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エネルギー伝達の機能を持つ骨盤に影響を与える仙腸関節とは?

はじめに

「仙腸関節はすごく大切です!」

「仙腸関節にアプローチします!!」

などの"仙腸関節,,というワードは
非常によく聞かれるかと思います。

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しかし、仙腸関節に対して介入することで
何が良いのだろうかと
疑問に浮かぶ方も多いかと思います。

今回は仙腸関節の機能と身体に及ぼす
影響を解説させていただきます。

仙腸関節が存在する骨盤の力学的機能

仙腸関節について
お伝えさせていただく中で
この関節が存在する、

骨盤という大きな部位について
お話させていただきます。

骨盤は
仙骨+寛骨(腸骨+恥骨)によって
構成されています。

プレゼンテーション6

骨盤が持つ主な力学的機能は
体幹・下肢間を行き来するエネルギー
をより円滑に移すことです。

体幹から下肢のエネルギーは
体重により床に伝わる(作用)
ものが挙げられます。

下肢からのエネルギーは体重により
着地した時の体幹に戻るエネルギー(反作用)
が挙げられます。

着地したエネルギーは一般的に
足関節・膝関節・股関節を通って
脊柱の彎曲機能にで吸収されます。

プレゼンテーション2


しかし
骨盤のような大きな構造を通過するときに
エネルギーは分散してしまいやすくなります。

少しでもエネルギーの伝達効率を高めるため、
骨盤では骨盤輪という形状がなされています。

骨盤輪とは
仙骨、恥骨、座骨によって形成される
輪状の形をしたもの
です。

SD療法資料

引用:カパンディ関節の生理学 Ⅲ体幹・脊柱


また輪の形状は丸ではなく
尾側の方か大きく、頭側のほうが小さい
三角形に似た形をしています。

そのため下肢から受けたエネルギーは
骨盤輪を伝って三角形の頂点である
脊柱へ正確に流すことができます。

この骨盤輪の機能の要となるのが仙骨です。

そのため仙腸関節の動きは
エネルギーの伝達効率に
大きく影響を与えます

仙腸関節を構成する骨

仙腸関節がエネルギー伝達効率に
影響を与える存在だと認識していただいたため、
仙腸関節の構成についてお話させていただきます。

仙腸関節は
名前の通り仙骨と腸骨が接する場所で
作り出された関節
です。

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仙骨に対して左右の腸骨が接触しているため
仙腸関節は2か所存在ています。

仙腸関節の関節運動


個の関節の形状は、
成人では半関節と呼ばれており
可動性は非常に小さいです。

関節運動は左右の腸骨に対して
仙骨がどのように動いたか表現されており

・腸骨に対して仙骨が前傾することを
 うなずき運動
・腸骨に対して仙骨が後傾することを
 起き上がり運動
と述べられています。

プレゼンテーション1


仙腸関節が骨盤機能に与える影響

仙腸関節は
うなずき運動(仙骨の前傾)
起き上がり運動(仙骨の後傾)
の運動をおこします。

頷き運動の時は仙腸関節が
締め付けられるポジションとなり
起き上がり運動の時は
緩まるポジションとなります。

SD療法資料5

引用:カパンディ関節の生理学 Ⅲ体幹・脊柱

骨盤でのエネルギーの伝達効率として
緩い状態と硬い状態ではどちらが
エネルギーを正確に伝えるでしょうか?

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正解は
硬い状態のほうが
途中で途切れることなく正確に伝えてくれます。

イメージがつきやすい
画像を見ていただこうかと思います。

SD療法資料④

ピコピコハンマーと
大工用のハンマーです。

このハンマーで叩いたときに
より効率的に叩いた物体を
変形させるのはどちらでしょう?

大工用のハンマーが
効率的なのは
理解しやすいかとおもいます。

理由として
ピコピコハンマーでは柔らかく
ハンマー自体が変形してしまい
エネルギーが吸収されるため、

叩いた物体まで十分に
伝わらないからです。

よって
うなずき運動で仙腸関節を締め付けることで
伝達効率を高めています。

さらに
人が運動するとき人の骨盤は、
仙骨のうなずき運動が強まる傾向にあります。

無題

引用:カパンディ関節の生理学 Ⅲ体幹・脊柱

仙骨をしっかり前傾させ
エネルギー効率を高めることで、

股関節や膝関節に余分な刺激を少なくし
故障のない安全な体を作ることができます。

仙骨前傾を促すエクササイズ


骨盤の前傾を作り故障のない
安全な体を作るエクササイズをお伝えします

ベーシック体操 基礎編

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①椅子に浅く腰掛ける
②開始姿勢
 膝関節伸展位、股関節屈曲30°、足関節軽度背屈位
③動作
 股関節屈曲を意識しながら足に向かって手を伸ばす
 ストレッチ時は息を吐きながら
④回数
 伸張して3秒を5回

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まとめ

仙腸関節はとても大切な役割を担っており、
機能が低下するだけでエネルギー伝達が
阻害され身体に負担をかける原因となります。

仙腸関節という存在とその意義を
認識しながら関わることで、
より効果的な結果が生まれやすくなります。

その効果を
効率よく出現されることができるのが
徒手療法です。

私が実施している定期的なセミナーでは
概念を理解していただきながら
徒手療法を学んでいただき

臨床で使える技術を
獲得していただく事を目的としています。

興味がありましたら
ぜひご参加ください!

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