「部屋の二酸化炭素濃度を測る機械を買おうか悩んでいるんだよね。」

ある日僕の友達がこんなことを言っていた。

二酸化炭素濃度？なんだそれは？

調べてみると、けっこうヒットする。

長時間密閉された部屋にいると、人間の呼吸で排出される二酸化炭素で部屋の二酸化炭素濃度が上昇していき、倦怠感や眠気などを引き起こす原因になるという。

そのときは「そんなんあるんだ」くらいにしか思わなかった。

しかし、その日以来、僕は部屋の二酸化炭素濃度が気になってしょうがない。

人間は自分が知っているものしか知覚できない。

エヴァンゲリオンを初めて見たら、世界がエヴァンゲリオンであふれかえっていることに気が付くようなもので、関心のあることしか目に入らないのだ。

だからこそ、自分の見識を深め、自分の世界を広げていくことが重要なわけだが、ものごとには知らない方が幸せなこともある。

僕の部屋にも突然、二酸化炭素が発生した。

僕が友達から二酸化炭素濃度について聞いた日は、二酸化炭素記念日だ。

教えてくれてありがとう。でもできれば知りたくなかったよ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

お礼にあなたの部屋にも、二酸化炭素を発生させておきました。