堀高士

陸上競技短距離コーチ、ボブスレー選手

堀高士

陸上競技短距離コーチ、ボブスレー選手

最近の記事

新入部員かけっこ教室

10人くらい1年生が入部したとつい2日前に聞き、そのうち半分が陸上初心者らしいと判明して腹をくくった。 今日の練習は総体に出場する先輩たちをスルーして、新入部員に力を注ごう。 細かい説明は全部省いて(いつも大ざっぱだが)、大きく歩幅を広げて走ってみよう、次は歩幅を小さくしてみようとか、だいたいこんなもんだろうな感じで走ってもらう。 あとはスキップ、立ち幅跳び、懸垂で終わり。 毎年毎年、張り切り過ぎてシンスプリントや腰痛やさらには疲労骨折や、そんな1年生が出てくるので、

    • 最後にエネルギー切れ

      1年生のみが出場する今日の大会、スタート時刻の3時間以上前から競技場に行き、まずはジムで自分のトレーニングをすませた。 この朝トレが後からボディブローのように効いてくる… 今回はマネージャーが不在なので久しぶりに自ら動画撮影をしたけどやっぱり腕が落ちてるなあ。納得いく撮影ができなかった。そんなことより選手の走りをしっかり見ろよって話だが。 自己ベストを更新する選手もいて上出来といったところだけど、まだ1年生の4月、先は「とても」長い。ケガには気をつけて慎重にいきたい。

      • シーズン開幕戦

        迂闊だった…。 競技場横を流れる山崎川沿いの桜並木が満開で、花見客でいっぱいになるのを忘れていた。そして駐車場が整備中で例年に比べてスペースが狭くなってることも。 夏でも冬でも関係なく週に4日はトレーニングに行っているので、瑞穂競技場に行くことが日常的になりすぎて、桜咲くこの季節が非日常になることを考えてもいなかった。 朝9時頃にのんきに到着してみたらすでに満車で駐める場所がない。大慌てで少し離れた体育館横の駐車場へ直行して残り3台分となったスペースに滑り込んで事なきを

        • 星を継ぐもの

          月面で発見された宇宙服を着た死体、調べてみたら5万年前の人間(らしき生物)だった!5万年前にどうやって月へ行ったのか?いったい彼は誰なんだ? 15年くらい前にこの本のあらすじを読んで猛烈に読みたくなった。月に放置された5万年前の死体の謎を知りたい。だけど…外国文学の翻訳が苦手、SF小説を読んだことがない、本を開いてどのページを見てもびっしりと細かい字で埋まっている。読み切る自信がなくて買うのを断念した。 それから柴田元幸や村上春樹といった、丁寧で読みやすい翻訳をする作品を

        新入部員かけっこ教室

          他人のベンチプレスを笑わなくていい

          いつも行くジムに僕より少し年上に見える、50代後半くらいのおじさんがいて(そういう人はたくさんいるのだが)、1人で来て誰とも喋らず高重量のベンチプレスだけをやって帰っていく。 それだけなら珍しくないのだけど、やや異質で目立つのはその独特なフォームにある。130kgのバーベルを持って胸まで下ろすことなく、わずか2cmくらい肘を曲げる動作を5回くらい繰り返して終了。これを何セットもやっている。要するにまったく「ベンチプレス」とは呼べないフォームなのだ。 今日も肘の曲げ伸ばしを

          他人のベンチプレスを笑わなくていい

          聴く本で爆睡

          今月初めに白内障の手術をして、しばらくはテレビやパソコンや読書など目に負担をかけることは控えるように言われていた。3日ほど会社を休むことにしたけど、困ったのが「何もすることがない」こと。スマホも映画も本もダメだし、運動も控えめでちょっとストレッチをする程度。 そこで時間を潰すのに「聴く本」ことaudibleを試してみることにした。1ヶ月無料だし、どうせ暇だし、本を聴くのは人生初めてのこと。 聴き放題で急に欲が出てきていきなり宮部みゆきの長編「火車」をダウンロード。朗読時間

          聴く本で爆睡

          泥沼のオーディオの世界

          「車のパーツ」とか「釣りの道具」とか、興味のない人には何が楽しいのかさっぱりわからない世界というのがあって、「オーディオの世界」は金持ちおじさんの道楽のイメージも強くてさらに敷居が高くて闇が深い。 スピーカーで500万円とか、アンプとスピーカーを繋ぐ接続ケーブルだけで1万円超えるとか、オーディオ専用の電源を確保したい一心で家の前に電柱建てちゃう猛者がいるとか、中古レコード収集とセットになってズブズブの底なし沼にはまる人もいる。ただ、金がないことには沼に近寄ることもできないの

          泥沼のオーディオの世界

          部活前トレーニング

          部活が始まる時間よりも早めに学校に行って先にウェイトを済ませておくことにした。部活後だと疲れてなかなかやる気も起きないけど、朝イチなら大丈夫。 瑞穂競技場のジムが休場中で2週間ほど使えないので、今日は必ず学校でトレーニングしてやろうと決めていたのだ。ラックがぐらついたりプレートが不揃いだったりと用具備品が整っているとは言い難いけど、必要な重りがあればウェイトはできる。 古い木造アパートに住んでいた若かりし頃、今よりずっと高額だったスポーツクラブに行くお金を節約するために安

