虐待の当時者に救済はあるのか

子供時代、母親に毎日のように殴られ、それが当たり前だと思って受け入れてきた。さらには口答えをした際に、「生意気な態度を反省させる」との名目で、火のついた線香を手に押し付けられた。「どこの家でも同じことをしている」との親の言葉を信じた。テストで95点を取ると、必ず残りの5点を落としたことを詰られた。虐待と言う言葉は普及していなかった。精神的虐待にあたるであろう言葉、彼女は当然全て網羅している。

さらには、父親にも性的虐待を受けてきた。それが虐待である、と言う認識に至ったのはごく最近だ。裁判で実父からの性的虐待を取り上げるようになったからである。衝撃だった。慣例のように、娘のいる家では表沙汰にならないまでも当たり前のことだと信じ切っていたのだ。そして、扶養家族の多い我が家で、事を荒立てた場合、収入源はどうなるのか、私は大学に進学できるのか。とてもではないけれど、誰にも打ち明けることは出来ず、耐えるしかなかった。6歳から18歳まで続いた。

今日、人生で初めて夫に打ち明けた。反応は薄かった。もう、人生に対する希望も何もない。ひたすら無に近い。誰にも理解されないことはもう慣れた。私はもう人生の半分ほど消化した人間だ。せめてネットの片隅にでも発信して、今苦しんでいる子供たちに気づいてほしい。

「あなたはそんな扱いをされるべき人間ではない。幸福になるべきだ。」

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