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幸せを失うのが怖すぎて、死にたくなる矛盾。

この世に生を受けて53年。間違いなく「今が一番幸せ」だと断言できる。

振り返れば、あのときもあのときも「幸せだった」ことは覚えているのだが、ここ最近「経験したことのない幸福」を味わい、私史上幸せランキングの1位が入れ替わった。

「多くの人が、この幸せを知っていたなんて」
初めて”それ”を実感したとき、私は嬉しさとともに悔しい感情が芽生えた。私が53歳まで知らなかった種類の幸せを、ほとんどの人は30代・40代のうちに経験していたなんて。

同じことを経験しても「幸せ」だと思えるかは個人の感覚による。あるいは複合的に怒りや哀しみとワンセットになっていたら、必ずしも幸せを感じられるとは限らない。

もったいつけてしまったが、ここらで種明かししよう。
私にとってのそれは「夫と子供のいる、賑やかな家庭」の風景だ。

気がつけば「人生のステージ」に出遅れていた

私くらいの年齢の熟女は、実にさまざまな人生のステージを生きている。

  • すでに子供が成人し、セカンドライフを設計中の熟女

  • 思春期の子供の将来を案じつつ、自身の老後も考え中な熟女

  • 生活の多くを、手のかかる児童の世話に注いでいる熟女

  • 早くも孫が産まれ、しみじみと老後へシフト中な熟女

もちろん既婚者ばかりではない。独身者にもいろいろだ。

  • 離婚後「結婚はもういいや」でおひとりさまライフを満喫している熟女

  • 離婚後「できたら再婚したい」と現役続行中な熟女

  • すでに夫と死別し、先の長い第二の人生を決めかねている熟女

  • 気がつけば未婚のまま半世紀が過ぎ、どうしたものかと迷ってる熟女

先に添えておくが、上記はそれぞれ「該当者の多い(と思われる)」順だ。
リサーチの母数がさほど多くないから確かではないが、およそ実数でも変わらないはずだ。まだ孫のいる人は少数派だし、いくら独身が多くなったとはいえ、大多数は離婚(もしくは死別)経験者であり、未婚は少ない。

私と同年代の多くは、すでに子育てを終えている。早くに子供を産んだ熟女の中には「おばあちゃん」になった(=孫のいる)人もいる。

20代くらいまでの私は、「生き急いでいる」と心配されるほど何事も周囲より早く経験していた。性格が短気なこともあり、考えるより身体が動いてしまい、しなくていい失敗を重ね、無駄に経験値ばかりが増えた。

だがレベル28で離婚して以来、進むべき道が見えなくなってしまった。

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