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JAIHOで観た映画

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映画配信サービス『JAIHO』で観た映画はこちらにまとめています。
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【閉じ込められた屋敷の中で】映画『イヤーウィグ 氷の歯を持つ少女』感想

【閉じ込められた屋敷の中で】映画『イヤーウィグ 氷の歯を持つ少女』感想

『エコール』、『エヴォリューション』の"変態"もとい"鬼才"ルシール・アザリロビック監督が2021年に製作した『イヤーウィグ 氷の歯を持つ少女』。

AIHOで4月27日から独占配信されているという知らせを見て驚いた。
新作が製作されていたことも知らなかったが、前2作が日本で劇場公開されていたのに本作は劇場公開がスルーされていたという事実もショック。

アザリロビック監督作品といえば、多くの謎を残

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【諍いに大きいも小さいもない】映画『ソルフェリーノの戦い』感想

【諍いに大きいも小さいもない】映画『ソルフェリーノの戦い』感想

2012年、フランスのソルフェリーノ通りでは国の未来を左右する大統領選挙が行われていた。その裏ではある元夫婦の争いが勃発していた。
熱狂の選挙と交互に描かれる夫婦の争いを描いた映画『ソルフェリーノの戦い』。

監督は2月23日に公開予定の『落下の解剖学』のジュスティーヌ・トリエ。
『落下の解剖学』は2023年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門でパルムドールを受賞しゴールデングローブ賞でも脚本賞

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【演技と本当の境界線はどこに】映画『アルプス』感想

【演技と本当の境界線はどこに】映画『アルプス』感想

2024年に最初に観た映画が本作の『アルプス』。
ただ、最初に観たといっても劇場ではなく配信サービスの『JAIHO』で鑑賞しました。

監督は1月26日に最新作『哀れなるものたち』の公開が控えてるギリシャの奇才ヨルゴス・ランティモス。『ロブスター』、『女王陛下のお気に入り』などの作品で知られているが、今作は長編3作目にあたる。
なお本作はベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞も受賞している。

今回改め

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【子供のままじゃいられない】映画『お引越し』感想

【子供のままじゃいられない】映画『お引越し』感想

映画配信サービス『JAIHO』で鑑賞。
ちょうど相米慎二監督作品の配信が始まっており、この機会に観てない作品を観ようと鑑賞。ずっと前からお薦めされていたこの作品をようやく観ることができた。

『お引越し』は1993年に公開された日本映画。
ひこ・田中の同名作品を原作にした作品で女優・田畑智子のデビュー作でもある。

両親の離婚に振り回される11歳の少女の心境と成長を描いた物語。

田畑智子演じるレ

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【吸血鬼はスケボーに乗って夜を漕ぐ】『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』感想

【吸血鬼はスケボーに乗って夜を漕ぐ】『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』感想

最高にクールな『吸血鬼映画』を知っているか?

例えるなら「イラン×吸血鬼×ジム・ジャームッシュ」を掛け合わせたような見たことない吸血鬼映画だ。

『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』は日本で2015年に公開された。イランの架空の街を舞台に人間の青年と吸血鬼の少女の出会いがモノクロ映像で描かれる。

監督をつとめたのはイラン系アメリカ人のアナ・リリー・アミールポアー。本作が長編デビュー作となる

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【わき道に逸れてからが本番です】映画『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』感想

【わき道に逸れてからが本番です】映画『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』感想

2人の男が仕事の途中で巨大な蠅を見つける。

『マンディブル 2人の男と巨大なハエ』は『ラバー』、『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』のカンタン・デュピュー監督の2020年製作の映画だ。

これまでに『地下室のヘンな穴』、『タバコは咳の原因になる』とカンタン・デュピューの作品を見てきたが、本作がこれまでの作品の中で一番見やすく感じた。

物語は主人公のマヌがある男にスーツケースを届けるという怪しい仕事を

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【めくるめく悪夢の迷宮へ】映画『4人の食卓』感想

【めくるめく悪夢の迷宮へ】映画『4人の食卓』感想

1人の男性がある事件をキッカケに様々な怪奇現象に襲われる姿を描いたホラーミステリー映画『4人の食卓』。監督は『犯人は生首に訊け』のイ・スヨン。『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンが出演している。

