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心耳を澄まして無声の声を聞く

昨日の note の続きのような話になりますが、小さな差異を感じとることが大切というお話をします。

なぜ大切かというと、大きな変化は必ず小さな変化の集積によって生じるからです。ですので、変化に適応するにしろ、変化を防ぐにしろ、小さな変化(差異)の段階で気づくことができれば簡単に対応ができるというわけです。

有名なヒヤリハット(ハインリッヒの法則)というものがあります。

ハインリッヒの法則とは、米国の損害保険会社で技術調査副部長をしていた安全技術者ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが5000件以上に及ぶ事故事例を根拠にして導き出した統計的な経験則です。その内容は、1つの重大事故の背景には29の軽微な事故があり、さらにその背景には300のインシデントが存在するというものです。日本では「ヒヤリハットの法則」とも呼ばれています。

小さなインシデント(ちょっとした不安全行動、不安全状態)の時点で気づいて対処できれば、大事故を防げるという経験則です。大抵、大きな事故というものは複数のちょっとしたインシデントが偶然重なって発生することがほとんどです。

医療の世界では、小さなインシデントを徹底して潰していくことで事故を防ぐプロセスが確立されていますが、これを医療の世界だけにとどめておく理由はありません。あまりやりすぎるとオーバースペックになる可能性もありますが、エッセンスは抜き出してどの業界、業務でも活用ができるはずです。

また、変化を起こす立場で考えても小さな変化の集積を狙えば、周囲に気づかれず(したがって、敵に邪魔されず)に大きな変化を起こすことが可能になります。

こうしたことを可能にするためには小さな変化に気づく訓練が必要です。

もっとも簡単な訓練はリラックスして目を閉じて、自分の身体の中から聞こえてくる音に耳を澄ますことです。瞑想ともいえますが、もっとラフに考えて行なっていただいて大丈夫です。

パートナーのいる方は、パートナーの表情や雰囲気、服装、アクセサリーの変化に注目するようにしてみるのも良い方法です。また、会話を行う際に、相手の話を聞きながら「(相手が)息を吐いた、吸った、吐いた、吸った」と観測する方法もあります。

とにかく小さな変化に気づくようにする行動がおしなべて効果的な訓練方法になりますので、工夫してみると面白いと思います。

最後に、微細な変化に気づくためには力んでいては難しいです。リラックスして取り組んでくださいね。

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