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ゆめ

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見た夢について文章を書きます。
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記事一覧

金縛り

昨晩、金縛りにあった。結構疲れていたのだろうか。ライヴを終えて、帰宅して、深夜のことであった。布団に入ってからおそらく一時間ほど、気持ち良く眠れそうな頃合いになってきた頃、カタカタと部屋が揺れて、ア、地震だ、と思った。大きめの、ちょっと危ない感じがして、だが今思うとそれは夢だったのかもしれぬ。仰向け状態のまま全身が揺らされているような感覚に陥り、自分は意識の中で、早く逃げなければ、と焦るのだが、身

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のし定食

「とにかく腹が減ったので目についた定食屋に入る。ボロい店内では店主のおっさんが一人で切り盛りしていて、他にお客は3組ほど、なかなか繁盛している。メニューを見ると、当店のおすすめ「のし定食」とある。一体何やろかと思っていたら店主がやって来て、のし言うのはここいらの名物や、まあ言うたら魚のすりもん、ここ来る人は皆が皆のし頼みはるけどな、正直ここだけの話腹一杯にはならんで、と言う。隣のお客が食べている定

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ナナちゃん

「とある旅館での営業漫才を終えて、浴衣を着た自分は楽屋として用意された和室でゆっくりしている。相方は先に帰ってしまった。そこへ三人組の明るいギャルたちがやってくる。先ほどの舞台を見ていたようで、握手など求められる。自分も悪い気はしない、が、何せ相手がギャルなので少し緊張もして、寡黙になる。ギャルたちは一通りぎゃあぎゃあ騒いだ後、部屋を出て行く。一人になった自分は握手した後の手のひらをこっそりと嗅い

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宿題とヘアゴム

「誰かの家の2階の和室にコタツがあり、そこで彼らは蜜柑を食べながらテレビを見ていた。自分はその脇に立ち、季節はずれやな、と思う。シマナカさんも食べますか?と左くん(仮名)に聞かれて、いや大丈夫、と自分は和室を出る。自分は、算数の宿題を今日中に終わらせないとヤバい、国語社会は明日以降に回すとして、とりあえず今日算数やな、と心の中で思っている。下の階に降りたらどうせ子供たちが騒いでいるし、困ったな。仕

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きみのゆめ

マドモアゼル・ユーの夢を見た。なかなか愉快な、ふざけた夢だった。そのことをマドモアゼル・ユーに伝えたら、どうやら彼女は彼女で、私の夢を見ていたという。何とも妙な話である。おやすみ、もうすぐ逢えるね、と歌いながら、互いの夢を行き来して、我々は春を待つ。

マドモアゼル・ユーは、冬の間は寝てばかりいるので、一日の大半を夢の中で過ごす。起きている間は、お茶を飲んだり、ニキビを潰したり、服を畳んだり、して

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野音の後の夢

「ライヴ終わりに数人の芸人たちで中華料理屋へ行く。巷で噂の、一風変わった店である。半分仮面を付けた恰幅の良い中年女性店員が出てきて、「いらっしゃいなさいませ」と重低音で変な言葉を言う。それが、どことなく演技臭く、キャラっぽくて、皆少し笑う。その後も、何故かおどろおどろしい感じで「同伴うさぎは無料」「水没注意」などの意味不明な説明を受ける。誰かが冗談を言うと、店員もプッと笑って素が出る。店内の装飾は

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頼りない店主

「ライヴ喫茶 亀にいる。馴染みのスタッフとお客たちがいて、穏やかな時間を過ごしている。

そこへ、二人組のお客がやって来た。「結構狭いやんけ~!」明らかに温度の違う、男女である。歳は40代くらいであろうか、中年にも関わらず若作りをしている。女は魚みたいな顔面、パサパサの金髪ロングヘアーで、太腿丸出しのホットパンツを履いている。男はきつねみたいな顔、ツーブロック刈り上げ、色黒でガタイが良く、黄色のタ

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汚い夢

「おれたちはもうヘトヘトだった。大きめの車2台に4人ずつ、計8人、荷物も多い、腹も減ったし、服も臭いし、髪の毛はべたべたで、だけど楽しかった、ひと仕事終えて、ようやくこの街に帰ってきたのだ。

「皆で風呂いこや、風呂」
助手席の奴が言うので、自分はこの時間でも空いているスーパー銭湯を調べてナビを入れつつ、もう一方の車にも連絡するよう伝える。2キロ走ればちょうどあるわ。何ていうとこ。天の湯神、やて。

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お惣菜とマラソン

「休日の昼間、スーパーで鯵の南蛮漬けとコロッケを買って、ふらふら帰宅する。家の前に人だかりが出来ており、何やら非常に盛り上がっている。何じゃ、と見ると、どうやらマラソン大会が開催されているようで、そのスタート地点が我が家の真向かいなのだ。ゼッケンを付けた沢山のランナーと、旗を持った応援客、テレビカメラ、スタッフ、司会者などがいる。こんな暑い中、よう走りはるわ、と思いながら、自分は主婦っぽくスーパー

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「私がお洒落なサ店で珈琲を飲んでいると、きみがトランクを引き摺りながらやって来て、銀!と呼ぶのだ。私は、銀では無いが、そこには一切触れず、えらい荷物多いな、とだけ言う。銀にプレゼントあげる、と言ってきみはトランクを床に置いて開けて、中から一冊の本(包み紙がされているので中身は分からない)を出して、私に手渡した。ありがとう。

じゃあ行こうか、と二人で店を出て歩く。腹の減った私が、何か食いたい、と言

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なぜベルギーに行ったの?

「若い恋人同士が寄り添い合ってバルコニーで星空を見ている、というアニメを見ている。絵柄は少女マンガのような雰囲気で、何故か自分はテレビに釘付けだった。

女はお喋りで、とにかくずっと喋っている。優しい男はそれに耳を傾けて、時折ウンウンと相槌を打つ。ふと、男がベルギーの話をした。「ベルギーにはジャップ・シティという街があってね。そこには日本人ばかりが住んでいるそうなんだ」すると先程まで笑っていた女が

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おなか

「何やら学校の教室でライヴが行われている。自分は早く電車に乗らなければならないので、荷物をまとめて、廊下へ出た。すると、とある女性に声を掛けられた。「もう行くんですか」「ええ」「同じジャージですね」彼女は自分と同じアディダスのジャージを着ていた。嬉しかった。自分は以前から彼女のことが気になっていたのだ。早く行かなければならないのに、自分はもう少し話がしたいと思った。教室からは笑い声が漏れている。誰

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夜歩く

楽しい夢を見て、自分は爆笑していた。そして、笑いながら目を覚ました。年に一度くらい、こうしたことが起きる。自らの笑い声で目が覚めるのだ。昨夜のライヴがそれ程楽しかったのか、現実逃避か、分からぬが、とにかく、愉快な寝心地であった。

「相方や、昔の同級生、芸人仲間、ライヴによく来るお客、知らん奴、たち合計10人くらいで夜の街を歩いている。遠い街に来たようで、皆でぞろぞろ歩きながら、今晩泊まる予定の宿

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おやっさんの腕

「銭湯で湯船に浸かっていると、隣に角刈りのヤクザが座った。程よい筋肉質で、肩から腕にかけては立派な彫り物があり、顔面は傷だらけの、渋いおやっさんであった。自分は、おやっさん、自分はおやっさんに憧れてこの世界に入ったようなもんです、こうしておやっさんと肩を並べて風呂入れるなんて、夢のようでございやす、と心の中で呟きながら、勝手に舎弟気分を味わっていた。

おう若いの、すまんけどな、ちょっと小便行かせ

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