JAIHOで鑑賞したけど面白かった。
まず雰囲気が抜群に良い。全編に渡って不穏で不気味。次々起こる謎めいた展開にも引き込まれた。
劇中の螺旋模様じゃないけど、鑑賞しながら自分の脳内も「???」でぐるぐる回

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【ギリシャの奇妙な波】映画『アッテンバーグ』感想

【ギリシャの奇妙な波】映画『アッテンバーグ』感想

父と2人で暮らす23歳のマリーナ。
男性経験のないマリーナは親友のベラとキスの練習をしたりセックスの相談をしている。そんなある日、マリーナはレストランで偶然知り合った男性に実践を試みようとする。一方、マリーナの父は不治の病に侵されていて…

『アッテンバーグ』は2010年製作のギリシャ映画だ。
ある女性の日常を描いた作品で『ロブスター』、『女王陛下のお気に入り』等の作品で知られるヨルゴス・ランティ

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【ビジュアル最高!】映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』感想

【ビジュアル最高!】映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』感想

『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』は2021年製作の中国映画である。中国の小説家、双雪涛の短編小説を原作に最新のモーションキャプチャーなどを取り入れながら、5年の歳月を費やして作られたファンタジー大作だ。

ゴッドスレイヤー…

神殺し…

中二病全開の邦題からしてどういうタイプの作品なのか、ある程度想像はつくのではないだろうか

※ちなみに原題は『刺殺小説家』、邦題は作中の小説のタイトルから取られ

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【その恐怖の正体は切なく儚い】映画『ドーム/寄宿舎』感想

【その恐怖の正体は切なく儚い】映画『ドーム/寄宿舎』感想

動画配信サービス『JAIHO』で現在配信中の映画『ドーム/寄宿舎』。
タイの全寮制の寄宿舎を舞台にした青春学園ホラー作品だ。

想像以上に良い作品だった。
正直、恐怖演出は薄目でホラーという点で期待すると肩透かしを喰らうかもしれない。だけど孤独な少年の友情と成長譚として観る分には大満足。

寄宿舎にまつわる怖い噂が題材となっており、主人公がその噂を体験していくのだが、その様子は映画『学校の怪談』を

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【かけがえのない あの時】映画『夏の庭 The Friends』感想

【かけがえのない あの時】映画『夏の庭 The Friends』感想

動画配信サービス「JAIHO」で7月16日より配信されている映画『夏の庭 The Friends』。観たことはなかったが作品の存在自体は前から知っていた。

原作の『夏の庭 The Friends』は小説で作者は湯本香樹実。
1992年に刊行されてから十数か国で翻訳出版されており、日本のみならず海外でも文学賞を受賞している。

本屋の特集コーナー(今だと「新潮文庫の100冊」フェアとか)で昔からよ

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【夏だ、恋だ、ヴァカンスだ!】映画『7月14日の娘』感想

【夏だ、恋だ、ヴァカンスだ!】映画『7月14日の娘』感想

動画配信サービス『JAIHO』で7月14日から配信が始まった『7月14日の娘』。作品の紹介画像(この記事のトップ画にも使ってる)が素敵で、配信がスタートしたら絶対観ようと決めていた作品。

めちゃくちゃ好みの作品だった。

ジャンルはコメディ。
かなりシュールなのでハマる人は選ぶだろう。

同じJAIHOで配信されてる『タバコは咳の原因になる』になるもそうだったけど、フランスのコメディってぶっ飛ん

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【日本よ、これがフランスの戦隊ヒーローだ】映画『タバコは咳の原因になる』感想

【日本よ、これがフランスの戦隊ヒーローだ】映画『タバコは咳の原因になる』感想

突然ですが、皆さんは配信サービスに加入してますか?
Netflix、Amazonプライム、Disney+…今や世の中は様々な配信サービスが溢れている。この記事を読んでる方も何かしらの配信サービスに加入しているのではないでしょうか。

自分はこれまで配信サービスには一つも入っていませんでした。
理由は色々ありますが、家で映画や番組を観る習慣がないというのが一番の理由だと思います。

そんな自分が初め

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