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プロニートに学ぶ人生の生き方

9歳離れた私の兄は20年ほどニートをやっていた。

兄は高校生の頃から不登校気味になりつつも、
卒業できるだけの単位は取り偏差値70の大学へと進んだ。

大学でもこれもまた卒業できるだけの単位を取り、
そのほかの時間はゲームと同人絵を描くという生活を送り
そして大学院へと進んだ。

大学院では物理の博士号を取り卒業。

そしてニート生活を開始した。

お風呂もろくに入らず、親から就職しろと
何回も言われたときは暴力を振るうようになる。

私も数度暴力に巻き込まれたことがある。

親はどうか彼に自立してほしいと願っていたはずだ。

しかし、私はそんな兄をある意味、尊敬の眼差しで見ていた。

「こんなに働けと言われているのに働かないなんてすごいな」


と・・・。

私はふとニートについて気になり
ネットや本などで調べたことがある。

蟻の中にもニートは存在するらしいのだ。
今まで働きアリだったものが、体を休めるために長期休暇に入ると
ニートだったアリが代わりに働き出すらしい。

なるほど、自然界にも普通に存在するのかと思ったら
なんだか面白くなった。

あるとき、そんな兄と父親が話していたときに
父が「お前は何を目標に生きてるんだ」と言った。

兄は

「死ぬために生きてる」


と言ったのだ。

きっと何かの引用かもしれない。

だが、私は感心してしまった。
それ以降、その言葉が私の生きる上での大きな指針となった。

そうだ、生物は皆いつか死ぬ。
だから別に働かなくても、お金を稼がなくても、
結婚しなくても、子供を産まなくても
学校に行って学ばなくても・・・なんでもいいのだ。

どうせ、死ぬのだから。

この世界は、たくさんの選択肢で溢れているように見えて
最終目標はただ一つ。

死ぬことだ。

だとしたら生物がやっていることは、
みな死ぬまでの暇つぶししか無いような気もしている。

どんな生き方をするのか、その人の勝手だろう。


その後、父親が定年退職をすると同時に、
兄は介護タクシーの会社を立ち上げた。
(蟻のパターンと同じだ)

これから絶対に無くならない仕事だ。

しかし、兄は月の半分ほどしか働かない。

なぜかと問うと

「お金は食べていけるだけあればいい」


とのことだ。

究極の真理だ。

頭のいい人ってのは、頭の中がシンプルな構造に
なってるのかもしれないなと思う。

さて、その中で、偏差値53の私は何を思うか。

「よく分からないけど、お金をたくさん稼いで、世界中を旅したい!」


以上。
ではまた!


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