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わたしのバリアを作るためのコーヒーショップ

バリアといっても、わたしはパーフェクトな魔法使いじゃないから、そんなに都合よく立派ものは作れないけど。

母の家へ訪れる時は、道中のコーヒーショップに必ず立ち寄る。

どこにでもある、チェーンのお店。

けれど、他の店舗とは趣きが異なる。

古い民家を改造したらしく、天井が高くてテーブルも大きい。
木の柱の色のチョコレートブラウンを基調としたインテリアもわたし好み。

通路にも客席の間にも余裕があって、満席でも人の話し声が気にならない。
空席を待つ人が並ぶような立地でもないので、気兼ねなく過ごしていられる。

テーブルは狭い、お店も狭苦しい、そのうえ混雑でざわつきが気になったら、いくらコーヒーが美味しくたって落ち着かないのよ。

区画の幅にゆとりのある駐車場も嬉しい。わたし的に車を止めやすいのはポイントが高い。

色々と快適すぎて、HSPのわたしでも居心地抜群。
だからこのショップが大好きで、何度でも通ってしまう。



繰り返しだけど、母の家に行かねばならない時は、このコーヒーショップに必ず立ち寄る。

人を不快にする嫌な言葉や発言を安易に口走る母と同じ空間にいても、できる限り心穏やかに平穏に過ごすべく、わたしのメンタルを調整するために。


自分に合った居心地の良い空間で自分時間をきちんと取る。
そうして、「 わたしはあの人に時間を費やすためだけに生きているのではない 」と確認して安堵を得る。

これを書いている今もそう。

本当は、この文章より、Netflixで配信されている『 シティーハンター 』の感想を書きたい。
浅ましい人の毒気のことなんかより、鈴木亮平さんの素晴らしさを語りたい。



『 毒親 』という文字を見て、よく思う。


わたしは間違いなく毒親、特に根性が浅ましい母の毒を浴びて育ってきた。

それには違いないけれど、自分の肩書きに『 毒親育ち 』とも書きたくはない。
親の毒気を肩書きにするなんて、逆にいつまでたってもそれを断ち切れない気になるから。

解毒のために一度や二度、あるいはちょいちょいと毒親のことをどうしても書いてしまうのかもしれない。
この文章にみたいに。
ただ、あまりに毒だ毒だと書き続けたら、それがまた新たな毒を生み、自分が残念な育ちなのだといつまでも暗示にかけられてしまう気がしているから。


それに、このnote界のわたしのこの小部屋は、できるだけ残念なものを置きたくはない。
本当に書きたいことだけを置いておきたい。


身の回りのことを文章にしていたら、こうしてどうしても書かないと進めない時もある。

そういうものから一切解き放たれて気にとめなくなるのが、本当にしあわせな状態。


わたしは、今よりもっと幸せになるために生きているし、書くのがたのしいことだけを書いていたい。




そこに至るために、今は残念なことも時には書かざるを得ないのだ。

書いて自分の心を救って立ち上がれることがある。
今がまさにそれに当たる。





ところで、亮平さんのことは追って好きに書くとし、このコーヒーショップに通い始めて嬉しいことがある。

それは、常連さんになれたこと。

店員さんの皆様がわたしを覚えてくださった。
頻度として月に多くても二回しか訪れないのに。

たぶん、きっかけは「 お冷やは飲まないので結構です 」とある時にお伝えしたこと。

それ以降、「 本日もお冷やはよろしいですか? 」と笑顔で確認してくださるようになった。


お金を払って飲んでいるとはいえ、お金を払えば提供してくれるこの空間があるのはありがたい。
母からのバリアを抜きにしても、自分が持っていないけど必要とするものを提供していただけるのは感謝に値する。

だからわたしも、このお店に限ったことじゃないけど、コーヒーが運ばれてきた時やお会計では、丁寧な対応をしている。
それもたぶん、覚えてもらえたポイントだと思う。


「 ごゆっくりどうぞ 」と言っていただくたびに、ああ、一日中ここにいたいっす……ここで何か書いていたいっす……でも行かなくちゃなんです、と心でそっと涙をぬぐう。


母の家の近くにあるお店なので、生きている母と縁が切れたら、ここに来なくなってしまうのだろうか。

いや、お墓参りの度に必ず来よう。

今は月に一度か二度。

それが一年に……盆暮れ、あとはお彼岸か。

それでも忘れないでいてもらえるだろうか。

いや、まあ忘れられてもいい。

わたしがこのお店を大好きなので、その頃には心ゆくまでゆっくり過ごさせていただこう。


さて、じゃあ、人生を変えるために、若い頃から整理整頓ができず物が溜まりすぎて乱雑極まりない母の家の片付けをしてこよう。


人に平気で不要品の片付けさせるようなあさましい人間にわたしはなるまいと心に誓いながら。



こんな文章を最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとう。
近い未来、人の心を良い方に擽る文字書きになります。


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