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RSウイルスワクチンを妊婦に打って赤ちゃんを守れますか?

ワクチン群 産後母親1人死亡。死産10人、自然流産1人。誕生から満2歳までに乳幼児5人死亡。
プラセボ群 母親の死亡0、死産8人、自然流産2人。誕生から満2歳までに乳幼児12人死亡。

 
ありふれたかぜのウイルス、RSウイルスへの注意を喚起する、さだまさしさんのテレビCMを始めて見ました。注意喚起のみなら慈善事業ですが、そうは問屋が卸しません。ネット検索すれば、すぐに見つかりました。
朝日新聞のこんな見出しの記事です。
<小児科「悲願」のワクチン RSウイルス、妊婦に接種し赤ちゃん守る>
記事は続けて
<乳幼児に肺炎を引き起こすRSウイルスのワクチンが18日、承認された。接種が広がれば、国内で年間数万人と推計される、入院する子どもが減ると期待される。妊婦に接種し、生まれてくる赤ちゃんへの発症や重症化を防ぐ珍しいタイプで、専門家は「病気の特徴やワクチンの効果、副反応への理解促進が大切」と指摘する。>
 
ははーん、やっぱりね。また、新しいワクチンの前宣伝か。悲願は小児科医にとっての悲願であって母子の悲願ではないね。
 
乳幼児へのワクチン接種は圧倒的な小児科利権です。
日本だけが「子宮頸がんワクチン」と詐称しているHPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)ワクチン承認の際は、小児科や内科に独占されていたワクチン利権が、とうとう「悲願」のがんワクチンとして婦人科にやってきたと彼らは密かに喜んでいたのです。RSウイルスワクチンを妊婦に打つという意味では産科婦人科利権です。
 
臨床試験について記事を見ると、
<2歳までにほぼすべての子どもが感染。最初に感染したときに重症化しやすく、乳幼児は気管支炎や肺炎になりやすい。2回目以降は軽くなり、大人は鼻かぜですむことが多い。>
<今回のワクチンは米ファイザー社製で、妊娠24~36週の妊婦に1回接種する。接種後にできた抗体が母体から胎児に移行することで、生まれてきた子どもの発症や重症化を防ぐ。
治験では、日本や米国など18カ国の妊婦7千人超を対象に、ワクチン接種したグループと、有効成分が含まれていない偽薬を接種した使ったグループに分け、生まれてきた赤ちゃんの予防効果をみた。
その結果、発症を予防する効果は生後3カ月以内で57・1%(重症を予防する効果は81・8%)、半年以内で51・3%(同69・4%)だった。>
 
2歳までにほぼすべての子どもがかかるのか。
発症予防効果57.1%の意味はよくわかりません。
厚労省の審議会には臨床試験の詳細が添付されているだろうと探しましたが、見つかりません。
 
ネットでファイザーのHPを経て、試験結果が2023年4月号イングリッシュ・ジャーナル・オブ・メディシン(EJM)に掲載されていました。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2216480
発症予防効果57.1%の意味は、
<それぞれ(ワクチン群)3570人と(プラセボ群)3558人の乳児が評価された。>
<医師の診察を受けたRSV関連の下気道疾患は、ワクチン群の女性の乳児24名とプラセボ群の女性の乳児56名で生後90日以内に発生した(ワクチン有効性、57.1%)>を指します。
100-(ワクチン群の女性の乳児24名÷プラセボ群の女性の乳児56名)×100で求められます。
このような相対的な比較ではなく、RSV関連の下気道疾患で医師の診察を受けなかった乳児という視点からは、ワクチン群の99.32%、プラセボ群98.42%となります。つまり、妊婦にワクチン接種しなくても、生後3か月以内にRSV関連の下気道疾患で医師の診察を受ける乳児は100人中1人か2人です。
 
近藤誠先生の大事な視点「ワクチン臨床試験では総死亡数を見る」から、ワクチンの本質がわかると思い、次の部分に注意しました。
 
<ワクチン接種者 1 名が産後出血と血液量減少性ショックで死亡した。試験中、ワクチン群の参加者10人、プラセボ群の参加者8人で死産が発生し、その後の妊娠中の自然流産がワクチン群の参加者1人、プラセボ群の参加者2人で発生した。誕生から生後24か月までの乳児および幼児の合計17人の死亡が報告された(ワクチン群で5人[0.1%]、プラセボ群で12人[0.3%])(表S15)。エンドポイント判定委員会によって RSV 感染に関連すると考えられた死亡例 1 件は、母親がプラセボを投与されていた乳児の生後 120 日後に発生した。>
 
ここからわかるのは、
ワクチン群の母親が1人死亡。
試験中にワクチン群の妊婦10人、プラセボ群の8人が死産。
試験後にワクチン群の妊婦が1人、プラセボ群の2人が自然流産。
誕生から生後24か月までの乳幼児17人が死亡。ワクチン群で5人、プラセボ群で12人
ワクチン群では、産後の母親が1人死亡。死産が10人、自然流産が1人。誕生から満2歳までに乳幼児5人死亡。
プラセボ群では、母親の死亡はなく、死産が8人、自然流産が2人。誕生から満2歳までに乳幼児が12人死亡。
 
ワクチンを接種した方がプラセボ群より、母親の死亡が1人、死産・自然流産が1人多く、誕生から満2歳までの乳幼児の死亡は7人少ない。

私見ですが、この数字を提示されたら、接種させませんね。こんな大々的な予防接種をする意義を感じません。母親の死亡は重大だと思います。

誕生から満2歳までの乳幼児の死亡も焦点になりますが、それぞれの死因も不明、RSVの抗体価がどれくらいあったかも不明です。満2歳までをひとまとめにするだけではなく、時期も細かく検討したいですね。
 

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