットした。して目的地を検索してみると目と鼻の先である。しかしいわきで1位を誇るラーメン屋と合ってはさぞ混むことだろうと我々の意見は一致し、早めに当店舗の駐車場に向かうこととした。
幸い駐車場は空いており、無事駐車後は、今度は鹿田が店舗の偵察に向かうこととなった。ネットの写真と照らし合わせるとどうやら駐車場に併設された建物がそうらしい、こちらからは壁しか見えないが、多分反対側に入り口があるのだろうと少し歩いて見に行ってみると、立ち入り禁止のロープが張られた白き巨塔が立ちすくしており、果て、場所を間違えたかととりあえずその報告を所長に伝えようと車に戻ると、その駐車した車の奥に見覚えのある暖簾があった。

そう、駐車場のすぐとなりに、『チーナン食堂』は存在していたのである。報告前にそれを見つけた鹿田は見事に笑い崩れ、また言葉を失い震えながら指を指し示した。

ネットで調べると11時開店と書かれていたが暖簾がすでに掲げられており、再び偵察に鹿田が出向き、コンコンとノックし入口の扉を開くとすでに店内は賑わっていた。そして心優しき店主がどうぞと声掛けをしてくださり、我々はその新境地の奥地へと誘われたのである。

して食したのはXの通り、僕は日頃ラーメン都市と言われる郡山市で過ごしているが、(田舎の実家から通勤中だが、ほとんど郡山にいるので)それを含めても5本の指に入るほどの、濃厚でいて野菜も香ばしい味噌ラーメンであった。あと10kmでもいいから郡山から近かったのなら、週に2度は通いたい!そう思えるほどである。
野菜炒めもまた濃厚であり、高火力の鉄板で焼かれたであろう焦げも旨さを倍増させ、僕は大盛りのラーメンを食べながらそれも食した。(この香ばしさの正体は一体何か!?)と口内に含みながらさながら料理漫画の主人公のように奥にきらめく香ばしさの正体をたどれば、それは濃厚のバターであり、(バターで炒めた野菜炒めは僕としてはかなり珍しい)なるほど!と目を見開いては三度頬張り、しかしその濃ゆさにときに心が折れそうになりながらも完食したことは今でもいい思い出である。
あのあと一切濃ゆいものに食指が動くことがなくなった、まさに満足できる野菜炒めであった。

その後パツパツに膨れた腹を抱え鹿田は帰路助手席で優雅に過ごし、またこの膨満感を縮小させるには別腹に頼るしかないと無謀にもケーキ屋のアイス(しかも2色)を食し(うまい)の直後(後悔先に立たず)と公開し、体を動かすこともやっととなって帰路についたのだが、途中記憶のないところがあるのは、ま、そういうことである。

そんなわけで今日から日常に戻り、鹿田といえば昨日の昼食を思い出すたびにニヤけ、そして胸焼けするというちょうどいいストッパー的ルーティンができたので、その反動でこの先ダイエットを頑張れそうである。季節に抗うなど到底な無理な話である、可能なのは選択のみである。
さてあなたはどれを選択し、何に抗うのか。

しかし本当に美味かった。みなさんいわきに行った際はぜひ立ち寄ってみてください。食べて損はしない。して満腹に囚われた鹿田は海を見てどうする、海は入らければ意味がないという一方的で偏屈で退屈な所長の思想に立ち向かえず、仕方なしと、目的であった海も見ず、強制的に帰路についたのである。油の海は満腹の幻に見たが。

では、またね。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?