          部活前トレーニング

          好きな練習しかしない

          効率よく前さばきで脚を動かそう!反発を貰おう!みたいな練習は、オレはもうやらなくていいや。高校生は普段からやってるし、新入生はそれぞれの中学でやってそうだし。 ということで、これからは思い切りダイナミックに力を出すことに特化しようと思い定め、今日は立ち幅跳びと立ち三段跳び。 数年前までは高校生には負けないぞという気概で跳んでたけど、今は無事にケガなく砂場に着地することが唯一最大の目標。 たったこれだけのために1週間前から体の準備をしてきたのだ…。その甲斐あってか腰も膝も

          好きな練習しかしない

          身の丈を無視した運動

          1時間半のトレーニング(ウェイトとランニング)を2日続けてオフが1日。だいたいこのペースを守っているけど、2月になってから強度を上げて2時間に量を増やした。 これだけでもなかなかハードだけど、明日から施設が改修のため2週間の休みになるので、よせばいいのに「トレーニング溜め」をしようとさらに頑張った。3日ON、1日OFF、そして4日連続ON。その4日目の今日、さすがに体が重い。加えて頭も重い。明らかに回復していない。 それでも明日から2週間休みだと思うとやらずにはいられない

          身の丈を無視した運動

          いつもと違う坂道

          今日の練習は学校近くの平和公園ではなく、八事にある興正寺に来た。 神社仏閣にはまったく詳しくないけど、正門をくぐって正面にそびえ立つ五重の塔とその前に鎮座する大仏に圧倒される。案内板を見ると境内は広く、八事山に建っているので坂道と階段ばかり。 もちろんその坂道を走りに来たのだ。 かなりの急勾配でほとんど登山。スピードよりもパワーで押し切る練習もたまにはいい刺激になる。せっかく来たのに見ているだけではもったいないと思って3本走ってギブアップ。 緩やかな300mくらいの坂

          いつもと違う坂道

          こんな本を衝動買い

          タイトルと表紙の写真がなかなかのエグさだけど、作品選びと文章はしっかりと地に足がついていた。 アカデミー賞を獲ったメジャーなものからマニアックな作品まで、ジャンルもホラー、戦争、社会派サスペンスと満遍なく紹介されている。つい夢中になって一気に全部を読んだらかなりきつかった…。 個人的なおすすめとしては名作の誉れ高い2作。 「セブン」1995年。 館内が明るくなってもしばらく席から立ち上がれないほどの衝撃だった。帰るお客さんもみんな黙り込んだままの打ちのめされようで、これ

          こんな本を衝動買い

          自転車の乗り方を教える

          たとえば並べたミニハードルを器用な足さばきで走り抜けることはできるけど立ち幅跳びはまったく跳べないとか、いろいろなスプリントドリルはできるけど後ろ向きで走らせた途端バランスを崩すとか。 小さくまとまった小器用な選手にはなってほしくないとここ数年は切実に思うようになってきて、高校生からでは時すでに遅しかもしれないけど、少しくらい雑でもいいからダイナミックに大きく力を出せるような練習メニューを考えている。 自転車に乗れない子供にいきなりプロ仕様のロードレーサーやマウンテンバイ

          自転車の乗り方を教える

          1軍昇格

          そんなつもりはまったくなかったのに、いつの間にか「On」のコレクターみたいになっている…。色は違うけどほとんど同じ種類のシューズばかり。何が気に入ってるかというと、「ゴムひも」だから。 いちいち緩めたり結ばなくてもいい。スリッパやサンダルのようにそのまま履いたり脱いだりできる。なおかつジョギングくらいならできる程度のフィット感もある。 ちょっとお高めだけど、要するに「金で楽することを買った」。 こういうズボラな人間が一度楽を覚えるともうダメだ。普通のスニーカーには目もく

          余白のある選手

          年も明けて2024年になり、冬季練習も本格的になってきた。 顧問の先生と自分の2人で短距離を見ていた頃とは違い、今は現役選手でもあるコーチが専任で指導しているので、僕は一歩(正確に言うと十歩くらい)引いたところから練習を見ている。要するにずいぶんお気楽になったのだ。 いい加減、無責任になったと言われると否定できないところもあるけど、短距離全体を俯瞰して見るようになったことで以前とは考え方も変化してきた。適切な表現が見つからないけど、強いて言うなら「選手には余白をたくさん残

          余白のある選手

          1000枚→200枚

          年末年始の4日間、外せない用事の時以外はずっと家に引きこもって、ひたすらCDの整理をしていた。 愛好家、収集家は何千、何万と持っている人もザラなので、1000枚はたいした枚数ではない。それでも時間と日にちがかかったのは、ほとんどのCDがケースに収納されていなかったから。 車や職場で聴くのにケースで1枚1枚持っていては、かさばって仕方がない。一度に30枚くらい入るソフトケースを100個近く持っていて、それにCDを入れていた。これを全て元のケースに戻す作業が途方に暮れるほどき

          1000枚→200枚