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おはぎ、ばあちゃん、虚栄心

つい先日、仲の良かった祖母が亡くなったためお通夜やらお葬式やらをしていました。

生前、祖母が「私が死んだらおはぎお供えしてね」と僕が5歳の頃から26年間会うたびに口にしていたのですが、まさか突然その日が訪れるとは。

長年にわたる教育のお陰で僕の頭では「祖母=おはぎ」の等式が成り立っていたので、悩むことなく約束どおりおはぎをお供えしました。

供える前に式場の方から
「こちらのおはぎは手作りですか?」
と聞かれたとき、僕は何を思ったのか
「口福堂で買いました!!」
と正直に言わずに

「はい!手作りです!!」

と、胸を張って答えました。

和菓子屋で買ってきたと言うより手作りと伝えた方が優しいお孫さんだと思われるぞ!と、生命の無意識下での葛藤があったのでしょうか。
島村洋和という人間の卑しい虚栄心が垣間見得た瞬間でした。

コロナの関係でなかなか会いに行ける機会も減っていたのが少し悔やまれますが、コロナ禍で直葬になることも多い中、ちゃんと最後に立ち会えたのはよかったです。

考えるところや感じるところは多々ありましたが、しばらくの間はなによりも心の負荷が大きいであろう母親のサポートをしていきたいと思います。

あと、これから祖母のお墓参りをするときは毎回美味しいおはぎを持っていこうと思います。祖母は幼い頃は服をオーダーメイドでしか買わないくらいのお嬢様で、とても舌が肥えているので、コンビニのおはぎじゃなくて、ちゃんとした和菓子屋さんのおはぎをもっていきます。

そんでお供え後は僕が美味しくいただきます。
あと祖母直伝の美味しい唐揚げを今度作ろうと思いました。

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