人を育てるということ

素直になるということ

最近、新人を部下に持った友達の相談を受けることが多くなりました。
一応地方の気象台勤務時には、私は新人教育担当のお局様でしたから(^-^;
最近の若い人は(あー私もおばさんか💦)、プライベートを大事にするからか、転職組でも自分からスキルを磨こうという意欲が薄いのか、仕事上の常識というか良識というか、あまり持っていない人が少なくないと感じてしまいます。そして、不足している分を埋めるために努力するということが少ない。私が古いのかなあ。自分はこれで大丈夫と思っていて、アドバイスは大きなお世話になったり気分害したり。逆に自分はダメだと必要以上に落ち込んでそのまま浮上しなかったり。
けれど、何がいけないのか、どう直せばいいのかが分からない人もいるので、そういう人にはちゃんと順序立てて教えてあげる必要があります。
見守ってあげながらやらせてみて、ところどころでアドバイスする。勿論、褒めてあげるところを褒めながら。

子供の頃から、トライ&エラーの繰り返しをしてこなかった人が多くなっているるように感じます。「考え」てやるという経験が乏しくなってしまっているのですね。だから、今やネットにはいろんな情報が溢れているのに、自分で調べて学習するということができない。


間違えることを許さない社会の副産物でもありますね💧でもやってる子はちゃんとできている。周りにどんな人がいるかによるのでしょうが、恵まれた環境にいるにも関わらず、素直に質問したりやってみたりすることができない人は勿体ないです。素直さが大事です。自分を意固地に守らず素直になって欲しいです。


私はもう正社員ではないので口を出すことはできませんが、でも、このままどこかで勿体ない思いをしたり、なぜダメだったのかを教えてもらえることなく独りよがりで成長できないとしたら、その人の人生が勿体無いことになってしまうと思うと、ついなんとかやんわりと言いたくなってしまったりします。
新採じゃあるまいし育てる余裕も必要もない、自分のスキルを生かしに来たんだ、とお互いが思ってしまうと、いいチームワークがまわらなくなってしまうことも多いので、自分から学ぶ姿勢を持ち続けて欲しいと思います。学ぶのは専門性だけではなく、仕事への姿勢やビジネスマナーも。

人生の先輩は、後輩を育てる義務があるという気持ちでいる必要もありますね。言葉遣いにも気をつける必要がありますが。

気象庁の地方の現場で私は育ててもらったので、後進を育てることがご恩返しになるという伝統を受け継いできました。
当時は職人に近かったです。
がむしゃらに覚えようと真似をしたり手伝ったり、仕事のあとも勉強やふりかえりなど頑張っていました。日勤の後も夜勤者の仕事を観察したり、データとにかくまとめてむたりとか。
そういう姿を見ていてくれる上司や先輩もちゃんといて、いろいろ教えてくれました。
叱ってもくれたし、仕事に対する姿も見せてくれました。
休日に1人で初めて週間予報を出すときには、研究発表のための作業をしに来たついでと言って、様子を見に来てくれたこともありました。
クレーマー対応で疲れ切った時には、飲みに連れて行ってくれました。
女のくせにというパワハラやセクハラも、女だからかまってもらっているんだという嫉妬や嫌がらせも超たくさんありました。
けれど、若い時にちゃんと育ててくれる人たちに恵まれたことは、私の一生の宝です。
だから、それまでがどんなに悲惨であっても、それからがどんなに大変なことがおこっても、乗り切る気持ちや乗り切れる力や、そうあれるよう育てる力が得られたのだと思っています。
当時は自分のことだけでいっぱいいっぱいで、ちゃんとお礼を言えなかったけれど、そして今もそういう機会が持てずにいるのだけれど、していただけたことをつなげていくことが、唯一のご恩返しになると思っています。

だから私も後輩を育てることが義務であり責任でもあり、この子がこの後どこへ転勤しても、他の機関とやりとりするようになっても、恥ずかしくないように育てるという、役目を果たしてきました。
本当に口うるさいお局様だったと思います。
それでも、若い女の子が相談しづらい雰囲気が出ていたときもあって、ものすごく反省をしたこともありました。
男職場だからなめられないよう突っ走っていた若い頃、女性の先輩方から助けていただいたいたこと、だけど、生意気すぎたときや仕事に対して甘かったり失礼だったときには厳しく叱ってもらったことを思い出して、男職場だからこそ女の子が相談しやすいように、仕事しやすいように、あらねばと決意もしたのでした。女性だからといって我慢しなくてはいけないナンセンスなことを崩してくれた先輩を引き継いでいかなくちゃと。
約20年の気象庁生活。仕事としても、スキルとしても、人間としても、社会を見る目も、学び育ててもらった約20年です。

だから今でも、自分が努力することは惜しまないし、それが時代遅れと言われようともがむしゃらになるときはがむしゃらになる。大きなお世話でもいっぱい伝える。
時代遅れと言われようとも、必要な努力は必要だと思っています。必要な時には努力を求めます。出来る努力だとわかっているし、やれば出来るようになるということもわかっているからです。
そして、若い人や後輩を育てることが、私の仕事だとも思っています。

彼らができないことを代わりにやってあげたり、彼らの成果物をただ修正してあげたりでは、どう考えるのか、なぜ自分のものがダメだったのか、がわからないままなので、意識も変わらないし、
スキル的にも成長もできません。
仕事をするということの意識から身につけてもらわないといけないかもしれないし、自分目線から相手目線で考えることを覚えてもらわないといけないかもしれません。
それはこちらも同じこと。自分の感情を押し付けないように育てる。
難しいけれど、実は楽しかったりもするのです。だから、育ってもらえるように、私も学び続け努力し続けます。
楽しみながら。


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