巻き込まれる楽しさ
「自分でできることは、自分でする」
そう教わってきたし、言葉で言われないにしてもそう感じる雰囲気が、うちの家にはあった。
後になって思うと、だいぶ甘えていたんだとわかったけれど。
後からわかっても、その時その時は「自分でする」というスタンスで過ごしてきたわけで、完全にわたしの中のルールとしてできあがっていた。
それが、ここ数日で覆された。polcaの登場によって。
polcaはクラウドファンディングのカジュアル版。
少額の資金を支援してもらうものだから、お願いもカジュアル。
わたしはお願いすることが思いつかなくて、支援することから始めた。
ついつい頑張る女の子を応援したくなるのは、わたしの心に住まうオッサンのせいかな。
キングコング西野さんの「電車代300円がどうしても欲しい!」というお願いに10万円以上集まっている。
西野さんの信用度に驚いたし、こんなことも起こり得るのかと感激したけれど、彼ももう十分楽しんだだろうから便乗するのはやめた。
西野さんならその10万円もおもしろいことに使ってくれるんだろう。
昨日、ようやくわたしも立ち上げてみた。
一番近くのカラオケまでチェロの練習へ行ったら、ハードケースが重すぎて辛かった。
そこでソフトケースを買おうと思って見てみたら、サイズが大きいせいか20,000~30,000円もした。
そのソフトケース購入代金を募っている。
(こちらですhttps://t.co/gl3IkjKpdJ)
友達が1人目の支援者になってくれた。
「友達にお金出してもらってもいいんだ。わたしのためにお金出してあげようと思ってくれるんだ。」
ひとりの支援がこんなに嬉しいと思わなかった。
わたしでも人に頼っていいんだとわかった。
誰かを頼るのは「自分でできることは、自分でする」ができない人がやることだと思い込んでいた。
西野さん絶対300円あるし、なんなら電車なんて乗らずにタクシー乗りそうやし。
それが良いなら(もちろん西野さんの普段のお仕事とか活動による信頼・信用あってこそですが)わたし何お願いしてもいいやんって思えた。
他にも「純粋に300円欲しい」とか、ふざけた企画もいろいろあるけど、そういう企画の存在がハードルを下げていて、いい仕事してるなぁと感心した。
「polcaは支援する側される側両方経験すべきだ」とTwitterに書いている人がいたけれど、本当にそうだと思う。
普段の生活では関わることがなかったはずの人たち。
支援することで、その企画に巻き込まれに行く楽しさ。
消費以外の支払いに楽しさを感じるとは、素晴らしい傾向だ。
みんなでそうやってお金を回して、楽しくなれば幸せだよね。
経済とは、そういうものか。
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