⭐️気まぐれ映画評   第六弾

『散歩する侵略者』。
これまた公開時は観る気満々だったが観そびれてしまった作品。

毎度ながら黒沢清監督の巧みな世界観の構築には唸らされる。撮影法、実に効果的な音楽。リアルな衣装。
そしてこれまたいつも思うのだが黒沢監督の映画は映像の教科書のよう。完璧な画角。T.O.Pに合った完璧なカメラワーク。視覚効果。どれを取ってもさすがです。

この映画は劇団イキウメの演劇作品が映画化されたものだ。イキウメ

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『旅のおわり世界のはじまり』いかにして彼女は呪いの言葉を捨てて歌うようになったか。

前田敦子演じる葉子は、TV番組のレポーター。シルクロードの国、ウズベキスタンにいる。「世界ふしぎ発見!」のような内容なのだが、低予算番組で、湖で怪魚を追ったり、地元の古い遊園地の紹介をしたり、お世辞にも面白い番組にはなりそうにない。ディレクターほか撮影クルーたちも、やる気はなくはないのだが、楽しんでロケをしている雰囲気ではない。自分の仕事はきっちりこなすが、それ以上でも以下でもない。

葉子にして

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2019年上半期、僕の心を震わせた《映画》ベスト10

全世界的な潮流として、映画の在り方、映画の価値、そして僕たちの映画への向き合い方が、加速度的に変容している。

2019年上半期のたった半年の間に、いったい何度のパラダイムシフトが起きたことだろうか。

仮定の話でしかないが、もし今年、Netflixオリジナル作品『ROMA/ローマ』が、アカデミー賞作品賞に輝いていたとしたら、その「変革」は、より決定的なものになっていただろう。

しかしその一方で

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【映画】現代日本映画のメインストリーム

近年、多くの日本映画が海外の国際映画祭に出品され、高い評価を受けています。青山真治、黒沢清、万田邦敏は、国内外から高い評価を受ける、現代日本映画を語るのに欠かせない監督陣です。

このnoteでは、青山真治監督『Helpless』、黒沢清監督『CURE』、万田邦敏監督『接吻』を比較分析し、現代日本映画の共通点について論じていきたいと思います。

1. 映画監督

 ① 経歴

まずは青山真治、黒沢

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【映画】黒沢清『CURE』における長回し

『cure』は、黒沢清監督による 1997 年公開の日本映画です。残忍な手口の連続殺人が発生し、それを追及する刑事(高部)と、事件に関わる謎の男(間宮)とが、対立させて描かれます。また、本作品の緊張感のある展開は、長回しによって効果的に表されます。

『CURE』

1. 長回し

長回しとは、カットせずに長い間カメラを回し続ける映画の技法のことです。また、一つのショットで一つのシーンを撮るという

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『旅のおわり世界のはじまり』

黒沢清監督『旅のおわり世界のはじまり』をユーロスペースで。『回路』以降は八割方劇場で観ているので、僕は黒沢監督好きなんじゃないかな、たぶん(笑)。
『回路』とか『ドッペルゲンガー』とか以降の作品も黒沢作品にある仄暗さや見えないけど感じる気配とかは世紀末以降の世界ではずっと同時代性があると感じていた。それを文学的にやってる感じがする。決してエンタメ的ではない。この映画はフィクションとノンフィクション

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黒沢清監督『旅のおわり世界のはじまり』

黒沢清監督の最新作『旅のおわり世界のはじまり』。パンフレット一式の執筆を担当しました。

前田敦子さん演じる(実は歌手志望の)TVレポーターが、ロケの仕事で訪れた異境の地・ウズベキスタンで、言葉のまるで通じない人々や異文化との出会いを通じて自分を見つめ直すという「旅と成長の物語」。パンフレットに寄稿された蓮實重彦さんの表現を借りるならば、「この監督のフィルモグラフィーには類例のない音楽メロドラマ」

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前田敦子 主演映画~「旅のおわり世界のはじまり」はスマッシュヒットならず?~

【前田敦子 主演映画~「旅のおわり世界のはじまり」はスマッシュヒットならず?~】

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AKB48の黄金期のメンバーとして知られている前田敦子さん。
AKB48卒業後は女優業で活躍し、2018年7月30日に俳優の勝地涼さんと結婚したことでも話題となりました。

6月14日公開の主演作品「旅のおわり世界

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長澤まさみ 主演映画~「コンフィデンスマンJP -ロマンス編-」は大ヒット確実?~

【長澤まさみ 主演映画~「コンフィデンスマンJP -ロマンス編-」は大ヒット確実?~】

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人気女優の長澤まさみさん。
1999年の第5回東宝シンデレラオーディションで史上最年少でグランプリを受賞。
2004年公開「世界の中心で、愛をさけぶ」でヒロインを演じ、ブレークを果たしました。
5月17日公開

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平成のベスト映画31

割とすんなり選べた。50音順。プラス、1個は映画を観るという面白さを教えてくれた恐らく生涯のベスト映画。どうしてもドラマ編とクリエイターは被ってきちゃうな、好きな台詞回し、好きな笑いの取り方、好きな気持ちの高め方、というのがこの25年間の人生で固まってきたのだな、と。令和には多分同世代の作り手がいっぱい出てくるんだろうなぁとワクワクしている。

1.アフタースクール

寡作の名監督・内田けんじによ

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