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青いブリンク

「カケル君、勇気をあげる!」

でお馴染みの青いブリンク

「いや、お馴染みじゃないんですけど。。。」という声がチラホラ聞こえてきますが、知らない方、是非観てください。手塚治虫のアニメーションとしての遺作になった作品で、名作です(想い出補正あり)。

作中では青い馬のような生き物であるところのブリンク(人語を喋る)が、いざという時に怖気づいて逃げ腰になってしまう主人公カケル君に青い雷球のようなものをぶつけて、それによってカケル君が尋常ならざる勇気を得て苦境を乗り越えていくという、見ようによってはお薬投与感がある演出になっておるのですが、後に、この雷球はプラセボ(にせ薬)で、カケル君は自分自身が元々持っている勇気をいわゆる自己暗示で引き出していたことが判明します。

その時の感動と困惑。感動は自己暗示だろうと何だろうと強い勇気が人の内には眠っているんだということに感じ。そして、困惑はそんなネタバレしたらもう自己暗示かけられひんから勇気出せへんし、ぶっちゃけブリンクに雷球をぶつけられたいと思っていた私としては、それがプラセボだってんじゃ夢も希望もないということに感じたのでした。

幼い頃から勇気がないことを自覚し、問題意識があったわたくしとしましては、ブリンク社提供の勇気ドーピングは非常に魅力的だったのですが、これが痛散湯と同じようなものだったというのは非常に残念でした。まぁ、そんなことにショックを受ける前に、大前提としてブリンクがいないんですけども。

ただ、本当に怖くて仕方がない状況下で「ブリンク、勇気をおくれ!」と心の中に作ったブリンクに語りかけていたのは事実で、非常にまれにですが、勇気ある行動を取れることもあったのです。

後に、うつ病を患ってから、プラセボにはプラセボとわかった後も効果がでることがあることを知ったのですが、ブリンクの雷球がプラセボだとわかった後でも効果があることの証左となりました。

それにしても、ブリンクさん。青い雷球をぶつけるというジンオウガみたいなことをしてプラセボとは。全くの無害であるとはちょっと思いづらい激しい演出なんですが、、、、カケル君に副作用は出ていなかったんでしょうか。副作用が全くないなら、プラセボとわかった現在でも雷球をぶつけてもらいたく思うところです。

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