実家への通い道

金曜日、ETCカードを実家のクルマに挿しっぱなしの上、駐車場のビルの入り口の鍵も実家に置いてきてしまっていることに気づいて、ふらりと実家へ打ち合わせの後にクルマを走らせる。

なんとなく見慣れたというか、ほぼ通勤の様に頻繁に通る道も秋の空の様子に色々な思いが広がっていく。とはいえ、哀愁漂うとか思い出に浸るとかでなくて、疲れからの思考停止という感覚が近いかも。高速道路はこういう時にゆっくり走るのは快適なもの。

ICを降りて実家への道は父の入院していた病院の横を通る。ウインカーを出して入りそうになるけれど、「あぁ、終わったんだな」って思いながら通り過ぎる。この感覚なんだろう?完全な脱力感。悲しみはいつやってくるのだろう。

実家に着くと姉が居た。葬儀前のバタバタの中で持ち込んだ日用品などを整理しにきていたみたい。

「1週間経ったね。先週の今頃だったよ」なんて話しかけるもんだから、どう反応したら良いかわからないまま壁にかかるカレンダーに目をやってみた。

病院で息をひきとってから1週間で葬儀の準備から親戚への連絡、親戚達が線香を上げにやってきたり、挨拶したり、線香あげつづけたり。通夜をやって、夕食の席を用意して、告別式をして、火葬して、初七日までやって。そして家に帰って来て。それで一週間。一瞬だったね。

葬儀の準備を少ししておいたのが良かったと思う。そこで迷いはなかったので、あとは淡々と進めてくれるのだから楽なものだ。僕らは言われるがままに進むだけ。

まだね。父親をなくした実感はない。

今回の葬儀屋さんが良かったので、「母の時もここで良いよね」って姉の提案で快諾する。

疲れた感じもあまりなくて、ずっとぼーっとしてる感覚がある。

頂いたお金は両親の病院へ通う交通費などに活用させて頂いております。感謝いたします。