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苦手に向き合うと…何が待っているのか

デザインについて話す。
超苦手…。

それを聞いてもらう。
しかも有料で…。

マジか!って思います。
何をお前ごときが!!!!
どっかにそういう感覚がある。

今回、やってみた。
なぜか?
理由は超単純。
頼まれたから。

デザインについて話すセミナーやりませんか?
いいですよ!
気楽に引き受けてしまった…。
たぶん気楽に引き受けてなかったら、
できるかどうか考えたら、やってなかった…

デザイン。
独学で適当に始めたことなんですよ…。
誰かに教わったこともないし。
デザイナーの知り合いもほとんどいなくて…
考えてみたらデザインについて人と話したことってほぼない。
勝手にずっとひとりでやってきて、そのことを誰かと話した事ってほとんどないんですよね。

だからよくわかんない。
正解かどうかもわからないし、人がどうやってるのかも、ぜんぜん知らないし、わからない。

noteでもデザインについてのことって実はあんまり書いてない。
プロセスについて書いたのが何個かあるけど、思考や理論についてはほとんど書いてない。

単純に書くのが難しいんですよ。
あと、恥ずかしさもある。
え!?その程度?
そう思われるのは正直ツラい。

そういう苦手意識があって、避けてきたというか、自発的に言語化しよう!って思えないところがあったんだけど…

今回、やることにした。
頼まれたから。

2月に人生で初登壇したセミナーで、「習慣」のことを話したんだけど、その冒頭で自己紹介として、少しだけデザインのことを話した。
ブックデザインってこういう仕事ですよ、わたしはこんなことを思って仕事してますよっていう短い話だった。
その10分くらいの話が面白かったので、そこをふくらませた内容を聞いてみたいと、新しいセミナーの依頼があった。
企画書を見たら小規模のセミナーで、人数も多くなさそうで、ブックデザインという仕事をよく知らない人向けに、こういう仕事なんですよ、みたいな入門的な話ならいいかなと思って、軽い気持ちで受けてみた。

そんなに興味ある人もいないでしょう?
って気楽に考えてた。

ところが、みるみる規模が大きくなっていく。
多くて100人規模で聞いていた人数がみるみる増えていく。
で、チケット買いましたの連絡が方々から来る。
打ち合わせをする編集の人から、セミナー楽しみにしてます!って言われる。
どうやら本業のデザイナーの人も見るらしい。
え、そ、それは…。
どうしよう…。

こんなの聞いてないんですけど…。
いや、全然、話が違うんじゃ?

というか、気楽にできないじゃん!!!

もう、そこからが大変。
ちゃんと内容作らなきゃ!で眠れない毎日が始まってしまった。
何を話す?どこを話す?ここから考えないといけない。
何かベースになるようなものがあるわけじゃない。
27年やってきた仕事のうち、どの部分を話すと伝わるのか、それをひたすら考えた。
ひとつひとつの仕事を点として語るのではなく、それが線になってつながるようにできないか。
構成も考えながら、デザインをしていく上で何を大切にしているのか考える作業を本業そっちのけで、仕事に支障をきたしながらやっていった。

1週間半、ほとんで寝れなかった…。

めちゃくちゃ大変だった。

とにかく、これが大変で大変で大変で、だけどきちんと見えてくるものもあって、考えていた以上に自分が深く思考していたこと、きちんと仕事の理念を大事にしていたことがわかって、自分のことなのに知らない事がこんなにいっぱいあったんだって驚いた。
けっこう自分でもワクワクする内容になってきた。
これ意外にすごい内容なんじゃない?
と同時に、この先のもっと厚みのある内容を作りたい気持ちに火がついてくる。
これは掘り起こす価値があるかも。
そんな気持ちになってきた。

27年もデザイナーやってるんだな…。
全部、独学。やりかたも思考もオリジナル。
そりゃ、何かあるよ。
掘れば。

セミナーは60分。
とてもじゃないけど全部は入れられなかった。
当たり前だ。27年あるんだ。
でも60分で伝えたいことは詰め込めたと思う。
直前まで構成を考えた。
点を線に変えるためのつながりを考えた。
本気で考えた。

で、当日。
夢中で話した。

終わってみて、自己採点するなら100点満点で65点くらいだった気はする。
とにかく時間が全然足りなくて、あせって途中から早口になった。
話そうと思ってたことが話せなかったところも多い。

それと誤算…というか予想と違ったのは、オンラインセミナーで一人でしゃべることの難しさだ。
部屋でひとり。
画面にうつるスライドを見ながら解説をする。
リアクションがない…。
一応、チャット画面を出していたけど見る余裕はない。
オンラインは、観客がいる会場開催より気が楽かも?なんて思っていたけど、真逆だった。
壮大な独り言をぶつぶつ言ってるようで、楽しく聞いてもらえてるかどうかの反応もわからない。
はっきり言って地獄だった。

それでもなんとかやりきった。

内容の厚み的には、時間的にこれ以上は無理だったと思うけど、もっと話したいことが山ほどあった。
デザイン自体を発想する思考のはなしだったり、続編を作るときに何を考えているかとか、雰囲気をまとわせるためにしている工夫とか、いつかそんなこともしっかり考えて掘り起こしてみたいなと、そんな気持ちにもなってきた。

無理やりでも今回やってなかったら思えなかったことだった。
だからやってよかった。
そう思えている。

苦手だ…と思っていたことに向き合ってみると、やっぱり何かある。
しっかり次へ進むための何かが眠っているんだなと思った。

ちなみにリアクションがまったく見えなかったけど、セミナー自体はものすごく好評だったらしい。
300人くらいが視聴してくれたみたいで、
終了直後のアンケート結果
・参加者満足度 98.6%
・人に勧めたいスコア 10段階中 8.8
とのこと。
満足はしていただけたようだ。
ほっとした。

聞いていただいたみなさん、ありがとうございました!

これからこのテーマは、少しずつ掘っていこうと思います。

++++

noteと同じようなことを話している
続いてるラジオです


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