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顔がないアートワークの意味

第6章 ぼくらの『ジャズ』視聴前レビュー


顔がないアートワークの意味


 先日発表された『ジャズ』のジャケットとアートワークは、民族的な衣装に身を包んだ志磨の、顔が消された肖像画だった。
マネキン(=ノーマリストの姿)がジャケットだった『平凡』からついに、顔がなくなってしまった。

このジャケットのコンセプトは ≪まもなく滅びんとする「人類」の肖像≫ らしいが、これは、均質化された新人類の姿でもあるのではないだろうか。
AIと共存し、ほぼAI化していく新人類の姿は、きっと数パターンの均質化された姿であり、思考をすることがなくなった新人類の脳ではおそらく『AIが描いた肖像画』のように、他者の顔を目で見分ける能力がなくっている。
もしかするとAI同様に、相手が誰であるかデータとして認識できるように進化し、旧人類のように人違いをすることもなくなっているかもしれない。

このジャケット、アートワークが「人類最後の姿」だとすれば、あの顔のない肖像は、ぼくらの民族・ドレスコーズの姿である。データがインプットされた顔がない仮面で、ジプシーであることを隠し、新人類を装ってぼくらは新時代を生きるのだ。


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